「プロの常識」vs「素人の情報」

私が転勤により名古屋から東京へ引っ越す際、独り暮らしであるにもかかわらず10トントラックが必要だった。
今回は、再び名古屋が勤務地となった時の引っ越しのお話。

私は、引っ越し業者に「ここに来る時に10トントラックが必要だったので、今回も10トントラックをお願いします」と言った。
しかし、その業者は「あなた、独り暮らしでしょ? 10トントラックなんて絶対必要ないよ。4トントラック1台で充分」と言う。

私はさらに「本当に来る時に10トントラックが必要だったんです。しかも満載状態で。何なら、下見に来て下さい」と言ったが、業者も「時間がない」とか、「独り暮らしに10トントラックを使った例は過去にない」との事で下見には来てくれなかった。
私は強い口調で警告したが、とうとう聞き入れて貰えず、引っ越し当日を迎えた。

そして引っ越し業者が来て一言、「こりゃ荷物が多いな」との感想。
しかし、業者も意地になっているのか、4トントラックに出来るだけ積み込もうとする。

とうてい無理であるとの業者の判断で、追加の4トントラックを呼んだのはずいぶん後になってからだった。
しかし、私はそれにも抗議した。

「言ったはずです。来るときに満載の10トンのトラックが必要だったと。4トントラック1台に、もう1台4トントラックを追加したって8トンじゃないですか。絶対積めませんよ」と。
しかし、業者は素人である私の言葉に耳を貸さない。

日も暮れかけて、とうとう業者はさらにもう1台4トントラックを追加せざるを得なくなった。
私の言葉を素直に聞いていれば、最初から10トントラック1台で済んだのに、結局業者の判断ミスで4トントラック3台を逐次投入する醜態を晒した。

いかにプロといえども、現場にいる(本当の情報を持っている)素人の意見を無視することは出来ない。
私も職場ではパソコンの「プロ」としてお客様やご販売店様に接しているが、この事例を忘れずに謙虚な気持ちで接しようと心がけている。

みなさんの周りにもこういった事例はありませんか?