INTERNET DRAFT PIP Requirements
S. Aggarwal, Microsoft
M. Day, Lotus
G. Mohr, Activerse

August 7, 1998
有効期限 February 1, 1999

Presence Information Protocol Requirements

draft-aggarwal-pip-reqts-00.txt


1 このメモの状態

このドキュメントはインターネットドラフトである。インターネットドラフトはインターネット技術作業団体 (IETF)、その分野、作業グループの作業ドキュメントである。他のグループもまた、インターネットドラフトとして作業ドキュメントを配布しているかもしれないことに注意されたい。

インターネットドラフトは、最大 6 ヶ月有効なドラフトドキュメントであり、如何なる時でも更新、差し替え、他のドキュメントによる上書きが行われるかもしれない。インターネットドラフトを参照資料として使用したり、"作業中" として以外に引用することは不適切である。

現在のインターネットドラフト全体のリストを見るには、ftp.is.co.za (アフリカ)、ftp.nordu.net (ヨーロッパ)、munnari.oz.au (太平洋岸)、ftp.ietf.org (アメリカ東海岸)、ftp.isi.edu (アメリカ西海岸) 上にある、インターネットドラフトシャドウディレクトリ中の "1id-abstracts.txt" をチェックされたい。

このドキュメントの配布は制限されない。pip@iastate.edu の PIP 議論グループに、コメントを送られたい。そのグループの議論は、http://lists.fsck.com/cgi-bin/wilma/pip で遂行されている。

2 導入

インターネットメッセージ交換は、インターネット上での通信の新しいメディアとして最近出現した。インスタントメッセージ交換は、人気が急上昇しているアプリケーションの新しいカテゴリ全体を生み出した。典型的なインスタンとメッセージ交換アプリケーションは、以下の二つの主要な機能の分野を提供する。

  1. ユーザが、他のユーザのプレゼンス情報 ('オンライン' か 'オフライン' 等) を見つけたり、取り込んだり、変更を通知する手段。

  2. ユーザが、小さく簡単なメッセージを即座に他のユーザに配送する手段。

これらのアプリケーションは現在、様々なベンダによって開発された独自の、標準的でない、相互動作しないプロトコルを使用している。よって、インターネットメッセージ交換のユーザ空間を共通要素を持たない通信の島に分割している。これは、各々のアプリケーションの実用性をひどく制限する。PIP の目標は標準プロトコルを定義することであり、それによって、独立して開発されたインターネットメッセージ交換アプリケーションが、インターネットに渡るグローバルネットワークの中に参加できる。このドラフトは、プレゼンス情報プロトコルが適合しなければならない要件の最低限のセットを定義する。

PIP のプレゼンス情報とインスタントメッセージ交換の要素は、恐らく異なるプロトコルを通じて実装できるが、両方を実現する単一のプロトコルを考案することによって価値が増す。両要素は非常に似通った要件を持つので、一方の要素が他方をてこ入れする機会がある。更に、この共通のプロトコルの要件を満たす典型的なインスタンとメッセージ交換アプリケーションは、どちらか一方だけでなく両方の機能を必要とする。

プロトコル開発プロセスの目標は、既存の標準に可能なものは全ててこ入れすることである。例えば、暗号要件を適えるために S/MIME を使用してもよい。

3 プレゼンス情報とインスタントメッセージ交換に共通な要件

3.1 プレゼンスの管理とインスタントメッセージ交換は統一される。一般にプレゼンス情報を利用可能にするエンティティはインスタントメッセージを受信でき、逆にインスタントメッセージを交換するエンティティはプレゼンス情報を利用できる。

3.2 プレゼンス管理とインスタントメッセージ交換のドメインは、別のそのようなドメインとは独立して動作してもよい。そのようなドメインは非常に数多く存在するかもしれない。

3.3 あるドメインのエンティティは、ドメインがお互いを事前に知ることなく、別のドメインのエンティティと相互動作することが可能でなければならない。

3.4 全てのエンティティは、プレゼンス情報とインスタントメッセージのための幾つかの共通のプレゼンス形式を実装しなければならない (MUST)。

3.5 共通のプレゼンス形式は、そのプレゼンス情報やインスタントメッセージを通知するエンティティや、送信側、受信側エンティティをユニークに識別する手段を含まなければならない (MUST)。

3.6 エンティティが自身のプレゼンス情報を変更する時、興味を持つ他のエンティティは、変更された情報を即座に - 2,3 秒以内に受信しなければならない (MUST)。同様に、インスタンとメッセージの転送は、短いメッセージの快適な会話交換を可能にするために十分に素早くなければならない

3.7 プレゼンス通知とインスタントメッセージは正確でなければならず、プロトコルがそのような通知、あるいはメッセージを受信するエンティティが、それが破損、あるいは遅延したことを確信できることを保証するための手段を提供しなければならない (MUST)。あらゆる通知やメッセージがこの方法で保護される必要があるとは限らないが、それを行うことは可能でなければならない。

3.8 プロトコルは、プレゼンス通知やインスタントメッセージをそれぞれ受信するエンティティが、要求されたエンティティのプレゼンス情報を表していることや、要求された送信側エンティティによって送信されたことを確信できる手段を提供しなければならない (MUST)。すなわち、そのようなメッセージは作り出されない。あらゆる通知やメッセージがこの方法で保護される必要があるとは限らないが、それを行うことは可能でなければならない。

3.9 エンティティは、プレゼンス情報の有効性や、他者からのインスタントメッセージに対する自身の有効性を決定でき、制御できなければならない (MUST)。

3.10 プロトコルは、ファイアウォール越しのユーザにインスタントメッセージを送信したり、ファイアウォール越しの別のユーザのプレゼンス情報を決定する手段を提供しなければならない。そうしたファイアウォールを設定するのに必要な管理上の動作は、一般に受け入れられているファイアウォールの動きに適合していなければならない。

3.11 プロトコルは、何億人ものユーザ、何百万ものドメイン、各々のユーザの 'コンタクトリスト' 上に何百もの人々を持つグローバルシステムの大きさに到っても、全ての言及された応答性と機能要件を適えなければならない。

4 プレゼンス情報の追加要件

4.1 プレゼンス情報の発行者は、直接か中間者を経由して、興味を持つエンティティに状態の変更を通信できなければならない (MUST)。

4.2 共通のプレゼンス形式は、エンティティのためのコンタクト情報、例えば電子メールアドレスや電話番号、郵便アドレス等にアクセスする手段 (適用可能ならば) を含まなければならない (MUST)。

4.3 共通のプレゼンス形式は、少なくとも次の状態: オンライン/オフライン、使用可能/ビジー/アイドル、を表す手段を含まなければならない (MUST)。

4.4 共通形式のフィールドを害したり、不当に表すことなく、共通の形式には含まれない追加情報を表すための、共通のプレゼンス形式を拡張する手段が存在しなければならない (MUST)。

4.5 エンティティは、他のエンティティがオフラインである時も、他のエンティティのプレゼンス情報に興味を示し、アクセスできなければならない (MUST)。

4.6 プロトコルは、切れたネットワークコネクション等の環境で自動的にプレゼンス情報を変更する手段を提供しなければならない (MUST)。それは、プレゼンス情報を提供するエンティティでは予想できない。

5 インスタントメッセージの追加要件

5.1 エンティティは、直接かサーバ等の中間者を経由して、他のエンティティにインスタントメッセージを通信できなければならない (MUST)。

5.2 共通メッセージ形式は、受信側がインスタントメッセージに返答するための返却アドレスを含まなければならない (MUST)。

5.3 共通メッセージ形式を通じて MIME 符号化メッセージを送信できなければならない (MUST)。

5.4 プロトコルは、インスタントメッセージが正常に受信されたか否かを送信側に見せなければならない (MUST)。正常な受信とは、メッセージがそれを表示する責任のある受信側マシン上のエンティティに転送されたことのみを意味し、メッセージがユーザによって実際に読まれたことは意味しない。

5.5 プロトコルは、エンティティが別のエンティティに暗号化された本文を持つメッセージを送信する手段を提供しなければならない (MUST)。それにより両関係者は、他の関係者に本文を読まれないと確信できる。

6 参照

6.1 [Day, 1998] M. Day, 'Requirements for Presence and Instant Messaging', draft-day-rpim-00.txt

6.2 [Dusseault et al, 1998] M. Calsyn, L. Dusseault, "Presence Information Protocol Requirements', draft-dusseault-pipr-00.txt

7 作者のアドレス

Sonu Aggarwal
Microsoft Corporation
One Microsoft Way
Redmond, WA 98052-6399
sonuag@microsoft.com

Mark Day
Lotus Development Corporation
55 Cambridge Parkway
Cambridge, MA 02142
Mark_Day@lotus.com

Gordon Mohr
Activerse, Inc.
1301 W. 25th St Suite 500
Austin, TX 78705
gojomo@activerse.com