就業規則

 

就業規則は会社の憲法とも言われ、会社と社員間の基本的なルールです。就業規則は、会社組織以外でも労使関係があれば同様です。

目的1 就業規則作成は会社のルール作りのため

・様々な人間が集まり、色々な事案が発生する以上、そこにはルールが必要になります。就業規則というルールがなければ、トラブル発生のリスクは大きく、また一旦トラブルとなった場合、労使双方にとって不利益な結果となるでしょう。

・法律で就業規則作成が義務づけられているとしても、労使双方の利益や事業の発展を念頭において、就業規則というルールを作成、管理、運用(活用!)していくことが大切であると思います。

目的2 就業規則作成は法的要件を満たすため

就業規則は労働基準法で、事業場毎に、常時10人以上の労働者(パート等含む)を使用する使用者に、その作成、届け出が義務づけられています。

また違反した場合には罰則があります。

就業規則作成の手順

・就業規則作成(1〜3ヶ月はかけまし ょう)
・労働者代表意見の聴取(同意がなくても可)
・労働基準監督署への提出
・各作業場等で掲示など(従業員に周知 させる。 これをしておかないと就業規則の規定は無効となります。)

就業規則作成の留意点

(個別の規定を除く)

・就業規則を後から変更しようとしても労働者への不利益変更は、原則、認められません。

大企業の就業規則をそのまま借用すると中小企業にとって大変な負担となってしまいます。自社の規模、経営状態等に見合った就業規則を作成しましょう。

「パート社員等のための就業規則」を作成しておかないと、「正社員を対象に作成した就業規則」がパート社員にも適用されます。 例えば退職金の規程がパート社員にも適用されるということです。 必ず「パート社員用の就業規則」を作成しましょう。

・知らない間に法律違反をしないために、その時々の法律に適合させていくことはもちろんです。


かもめ通信 2000年8月号



■坂間事務所

まだ就業規則を作成していない事業主様へ
就業規則参考(労働基準法より)

第九章 就業規則


第八十九条 (作成及び届出の義務)
 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一  始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

二  賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三  退職に関する事項

三の二  退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四  臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五  労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六  安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七  職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八  災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九  表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十  前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項


第九十条 (作成の手続)
@使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

A使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。


第九十一条  (制裁規定の制限)
 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。


第九十二条  (法令及び労働協約との関係)
@就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

A行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。


第九十三条 (効力)
 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となつた部分は、就業規則で定める基準による。