有線放送を見学




村人むすぶ有線放送   「村人むすぶ有線放送」と富士見かるたでも親しまれているとおり、有線放送は今でも村のお知らせや時を知らせるなど生活に密着した情報を流し続けています。
  有線放送というとお店にあるBGM機と思われますが、富士見村の有線は電話+放送機器で、目的が少々違います。





交換機
A型自動交換機

みの
交換室にはなぜか「みの」が…

録音風景
お昼の放送の録音風景

スタッフ
アナウンサー(前2人)と技術者

公社接続交換機
電電公社接続に使っていた交換機
  富士見に住んでいても普段目にしない、有線放送のスタジオはどのようなものなのかと思い、今回伺ってみました。アポなしで伺がってしまったのですが、スタッフの方々は快く取材に応じていただきました。
  有線放送のスタジオは富士見農協2階の一角にあります。伺ったときには、3人のスタッフの方々がお昼の放送分の録音を行なっているところでした。

  まず、交換機の部屋を見学。そこには電磁リレー式の交換機が一部屋(約20畳くらい)に並んでいました。あちこちでカチカチと音がして、動いていることがよくわかります。話によると、沖電気製のA型自動交換機だそうで、NTTの方が保守点検に来ると、「懐かしい機器だ」と言うほど時の経った(つまり、古い)機器だそうです。今や、NTTではすべてディジタル式になってしまったので、そう言われるのも当然でしょう。機械式なので、熱も相当出ていて、エアコンがフル活動していました。
  次に、隣にあるスタジオを見ました。ここは、学校の放送室のような大きさで、設備もそれに近いものでした。普段はアナウンサーと音声やBGMを調整するミキサーの2人で録音するそうです。そして、録音したテープは自動放送機にセットして、毎時の放送を待っています。部屋には所狭しと音楽テープが置いてあり、最近のポップスから懐かしい童謡まで幅広くそろえられていました。

  事務室には使われなくなった公社接続のときに使ったと思われる手動の交換機が置かれていました。驚いたことに、廃止されてから20年以上も経つのに錆はなく、今でも使っているのではないかと思うほどきれいに保管されていました。昔は、この機器が今の事務室に所狭しと並んでオペレーターが対応していたそうです。
  気になるアナウンサーですが、2人の女性がいて、美声に似合った美人でした。普段は原稿作成やミキサーなども行ないます。緊急の場合は、アナウンサー以外の方などが放送することもあるそうです。


有線放送を聞いてみる(放送を聞くには、Real Audioが必要です。インストールされていないようでしたら、以下のところでダウンロードしてください。無料です。) 朝の放送(約1分) morning.ram (100KB)
昼の放送(約1分) noon.ram (124KB)
  ダウンロードして聞く場合は、右クリックして(Macの場合はクリックし続けて)、「対象をファイルに保存」で保存をしてください。


  放送番組は表のようになっていて、主に村のお知らせを中心に1日に約2時間ほど流しています。お知らせなどは役場や各学校の予定表を見ながら、電話で確認を取り放送するようになっています。地域に密着した放送なので、落し物のおたずねや家に帰ってこない犬・猫、老人のおたずねも放送してくれます。また、CMも放送してくれるそうで、これがまた安い。400字詰め原稿用紙1枚以内で、加入者は1000円、加入者以外でも2000円というとってもリーズナブルな広告媒体です。
  ちなみに、利用料金は通話料無料(つまりかけ放題)で月々900円とこれまたとてもリーズナブルです。


有線放送番組表

時間
午前6:00〜
6:20
朝の放送村の話題等朝の放送
(今日の行事予定・お知らせ・番組紹介)
政府の窓等
7:00〜
7:15
NHKニュース
7:15〜小学校と中学校の給食の献立
11:50〜
12:15
昼の放送NHKニュース
午後12:15〜
12:30
お知らせ等お知らせ・歌謡曲等
20:00〜
20:20
夜の放送夜の放送
(そ菜の市況・明日の行事予定・お知らせ・明日の天気予報)
政府の窓等村の話題等
21:00スポット放送(1日の放送終了)




オンエア前の段取り
オンエア前の段取り風景

賞状
数々の賞を受賞しています。

時計
上のディジタル時計でテープが動きます。

有線放送広告
有線放送加入の広告

  さて、気になる今後ですが(私だけ?)、私としては話題となっているディジタル化を推進してほしいと思います。例えば、インターネット接続やケーブルテレビ、TTNETとの接続など、通信の先頭を走るサービスをはじめてほしいです。(お金はかかるけど)


歴史

  昭和41年9月1日に富士見村農業協同組合が事業主となり、業務が開始されました。それ以前は有線放送電話の前身である私設電話が各部落に設置され通信伝達の役目を果たしていましたが、施設の老朽化等により昭和35年に撤去されました。
  当時はまだ公社(現NTT東日本)の電話に加入している家庭はまれで、昭和42年からは富士見局(現富士見郵便局)経由で交換業務が開始されました。昭和48年の自動式無人中継所(小沢)の開設により、村内に公社電話が普及したことにより、公接取り扱いが年々減少したため、昭和52年7月に公社線との接続業務を廃止しました。
  現在では、放送業務と加入者相互の通話業務を主に行なっています。




資料

富士見村農協有線放送事業の概要
  1. 業務許可年月日    昭和41年3月1日
  2. 加入者数    2,016戸(1999年1月末現在)
    内訳  一般回線 1,923戸
          公共団体 93戸
    
  3. 職員数 放送主任、保守担当(1人)、アナウンサー・事務(パート2人)
  4. 放送時間    1日2時間
    内訳 自主番組    1時間15分(朝、昼、夜のスポット)
         NHK FM中継  45分
  5. 通話時間    24時間(放送中でも通話可能)
  6. 利用料金    月額900円(2ヶ月に1度口座振替)

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