くまちゃん 運命の出会い(後編) の巻

女の子は店のお姉さんに「贈り物にしたいので、リボンをつけてください」って頼んでる。

やだな、リボンなんて似合うもんか。それも赤いのなんて、女の子みたいじゃんか。
僕は男の子だぞ。 やだやだやだ。

あれ、リボンじゃないぞ。なんだ、また箱?
今度はダンボールじゃないけど、しろいちっちゃい箱だぞ。 あ〜あ、またまっくらだ。
もういいや、今度はちょっとの辛抱だろうし。お昼寝のつもりで、寝ちゃおっと。

Zuu Zuu Zuu

「お誕生日おめでとう、なおみちゃん」

ん?なんか言ってるぞ。あっ、そうか、僕は贈り物だったな。今度こそ運命の人に出会えるんだな。
やっと落ち着けるんだ。窮屈な箱の中ともお別れだな。

「開けてもいい?」

やった、開けてくれるぞ。ついに会えるんだな。わくわく。なおみちゃんって言ってたな。

ガサガサ ゴソゴソ

開いたよぉ。やっとまともな暮らしが出来るよ。

はじめましてです。僕を可愛がってくださいね。