風に誘われ歴史散歩。 |
水と緑にはぐくまれた文化、それが富士見の特徴です。
珊瑚寺に、石碑の詩歌に通う緑のあたたかさ。昔日の思い。都会にはない文化に、知性が惹きつけられるんですね。
さて、知性を磨く旅へと好奇心を向けてみましょう。
句碑めぐり散歩道、 赤城神社、 珊瑚寺、 沼田街道・米野宿、 大鳥居
乳房の銀杏
赤面観音
鏡池
不動の滝
穴薬師
涙の梅
臥牛石
地蔵堂参道の右側、水屋の先に銀杏の大木がある。この木が乳房の銀杏と呼ばれるもので、乳の不足する産後の婦人が、この木の枝で作った箸で食事をすると、乳の出がよくなると伝えられている。
鏡池の中央に祀られている観音様。一心に願をかけながらそのお顔に池の水をかけ、顔が赤く変化するとその願いがかなうという言い伝えから、こう呼ばれる。
地蔵堂東にある丸いこの池は、作物が枯死するような日照り続きの時も、長雨で大水が出るような時にも、水量は増減することなく常に澄んだ清水をたたえている。
本堂裏手にある小川が流れ落ちる滝をこう呼ぶ。
昔、石井村の三代吉という者が、ある夜珊瑚寺境内に滝を造るべしという不動様のお告げの夢を見た。信仰の厚い彼は早速工事に取りかかったが、難航し思案にくれてしまった。するとどこからともなく不動様が現れて、瞬く間に滝を完成させてしまったということである。
地蔵堂左手、杉の根本にあるこの薬師は弘法大師の作といわれ、以前は石穴の中に祀られていた。この薬師像は他所に移されても、その夜のうちに必ずこの穴の中へ戻ってしまったということである。
正治年間になって景時の妾であった女が、勝道上人開山の寺で頼朝・景時父子の霊を供養せよという言い伝えに従い、当寺にたどり着き2人のまつった。その時杖として携えていた梅の枝をここに挿したものが根付いたもので、当時月の澄んだある晩、和尚が根元にある座禅石の上で一心に禅定に入っている姿に感服した梅の木から、しきりに露がしたたり落ちたという。以後涙の梅と呼ばれ、念仏を唱えながら三廻りすると露がしたたると伝えられている。
珊瑚寺石門の左側にある石のことで、人々がこの石に願いごとをすると、不思議にも石が牛に姿をかえ、その人にかわり信州善光寺にお参りをしたという。