投稿欄
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海の彼方に夕日のように
飛鳥 彰
空行く雲のように流れ、渓流の水のように過ぎ去ったことを
クヨクヨ悔やむのはやめにしたい。
過去というものは悔やむんじゃなくて反省するものだからね。

ほら、前向きに反省すりゃあ、過去からだってきっと
素晴らしいことを学べるさ。
過去の幻のような夢芝居の出来事が教訓となって
素晴らしい未来が開けてきたりするよ。

ぼくたちには今はまだわからないことかもしれないが
海の彼方に泡のように過ぎ去ったすべてのことは
ぼくたちにとって、それは「よかった」と言えるものなんだ。

ぼくにだってたくさんあったさ、
過去の失敗も、いやになるような挫折も、
ほんとうに二度としたくないような経験も、
それらはみんな、ぼくという人間の肥料になり、
栄養になり、根っこになり
ぼくを曲がりなりにも成長させてくれたと思うよ。

だから、過去に起こったすべてのことは、
「よかった」って言えるものなんだ。

だから今、日のあたる場所で花が美しく咲いていても、いなくても、
また赤や黄や紫の実をつけていても、いなくても、
小鹿とかコウノトリみたいに成長をつづけるキミにとって
すべてのことは、「よかった」と心から叫べるものなんだ。

ぼくたちには今はまだわからないことかもしれないが
海の彼方に夕日のように沈んでいったすべてのことは
ぼくたちにとって、それは「よかった」と言えるものなんだ。

20世紀のブラジルの文豪ギマランエス・ローザは綴っている。
「人生が私たちに要求するのは勇気である」
「勇気とは、心をはずませるものなのである」と。

勇気ある人はどんな試練があっても、前へ前へ進む。
だから、必ず道が開かれる。
ダイヤモンドみたいにピカッと光る勇気で
力ある人生を生きたいものだ。
楽しく前進したい。

またブラジルの詩人セシリア・メイレレスは言った。
「学ぶということは、間断なき人生の中で、
 更なる勝利を常に勝ち取っていく力である」と。

インドネシアの大文豪プラムディアは言った。
「ひとりの人間の力を侮ってはならない。
 ましてや複数の力を。
 なぜなら、人はみなその内部に、
 無限の可能性を秘めているのだから」と。

ぼくにもキミにも夢をかなえるチャンスはある。
しかし、同時に、試練という奴を覚悟しなければなるまい。
宇宙の中に生きているぼくたちはそういう存在なんだ。

夢が叶う前に、必ずぼくもキミも失敗をするようになっている。
なんども、なんども失敗をするんだね、エジソンみたいにだよ。

ほら、身近なまわりの人から白い目で
批判され、反対されるよ。
「お前には無理だ」「やめておけよ」
「いまのままで充分じゃないか、何の不足があるんだい」
そんな声がかまびすしく聞こえてくるよ。

それでも、ぼくは自分の夢を「あきらめない」
「くそっ、あきらめてたまるか」
「絶対にあきらめないぞ」

そう言いつづけ、チャレンジする人だけが
夢を叶えていくんだね、きっとそうだよ。
だから夢を叶える近道は
「絶対にあきらめない」と言いつづける事なんだ。

幸せのオアシスって、どこか遠くにあるものじゃあない。
幸せのバラ園って、キミの外側にあるものじゃあない。
幸せの噴水って、キミの心のなかの広場にあって
太陽に向かって勢いよくはげしく美しく噴き上げているんだよ。

いつだって、キミの幸せを見つけることができるのは
そう、キミだけさ、キミひとりだけだよ。

一日に何度も「幸せ」と声に出して言ってごらん。
幸せはきっとキミのなかに見つかるよ、
ぼくはきっぱりと自信をもって
そうキミに断言しとくよ。

ぼくたちには今はまだわからないことかもしれないが
海の彼方に夕日のように沈んでいったすべてのことは
ぼくたちにとって、それは「よかった」と言えるものなんだ。

「よかった」と言えるものなんだ。

飛鳥 彰さんのHP

無花果
沙門
白いシャツを
碧空に投げ上げた
境界線は透明な風
あてもなく笑い
踊る
砂を蹴る


走り出した


さようなら!
退廃のフレア!!


神よ     僕は!!!


あのダイヤの鏤められた海へと
ダイブした



痛々しいもの
竹内ひとし
ガラス格子に囲まれた
茶色の子犬は不貞寝する
値段が貼られたガラスには
大人気、とも書いてある
可愛いだけなら飼ってもやりたい
寂しいだけなら抱きしめてもやりたい
けど、それだけではないから
痛々しいのだ
子犬はこちらを振り向かない
それよりぴくりともしない
えさの時間を夢見ているのか
まだ呼ばぬ主人の顔を舐めているのか
その小さな舌が力いっぱいに跳ねた

狭いというより
ガラス格子は清潔すぎる
それがなおさら痛々しいのだ

「銀のスプーン」
竹内ひとし
銀のスプーンがやって来て
一日が終わる
読み終わった本を閉じるような
恋人としばしの別れを惜しむような
そんな時のような
一杯の悲しみが、銀色に溶ける

「欲しいもの」
竹内ひとし
64歳、老眼鏡の親父は
新車を欲しがる
ツーシーターのスポーツタイプ
64歳、頭のハゲた親父は
97kgの体重をもてあまし
食ったら寝る
64歳、今も働く親父は
スポーツ車特集のカー雑誌を
わざとコタツに広げて
そのなめらかさ、しなやかさを
僕に説明する
親父は僕に結婚の話しを勧めない

60歳、看護ボランティアの母親は
お嫁さんを欲しがる
良妻賢母の明るいタイプ
60歳、携帯を操る母親は
46kgの体重をふわふわと
水曜には水泳教室に通う
60歳、土曜はパソコン教室よ、の母親は
綺麗な表紙のお見合い写真を
わざとコタツに広げて
そのなめらかさ、しなやかさを
僕に説明する
母親は僕に新車の話しを勧めない

でも、知っていますよ
お二人が本当に欲しいのは
なめらかな新車でもなく
しなやかなお嫁さんでもなく
元気な孫が欲しい、てことを。

「ホワイト デー」
竹内ひとし
花屋にいた
キュッ、としたつぼみのチューリップが
申し訳なさそうにこっちを見ている
これにします。
いい季節なんですよ、と店員さんは
チューリップに言った
配達でお願いします。
用紙に届け先を書き込む間
他の花達にずっと覗き込まれていて
僕の真向かいにある
シクラメンくらいに、顔が照れる
春にチューリップ。
いいプレゼントになる、と頷き
会社に戻る

でも、どうかな
ホワイトデーにチューリップ
チューリップだけに
求婚(球根)だなんて
深く読んでくれないか、な。

ALL DAY
竹内ひとし
今日もまた雨が降る
風の声に騙されて
外に出ると
誰も僕に気づいてくれない

七月の熱気の中
まだ早い西からの風に
両手を広げ
天を目指した

そして僕が天に昇ったとき
雨は冷たい血となって降り続く

血の雨になって初めて気づく
血の雨になって気づく
止まぬ血の雨になって
一日中降り続く

夢は溜まっていくばかり
学校に行きながら
明日に希望を押しつける

天国は遠いところにあると聞く
悲しむのだろうか
突き落としてくれれば
楽になるのに

そして僕が天に昇ったとき
雨は冷たい血の雨になって降り続く

血の雨になって初めて気がつく
血の雨になって気づく
止まぬ血の雨になって
一日中降り続く

今日もまた雨が降る


「飽食」
ヨシキヨコタ
日常から滲み出た
もう一個の僕の影が
おそらく僕の知らないところで
張り付いてそれは動かない

やはりそれは僕の知らない色をしているのだ

平凡な空が延々と連続している

金縛りにあったような退屈だ

触れられない響きだけが
ぽかんとあれを呼んでいた

その時ぼくはさかなだった

何日も前から期待していた映画が
あまりに退屈だった時のような滑稽だ

僕はただ無意識に
あの女がやるように
何も考えないで口を動かせばよいのだ

色彩の飽食だ

明日
あの女を毒殺しよう

色彩の透過がやたら激しい
今日は  特に

ヨシキヨコタさんのHP

minaさんの詩
  「吐く息」
僕が酸素を吸いすぎてしまうのは
この歪んだ毎日のせい
無意識に僕の手が招いている
必要以上に二酸化炭素を求める僕の肺は哀しい
真白な呼吸など僕にはいらない
なにも変わらない明日など迎えたくない
怖いものが何かもわからない
僕の吐く息は白い
僕の吐く息は白い
僕の吐く息は白い
とても無機質に・・・・・


「無題」
カンカン照りの頭上に嫌気がさして
ふりはらってもふりはらっても射し込む光に眩暈がして
吐き気をもよおす
真白なアイスは私の手の中でドロドロに溶け出し
足元に嫌味な水玉模様を描く
そんな中右にも左にも行けず
只々立ちすくむ私が
どうやら誰にも見えていない様だ
その現実にホッと胸を撫で下ろし
カンカンの空を見上げる
目が潰れてしまいそうだ


「街」
いつもより空は嘘の様に高く
それを見せないように覆い被さる汚い街の一点
周りは映画の画面の様に動いているけれど
私だけはポツンとした感じが有る
今までいつもここが真ん中だと思っていたけれど
いったいここはどこだろう?
急に浮かんだ一つの疑問
答えを求める様に小さな空を見つめる
嘘臭いビルの隙間から


「髪伸びる頃」
キミが私の中から消えかけて
そして私は髪が伸びるのを待ってる
誰も教えてくれなかった事が有る
私は他人からそれを盗んで
そして私の血に注いでやった
私の骨となり肉となり
私がそれに侵される頃
髪は腰で揺れてるだろう
早く伸びればいい 早く伸びればいい
 

青の伝説
萩野 豊
ある秋の日の午後
とおい町の外れにある原っぱで
すぎた歳月にタイムスリップして
すべてを忘れ空をみつめている
水色のとんぼがくるくると泳いでいる
空の果てに吸いこまれるように
いつしか夢のなかにいた
かすかな音をのこし
風が愛撫する草のそよぎのなかで
少年の初秋の夢がよみがえる
あの日の空の青
それはどんな画家もイメージできない不思議な青
夢のなかに一度だけ現われ
永遠の内部で溶けさってしまった
あわく深い神秘的な青
でもそのときたしかに視た
水色のとんぼが雲ひとつない
空の奥で泳ぎはじめると
あらゆる感覚が波立ち
とうめいな光につつまれた空が
この世のものとも思えぬほど青く輝やくのを
伝説によるならば
人は生涯に一度だけ
少年時代にしみるような青を夢にみるという
そして
見果てぬ記憶を刻まれた者は
美の夢遊病者となり
狂ったように言葉に憑れるという
天界から刻印された
けっしてみることのできない傷痕を
魂にしるされた者の
癒されることのない渇き
かって人間のために火を盗んだプロメテウス
その昔もうひとりの男が
人間のために神々の言葉を盗んだという
いまも男の末裔は
少年の日に夢にみた青の記憶を忘れることができずに
息絶えるときまで言葉を紡ぎつづけている
とまれ!永遠よ!
つかのまの安らぎのひと滴となり

『ひびき』(丹野文夫主催)の同人。
萩野 豊さんの詩のHP

ユーラの詩



「あか」
ヨシキヨコタ
あかはあかい
あかいぞあかは
ぼくはりんごがすきなんだ
だってあかいから
あかいからりんごはあったかい
あったかいからりんごはあかい
かあさんがあったかいのは
からだのなかがあかいから
きっとなかでたきびをしてるんだ
だからとってもあかいんだ
だからぼくはかあさんがすき
だからぼくはあかがすき
かあさんのことばもあかい
ぼくにもあかをくれるんだ
あかんといってくれるんだ
きのうまではあんなにあかかった
かあさんがとつぜんつめたくなっちゃた
もうすぐなつだからだからかな
なんでだろうなんでだろう
とおさんにきいてみよう
とおさんとおさん
おとおさん
どうしてかあさんつめたいの
かあさんはきのうまであんなにあかかったよ

ヨシキヨコタさんのHP


ワスレモノ
ヨシキヨコタ
僕は息を吐く
無意識に呼吸する

僕はアスファルトを歩く
ただの一歩も確認しないで歩く

僕はたばこを吸う
今はおいしいなんて思わない

僕は忘れっぽい
忘れっぽいから
昔の彼女の事も忘れていられる
でも何か大切なものが思い出せない


 ”何処かで”
okatsushi
何処かで声がしています
空耳かも知れないけど 
確かに聞こえてくるんです
もしかしたら心の奥で
唯 過ぎていく時間の
侘しさに触れて
とてもとても切ないと
叫んでいる自身の声かも


”薔薇”
okatsushi
とても美しいので
赤い薔薇の花を切りました
花の言葉を知らずに切りました
お返しに
心に痛みを返してくれました
触れた棘で
ほんの少し流れた赤い血は
花の言葉と知りました

okatsushiさんのHP



「首都・東京」
栗田茶実
東京はわたしに何をくれますか
東京は夜も闇もないのですか
東京は星の代わりになるものがありますか
東京はリセットなのですか

東京は友には何を与えたのですか
わたしの知らない何かを与えたのですか

東京はわたしには何をくれましたか
分かっています
だから東京が必要なのです
だからわたしはここに居るのです

「めざめた」
栗田茶実
ゆめが終わってしまったら
悲しき悲しき朝が来る
時計の音の秒読みが
日蔭な朝へと連れてゆく

いつまでもいつまでもいつまでも
不都合で理不尽で退屈な
毎日はやって繰るんでしょう

皺が刻み込まれる前の
真っさらな脳に戻りたい
太陽光線遭う前の
母のお腹の中までも
戻りたい

どこかで何かが動き出す
その足音が聞こえ出す

どこまでもどこまでもどこまでも
昇る空、歩む道、沈む波
わたしの居場所なんてあるの?

歴史を記してゆく前の
紀元前まで退化したい
幼い卵の集合体が
物語る前の風景を浮かべたい

弾んでも落ちて
見つけても失って
描いても汚されて

それでもたまには
破いても貼り直してくれる人もいるから

いるからわたしは頑張れる

栗田茶実さんのHP



降りやまない雨
yamane
静かな夜に、なりやまない雨音だけがすべてをつつむ…
濡れぼそった冷たい心、終わらない時のながれ…
ただ、寂しさを紛らすためのつながり…
そんな小さなつながりをも消しさる雨…
そんな自分が好きになれなくて、そんな今を生きる自分が嫌になる…
小さな思い出なんて離れてしまえば、かえってなんてこない…
どこかに置き忘れた壊れた記憶…
わからない自分…
小さな存在…
いったい何がしたいんだろう…


『浴場』
エリコスドウ
  引っかいた 爪を立てて 浴室の鏡は湯気で曇ってる
  私の腕 血が滲んで シャワーの水できれいに流れる
  泡立てた頭 隣でかきむしるあなたは泡食って
  あわよくば 逃出そうかと 及び腰で構えてる
  最初に見つけた愛の種は 結末のためにその芽を摘まれ
  ひまわりの種と同じね 炒めて食われた
  干上がった心を 潤せない浴場 欲情 ヨクジョウ
  悔んでも 元の場所には もう別の女が居座っていて
  その赤い爪で 次の誰かを傷つけようと 体を清めているみたい
『リストラ』
エリコスドウ
     首きり社会 征服されたあの人達
  失楽園が幸福の本質と説く者が
  ほんの一握りのこの社会には
  法則といえば 社訓だし
  制服といえば 垢抜けないこのベスト
  流動を示唆することが 人事の戦略だとしたら
  首きり社会で埋もれた 浮遊するこの首達は
  次には彼らの喉元を 真っ先に狙ってくるかも
  義務と責任が 表裏一体だとしたら
  愛情と憎悪もまた 紙一重
  だから気をつけて エセ再構築されるこの社会
  裸のまま向き合える人選など
  この場合 よその法律で どんどん縛られちゃうんだから
  吐き気するわね 全くの話
  

エリコスドウさんのHP

 


「無題」
木下シンジ
龍を黄色としたのは懐かしむ夏色のせい
何を見つけて欲しいの?
美しく毛並みをととのえる方法
笑ってドレスにキスをした
渦巻く耳鳴りが
懐かしく響きはじめる
カラカラなノドを見つけて欲しい
すました横顔は夕張を起こしたてた
指が上手に絡まるように
夜は一緒にぬくもってた
もつれたドレスは
液をつけたままゆっくりと走りつづける
笑ってドレスにキスをした
渦巻く耳鳴りが
懐かしく響きはじめる
龍を黄色としたのは懐かしむ夏色のせい


「青が溢れだした月」
雪が甘い夜を際立たせた
それは勝手な行動
無視ができなくなったのは
羽に包まれてく月が
青く溢れだしていったから

流れる風を追いかけてた
無意識的な事は
人よりおぼつかない様子だった

沈み込む夕陽は
涙が滲む万華鏡を表してた

滲み出る快楽の嵐さえ
止められずにいた

雪が甘い夜を際立たせた
それは貧祖な愛情
無視ができなくなったのは
羽を毟り取る月達が
増殖していったから

上からの指示に従うだけ
それでも誰かは故郷を見てるから
思い出に残る断片は
一つ一つ大切だから
だから信じあえる・・・よね?

雪が甘い夜を際立たせた
それは勝手な行動
無視ができなくなったのは
羽に包まれてく月が
青く溢れだしていったから

木下シンジさんのHP



共存
okatsushi
絵を書いてみる
遠くを見ている 男の人
近くを眺める 女の人
言葉を 交わしてみる
おさない 男の子
年を取った 女の人
闇に 向かっている
方向だけが 同じで
平行線の上を 別々に
歩いている 男と女の人
頼りない 明りを点して
解けない なぞの
時間が 過ぎてゆく
遠く霞んだ 向うから
絶えず 聞こえてくる
よちよち歩きの
男の子と女の子の 声

okatsushiさんのHP

『碧空』
yamane
今でも今にも墜ちそな空は、幼い記憶の空のまま、ここから、どこから、あそこから
透き透る碧は墜ちてきて、心の隅まで浸透す。

漆黒の闇は全てを包み、覆いかぶさるは命の戦慄。
どこまで堕ちれば救われる、この枯れ果てた魂。
孤独というなの棺に埋められ、耐え忍ぶ身体はいつしか消え去り、散りばめられた想いへと還る。
すべてが無にきすその時まで・・・。