小剣先山(東京都小笠原村母島)
小剣先山は沖村から気軽に出かけられる小さな山です。山道に入ってから頂上までは15分くらい。小さいながら小笠原らしい森を楽しみながら進み、村全体を見渡すことのできる頂上に立つことができます。港の向こうに見えるのは、方角から考えると名前もそのものズバリの「向島」でしょうか。ちょっと時間のある午後に登ってみました。
気軽に出かけられる山とはいえ、水くらいは持っていった方が安心です。小笠原ではこまめに水分補給をすること。山道をどんどん進むと分岐点にさしかかります。岩場と階段のどちらから行っても頂上に行けるので、お好きな方をどうぞ。今回は岩場から登り、階段から下ることにしました。岩場は思ったよりも狭くて急でもろいので注意が必要です。
分岐点で階段を選んでも、頂上付近は岩場です。足下に注意してください。どんな感じかは写真を平行法で立体視してください。
頂上には戦争の跡が残っています。大砲と呼ぶには小さいでしょうが、戦時中に設置されたものでしょう。小笠原の山に入れば、これよりももっと大きなものも随所で見かけることができます。
帰りは階段から下りました。小笠原に来たらシダを見よう。これはとても大きな葉を持つシダ、シマオオタニワタリ (
Asplenium nidus) です。シダを見るときには歯の裏の胞子にも注意しましょう。種類により胞子の付き方が異なっています。
光のよく当たる道の両側にセイロンベンケイソウ (
Bryophyllum pinnatum) が群生していました。セイロンベンケイソウは乾燥に強く、葉が一枚あれば葉の縁に小さな芽をどんどんつけることから、観賞用にされているのを見かけることがあります。繁殖力の強さからここでもどんどん増えたのでしょう。これだけ生えていると圧巻です。
2003.07.09