柳井シリーズ最終戦(5)

1997/11/09(Sun)

 アトラクションのKidsKartの決勝レースも無事に終わり、柳井シリーズの決勝レースが始まる。

 SDクラス、SO86クラスと終わり、いよいよPVクラスの決勝である。予選ヒート2でリタイアした落合選手は11台の11番グリッドからのスタートとなるのである。今日はどうもエンジンの調子が悪いのだが、さてどうなるか。

 そして、パドックから一斉にコースに飛び出し、フォーメーションラップが始まる。

 1週目では隊列が整わないため、2週目のフォーメーション。
 そして、隊列がほぼ整おうとした4コーナーのZコーナーに進入する直前に、突然落合選手のマシンが失速。止まってしまったのである。一体何が起こったのか。遠くからでは解らない。チェーンでもはずれたのだろうか、走行不可能と判断した落合選手はマシンを素早くコースから芝生の上に移動して、早くも戦線から離脱したのであった。今日は殆ど走れなかった。


 さて、レースはというと、トップを走る坂口選手は後続のマシンを大きく引き離し独走状態である。
 そして、その後を、長岡選手、武居和男選手、西本選手(エンドレス)、縄田選手、武居利行選手が混戦しながら追いかけるという状況になった。
 非常に拮抗したレースとなり、誰が2位になってもおかしくない状況である。今年最後のレースでもあり、各選手とも力が入るのである。が、その様子を寂しそうに見つめる落合選手は、何をこのとき考えていたのだろうか。

 一体何が起こったのかもオイラ達は解らないまま、緊迫したレースの進行状況を見守るのであった。


 そして、レースは緊迫したまま終盤に向かい、坂口選手の独走状態は変わらないままである。

 こうなると、2位争いがどうなるかという点に注目したのである。が、順位の変動は無いままであった。そして、レースも終わろうとするとき、長岡選手がコースを譲る形で、武居和男選手が2位に上がったのである。これは意図的に譲った様にも見えた。3位でゴールしても長岡選手のシリーズチャンピョンは決まったようなものであるから、ここで2位の座を譲ったのであろうか。

 1位 坂口選手、2位 武居和男選手、3位 長岡選手という事でレースは終わったのであった。


 さて、レースが終わり、ピットに引き上げてきた落合選手のマシンであるが。どうも焼き付きを起こした感じで止まったということである。プラグをはずしてエンジンをゆっくりと回してみると「カチ、カチ」という変が音がする。シャフトでも折れたのか。

 さっそくエンジンをばらしてみたのであるが、シリンダヘッドに何かネジのような物の破片がくっついていたのである。

 果たしてこれは何か。さらにキャブレターをはずした時に、河村社長が「これだ!」と叫んだのだった。そこには、バタフライの外れたキャブレターがあった。  キャブにバタフライを止めているネジが外れ、バタフライごとシリンダ内に吸い込まれていったのだろう。そして、シリンダーをはずしてみると、クランクのところに、折れ曲がったバタフライが入っていたのである。バタフライが外れ、燃料でなく空気だけを吸い込みながら回転していたエンジンが焼け付いた様な状態になり失速したのであろう。

 う〜ん、いろんな事があるものだ。レースというのはやはり過酷な状態でマシンを酷使しているのだろう。

柳井シリーズ最終戦 その6