'74 FENDER STRATOCASTER
Blond/Maple Lefty SOLD
'54年の発表以来,ストラトキャスターのスタンダード・フィニッシュはサンバーストだが, 先行して発売されていたテレキャスターではブロンド (木目が透けて見える白)がスタンダード・フィニッシュだった関係で, ストラトのブロンド・フィニッシュ仕様は'54年のうちには生産されていた。
当初ボディにアッシュ材が採用されていたストラトだったが, '56年にさまざまな理由からアルダー材に切り替わっても, ブロンド・フィニッシュに限ってはアッシュが使用され続けているが, '50年代末ごろからは良質なアッシュ材の入手が困難になっていったようで, 以降'70年頃まではブロンド・フィニッシュのストラトの生産本数は特に少ないようだ。 ブロンドと同様にアッシュを使用するナチュラル・フィニッシュが ニュー・カラーとして登場した'72年には, アッシュの供給に大きな問題はなくなったと思われるが, '75年になるまではサンバースト・フィニッシュ以外はカスタム・カラー扱いだったこともあって, ブロンド・フィニッシュの生産本数が少ないことに変わりがない。 特に,レフト・ハンド・モデルでは相当に珍しい仕様と言える。
'74年後期は,ストラトキャスターのピックアップは各弦のポールピースの高さが均一の 通称“フラット・ポールピース・ピックアップ”に切り換えられる時期だが, このレフティ・モデルは'74年後期製にもかかわらず, 各弦でポールピースの高さが異なる通称“スタガード・ポールピース・ピックアップ” がオリジナルとして取り付けられている。 これは,レフティ・モデルは生産本数が少ないため, 仕様変更の時期が通常の右利き用モデルよりも遅れることを物語っている。