登山講座 その10  Written by T.saito 2001/7/8              表紙ページに戻る


今回は最終回総集編です。 いままでに経験したこと、感じたこと、私なりの考えを述べたいと思います。


1.単独行のすすめ

  単独行は賛否両論はありますが実力をつけるために経験することをお薦めします。最初はあまり山深くなく、

  寂しいところではなく、道も指導標もしっかりしたところを選ぶようにします。普段パーティで歩くとなんでも

  ないところが一人で歩くといかに一人の人間が自然とくらべて弱いかあらためて認識させられます。天候は

  大丈夫か?、道は正しいのか?、 あれこれ不安が頭の中をよぎりますが神経が敏感になり自分自身で判断行動

  する考えをもつようになります。 不思議と経験していくうちに踏み跡が地面から浮かびあがってくるように

  なってきます。 是非とも経験してリーダーになれるようになってください。


2. テント山行のすすめ

  テント山行は荷物が多く小屋泊まりに比べて約2倍ぐらいになりますがテント山行できる体力がある限り

  テント生活をしてみることをお薦めします。 設備の整った山小屋で人が多くごたごたしたところよりも

  よっぽど快適に過ごせ、いかにも大地に抱かれた感じです。 テントの中で山談義で飲み交わすのもよし

  自慢の自炊料理を作るのもよし、是非経験してみてください。 でもくれぐれもテントと寝袋(シュラフ)は

  一般キャンプ用のものを選ばないでください。シュラフは羽毛でコンパクトなものを(キャンプ用の半分)

  テントは山岳用でないと耐水、耐風性が弱く実際には使いものになりません。 事実白馬岳で強風に逢った

  ときには山岳用のテントポールさえ歪んだくらいです。

  

3.遭難を防ぐということ  

  自然は機嫌のいいときには素晴らしい景観や動植物をみせてくれますが、いざ天候が悪くなると人間は

  いかなる装備をもっても勝てません。 これは実力をつけてからも絶対認識しておくべきで山行において

  無理は禁物です。 明日は仕事があるからという理由で天候が荒れているのに強引に山行を続けるのは

  危険なことです。 山行を止める、停滞する勇気が必要です。  装備は最悪のことも考えて携行し、

  アクシデントに逢った時には最善策をとらなければなりません。


4.家族の理解を得るということ

  私も苦労していることなのですが登山をやらない人からみるとどうしても危険なスポーツと思われがち

  です。 谷川岳と聞いただけで魔の山だと思い込んでいる人はたくさんいます。 家族に対して十分に

  説明を行い、理解を得てら山行をすることが重要です。 あとは下山したあとすぐに電話をすることも

  安心させるのには役にたちます。

  

5.登山という趣味を末永く続けるには

  特に若い時にはピークを極めるということに偏りがちですが長く登山という趣味を続けるには高山植物観察

  バードウォッチング、写真、その他山を楽しむという要素をもう一つ持ちたいものです。年齢が増すに

  つれて体力もなくなってきて楽なコース、軽い荷物、楽な小屋泊まりになりがちですができる限りは自然に

  と親しむということを念頭に持ちたいものです(一般の旅行と違い危険は背中あわせです)




最後に10編にわたりみなさんにもっと登山に親しんでもらいたく登山教室という形で経験を述べてきましたが

これを参考に経験を深め、実力をつんで、安全な登山に寄与できれば幸いです。

あとは会山行に参加するかどうかがキーポイントですね。


   以上で登山教室全10編を終わらさせていただきます。 ありがとうこざいまいした。