ゼッケン1も誇らしげな、フランコ・ウンチーニのHB(ハーベー)ガンマ

発表された乾燥重量が108kgという超軽量の’83初期型。開幕戦の南アGP。
(設計された古山さんによると正確にはこの車体は106kgで、横内さんの108つのほうが
切りがよいだろうというお話が108kg説のもとになったというのが真相のようです。)

初期型のフレーム。

パイプの曲げ加工部分を省いて、軽量・高剛性を突き詰めた仕様。
ハンドリングに問題を抱えたようです。古山さんと水谷勝さんの会話によると
「サス拾わんかったで」ということだそうです。
エンジンの積載手順も煩雑なものだったようです。
水谷さんの言葉を借りると「相当苦労しとったで」ということのようです。



第10戦イギリスGP、一位グループを走る#6ランディ・マモラのRGγ。
#4ケニー・ロバーツ、#3フレディ・スペンサーとデッドヒート。

事故中断をはさんだヒート2では、マモラ、スペンサーに
この年からフル参戦を果たした #27 "ステディ"エディ・ローソンを
加えた三つ巴の2位争い。

後期型のフレーム。曲げ加工を駆使した、XR40様のフレームワークに戻っています。

83年のスズキ陣営は、マモラ、ウンチーニらエース格のほかに
ロリス・レッジアーニ、アントン・マンクらにもRGγを与えました。シーズン途中からは
更にブット・ファン・ドルメン、セルジオ・ペランディーニ、バリー・シーン(エンジン供給のみ)らも加え
物量作戦を展開して、ホンダ、ヤマハを迎え撃ちました。
しかし、マモラが年間ランキング3位に入ったぐらいが目ぼしい戦跡で
それ以外のライダーにとっては、アッセンでのウンチーニの例に見られるように
レース内、外でのアクシデントが多かった不運なシーズンだったという事もあり、
ケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサーという二人の天才ライダーの前に
一敗地にまみえることとなりました。

ガンマのフレームは、このあとXR70のリブ付き押し出し材をメインパイプに使った”MR−ALBOX”を経て
Vガンマのツインスパーフレームへと変化していきます。
工事中
MR−ALBOXの断面図。

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