恐ろしくて言えない、、、


 

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません


6月28日の出来事

それはもう恐ろしい時間だった。
来週でいいですか?
それは理性の欠落を意味していたのではないだろうか。
さらに恐るべきはその質問に対する返答が
いいですよ。
であった事である。

ベータという名のブースターにはLureがエンチャントされているに違いない。一般価格よりはるかに安いとはいえ、16,800円である。そうでなければここまで人が引き付けられるわけがない。
その時、誰一人として、あれほどのベータを購入するだけのお金を所持しているものはいなかったのに、、、
『来週でいい!』この甘い言葉は、「来週買うも、今買うも同じことさ」という歪んだ事実を引き出してしまったのである。

最初は何から始まったのか、、、今となってはどうでもいいことになってしまったが、
「Dual Land 2枚目!中途半端だ〜」 O野氏(仮名)の叫びである。
対するK賀氏(仮名)はすでにアラビアンナイトでDuzam DjinnやベータでForcefield等を引き当てていた。
黒枠Dual Land、、なかなかいいカードを引き当てているのだが、せっかくベータなのだから求めているものには一息追いつかない、、、その中途半端さが人をまた闇の深海へといざなってゆく。

O野氏が引く、、「Gauntlet of Might」!!
K賀氏が引く、、「Raging River」!!
また一つ、また一つと開いてゆく、、、しかも、すばらしいカードを伴って、、、
わかっていたはずなのだ「これは罠だ」、、、「これは罠なんだ」、、、わかっているのに、、、
「Gin鬼さん(仮名)、私もいいですか?」
ああ、人とはなんと弱いものだろう。
「いいですよ。」
まるでなんでもない事のように答えるGin鬼氏、、、しかし、私は確かに見たのだ。私を囲む3人がにんまりと笑うのを、、、あれはただの錯覚ではないはずだ。

コモンカードをめくる手が、、そしてアンコモンをめくる手が震えている、、、
すでに14枚のカードがあらわになっていた、、、最後を、、最後をめくってはいけない!どこか遠くでそんな声がしたような気がする。
だが、じわり、、、じわり、、、動いてゆく手を止める事ができない。
露出部分はすでに黒枠をはずれ、Legacyを示す茶色が見えている、、、じわじわと見えている部分が広がるも、パワーやタフネスを示す数字があらわれない。
『いいぞ、いけ!』『やめろ!いまならまだ引き返せる!』
そんな言葉はすでに理解することが出来なかった。
Mark Tedin』の文字が見えた時、一人(?)の悪魔が反応する、、、
悪魔は衝動を押さえながら、「外れも多いんだ、、、」 とつぶやいた。
「だがもし、もし、2マナコストだったなら、わからない」 とも、、、
Aが見えた瞬間全ての動きが止まった。そして、カードだけがするりと、、、、!、、
Chaos Orb
それを手にしてしまった私は当然のごとく、Destroyされてしまったのだ。

この破壊は肉体だけにとどまらず、かろうじて残った精神にも影響を及ぼしていた。
壊れた精神は、次のブースターへと手を伸ばしていったのだ。
Berserk。まさに私の精神は狂戦士となっていたのかもしれない。
コストが緑のアンコモンを引き当てた時、「やはりもうだめなのだな」 と感じていた。だが、現れたカードはCamouflage。まだBerserkとは化していない。救いの道はあるのだ。

このレアこそがテルミヌスエスト(境界線の意:「新しい太陽の書」より)となるに違いない。そう直感していた。
黒いカードが見える。ノンクリーチャー。アーティストについてはよくわからなかったが、コストが黒黒であることがわかると、

『Warp Artifact』、、、
『やはり暴走するのではなかった、、、だが、だからこそ、これは私を日常に戻してくれるのだ。』

と、多大な後悔の念と、安堵感が押し寄せてきた。
カードの頭文字をみると、、もはや疑いようもなかった。
さあ、日常への扉を、、、、、、、、、

!!
だが、私を見つめていたのはこの1対の瞳だったのだ。
Word of Command
このようなものが存在するとは、、、
この瞳に見つめられた私は、もう自分という存在ではなかった。

K賀氏がレアにIlandを引くのを見届け、
最後に「Magical Hack」を引いた私は、一人の悪魔にMagical HackChaos Orbを売り渡し、Ancestral Recallを手に入れる事となったのだ、、、
本当の最後のカードは、Gin鬼氏自ら剥いたブースター
5/6 Flying 強力だ。

 

しかし、、、、いかす、、、