500系のぞみ |
JRの普通乗車券が割引となるケース(普通に切符を買って割引を受けられる。期間、乗車区間無関係)には、
の2つがあります。学割については聞いたことがあるでしょうからここでは省略します。じゃ、往復割引って何 ?? 往復割引とは、
(JTBのもち歩き時刻表より抜粋)
これはあくまで、運賃のみです。特急料金は割引されません。また、この割引は通年(盆、年末年始、GWも含む)適用されます。筆者は出張で福島へ行く機会があって、先輩にこのことを教えてもらったから往復割引のことを頭の片隅に入れておくことにした。でも、こんな事知ってる人は少ないのでは無かろうか。
ここまでの話じゃ、新幹線と無関係じゃんと思われる方もいるでしょう。ご心配なく。往復割引は新幹線使用の場合でも適用されます。(運賃のみ) 要は片道の距離が600kmを超えれば良いのです。距離についてはJTBの時刻表でも調べて下さい。また、駅すぱーととか乗換案内って距離も出たはずだけど???
往復割引の話を聞いて、片道距離が580kmとか590kmだった場合はなんか損した気分になりませんか。いっそのこと10〜20km 先の駅までの往復切符を買った方が安くすむのではないか? という疑問があって当然です。ずばり、往復切符を買った方が安くすみます。例として、東京−新神戸間について説明します。この区間は589.5kmです。
筆者は東京−新大阪、もしくは東京ー新神戸間を使用します。まずはこの区間の距離、運賃、特急料金(通常期)を示します。さらに往復使用したときの距離、運賃、特急料金(通常期)も示します。
片道の場合
区間 |
距離 |
運賃 |
特急料金(通常期) |
計 |
---|---|---|---|---|
東京−新大阪 |
552.6 |
8,510 |
5,240 |
13,750 |
東京−新神戸 |
589.5 |
9,030 |
5,240 |
14,270 |
往復の場合
区間 |
距離 |
運賃 |
特急料金(通常期) |
計 |
---|---|---|---|---|
東京−新大阪 |
1105.2 |
17,020 |
10,480 |
27,500 |
東京−新神戸 |
1179.0 |
18,060 |
10,480 |
29,440 |
ここで、少し補足。補足など見たくねぇというかた
東京−新神戸間の乗車券には、乗車区間として東京(都区内)−新神戸(市内)と書かれている。新大阪の場合は新大阪(市内)と書かれている。これの意味することは何か。
ここでは、2の意味することが重要となってくる。たとえば、東京23区内の或る駅から神戸市内の或る駅までの距離が600kmになるとしても、運賃計算キロは東京駅から神戸駅の距離 589.5kmとなる。(備考参照) 例えば、東京−垂水間など。
話がうまく出来過ぎているぢゃないか。お手上げか。いや、あきらめるのはまだ早い。一方を東京23区外、神戸市内以外で 600kmをかろうじて超える(601〜640km)ような駅を探せばよいのです。筆者は大阪出身なので神戸側について話をしよう。新幹線で一つ西隣の駅は 西明石(もちろん明石市)で距離は 612.3km、十分条件をクリアします。在来線(山陽本線、愛称「JR神戸線」)の場合はどうか。
駅名 | 東京からの距離 | 東京からの運賃 |
須磨 |
596.8 |
9,030 |
塩屋 |
599.7 |
9,030 |
垂水 |
602.6 |
9,030 |
舞子 |
604.6 |
9,030 |
朝霧 |
606.5 |
9,350 |
明石 |
608.9 |
9,350 |
西明石 |
612.3 |
9,350 |
須磨−舞子間は神戸市内の駅、朝霧以遠は神戸市外の駅(いずれも明石市)
垂水、舞子は 600kmを超えているが、神戸市内の駅なので運賃計算キロは 589.5kmとなる。(もちろん往復割引の対象外)
西明石、垂水、新神戸の位置関係がもう一つよく分からない人は こちらをどうぞ
では、例として東京(都区内)−明石間を往復したときの運賃を計算して、東京(都区内)−新神戸(市内)間の往復運賃と比較してみましょう。なお、東京(都区内)−明石間を往復する場合、東京−新大阪間で新幹線を使用することにします。
区間 |
往復運賃 |
割引後 |
往復特急 |
計 |
東京−新神戸 |
18,060 |
―――― |
10,480 |
28,540 |
東京−明石 |
18,700 |
16,830 |
10,480 |
27,310 |
1,230円お得になります。西明石、朝霧駅でも同額です。
ちなみに筆者はこの方法を一度も使ったことがない。(だったら推奨するな) 理由は、出張の時は新幹線ビジネス切符(東京(都区内)−新神戸(市内))間を支給されるから。もしも、自腹で乗る機会があれば試してみようと思う。あと、ビジネスきっぷが使えない期間(盆、年末年始、GW)に乗る必要があるときにも試してみようと思う。
ここまでは 581〜600kmのケースを例にとって説明してきましたが、550とか560kmキロぐらいの場合はどうなるのでしょう。参考までに計算してみました。
距離 |
片道運賃 |
往復運賃 |
お得になる金額*2 |
541〜560キロ |
8,510 |
17,020 |
190 |
561〜580キロ |
8,720 |
17,440 |
610 |
581〜600キロ |
9,030 |
18,060 |
1,230 |
601〜640キロ |
9,350 |
16,830*1 |
*1; 往復割引後の金額
*2; 601〜640km 区間の往復切符を購入したときお得になる金額
一番上のケースでも190円は安くなります。(たいして得ではないような気がする。) 581〜600km の場合は絶対に601〜640km区間の往復切符を買いましょう。(駅弁の一つは買えます)
最後にお断りしておきますけど、この話はあくまで
往復で切符を購入される場合です。片道、あるいは行き帰りの経路がかなり異なる場合は目的とする区間のきっぷを購入して下さい。また、新幹線ビジネスきっぷを使用できる方はビジネスきっぷを使用しましょう。
(新幹線ビジネスきっぷは新幹線の切符(回数券)で一番お得で、しかも往復割引よりもはるかにお得。)誤解無きように。
話は変わるけど、どうして600km以上が対象なんでしょう。500kmにしてくれると大変有り難いんですけど。そこで筆者は自分なりに考えて見ました。その答えは、
501km〜600km 区間には 東京−新大阪間や東京−盛岡間など収益性の高そうな区間が多数あるからこの区間では割引をしたくない。また、600km以上じゃ儲かりそうな区間が少ないから、お情けで600km以上では割引したろかというわけだと思うんですけど。
特に東京−新大阪間なんて超ドル箱だろうね。JR東海の大収入源 !!! 確かにJR東海の収入源の8割は東海道新幹線だと言われてます。また、黙ってても(大幅な割引などせずとも)客は乗ってくれるから、割引は単なる収入減になっちゃうと考えるからあまり割引をしない。ビジネスきっぷ以外にこれといったお得なきっぷも無いわけだ。なんか、詐欺にあっているような気がする。愚痴をこぼす前に、筆者が提唱してきた往復割引をうまく使用する方法でささやかな抵抗を試みてみましょうよ。
東京23区内・札幌・仙台・横浜(川崎市内の一部)・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・北九州・福岡の各市内の駅と、それぞれの中心駅 (東京・札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・新大阪・神戸・広島・小倉・博多の各駅)からの営業キロが200kmを超える駅との運賃は、それぞれの中心駅から計算します。
東京−神戸間と東京−新神戸間の営業キロ・運賃計算キロは同じです。(589.5km)