別誌かもめ通信 2000年7月号
コンピテンシー
アメリカでブームとなり、現在、日本で広まりつつある言葉の一つに「コンピテンシー」という言葉があります。
それは、新しい「人事評価基準」の一つです。

コンピテンシーが生まれるまで

高度経済成長の終焉とともに、終身雇用、年功序列を中心とした労務制度から、より企業経営に貢献するシステムが求められるようになりました。また、働く人々の価値観の変化と共に、変化に対応した労務システムが必要となりました。
その流れの中で、新しい人事評価基準が定着してきました。
「職能」、つまり職務に関してのその人の能力が評価の対象となりました。
また、仕事の「成果」に対する評価も重要視されています。
これらの評価を、ポストや賃金に結びつけることにより、社員間の競争は激しくなり、企業業績に大きく貢献したと言えるでしょう。
しかし、「競争相手に、仕事のコツを教えない。」等の弊害もあり、企業にとってマイナスの部分も見えてきました。そのマイナスの部分を補い、さらに企業経営に貢献するものがコンピテンシーです。

つまりコンピテンシーとは
コンピテンシーとはいわば「仕事のコツ」に焦点をあてる人事評価基準と言えます。
一般的には、より具体的な「行動特性」に着目し、構築される人事評価基準のことを言います。
つまり、「その仕事をできる能力がある。」ということでも、「結果として、いい仕事ができた。」ということでもなく、「仕事ができる人は、こんな行動をする。」ということに着目します。

コンピテンシーの効用

やる気はあるのに成果に結びつかず、上司に「いいもの持っているんだけどなー。」と皮肉を言われ、どうしたらいいのか最近悩んでいるA君も、「自分の行動特性」と「仕事ができる人の行動特性」を比較検討し、「仕事ができる人の行動特性」をマスターすることにより、仕事ができる人になれるのです。
そして、企業の業績は上がり、仕事ができるようになったA君の処遇もUPします。
コンピテンシーは、社員の採用、配置転換、教育、能力開発、行動基準づくりなどに有効と期待されています。

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