昔の遺書
成人までの心得 (我が子供達への遺書) 1.人は誰でも、自分の意思で生まれる訳ではない。生まれる国も、家も選べない。 しかし、何事にも、自分に与えられた環境(自分が今いる環境)の中で精一杯頑張 る(チャレンジする)ことが大切。 いやなことから逃げないように。「明日からは絶対にやる」というのは、逃げて いる証拠。やれる訳がない。「今からやる」ことが大事。 2.勉強(学問)について (1) 長い人生を生き抜いていくには、体力と教養(学力、知識、ものの見方、考え 方など)が必要。勉強は、自分のため、他人のために必要。 (2) 教科書が基本。人に頼らず、自分の頭で最後まで考え抜くことが重要。自分で 本当に理解しないと、何にもならない。周囲の人の助けを借りるのは、最後の 最後。けっして、楽をしようと考えないこと。「言い訳」もしないこと。 (3) ダラダラしないこと。時間を決めて集中し、時間内に終わる努力をすること。 (4) 成績の順位が上になることが、絶対に立派なことではない。しかし、下の方も 問題。全体の中の自分の位置(順位)を意識することも、現実的には重要。 (5) 授業中は、どの部分が大事なのか、先生が何を強調して説明しているのか、意 識して聞くこと。試験も、大事な所が出る。教科書の内容は全部大事だが、特 に急ぐものと、急ぐ必要が無いものを見分けるなど、区別する工夫も必要。 (6) 中学の3年間の勉強は、高校受験も大事だが、その人間の基礎をつくる最も大 切なものである。一生懸命に勉強すれば、死ぬまで忘れない財産になる。反対 に、勉強しなければ、教養の無い、みじめな人間になる。だから、義務教育。 3.家庭生活について (1) 同じことを何回も言われるのは「バカ」である。 電気を消す、はし・ペンを正しく持つ、テレビは適当な距離をおいて見る、物 は全て大切にする、寝る前の歯磨き・薬など、親から注意されないように。 (2) 一日の計画を立て、規則正しい生活をする。成長期の子供には、栄養と睡眠が 一番大事。食物の好き嫌いは、心にも体にも悪い。感謝して食べよう。 (3) 人にはそれぞれ、その人なりの家庭の事情がある。上を見れば、きりがない。 下を見たら差別の原因にもなる。今の環境に感謝する気持ちが大事。 (4) 両親は、いつまでも生きてはいない。たった△人の姉妹である。最低限のこと は、姉妹で直接、話をすること。親がいなくなったら、困るのは自分達自身。 4.子供をとりまく環境、子供の将来について (1) 子供は無限の可能性があるので、親が子供の希望(夢)を断ってはいけない。 しかし、子供が成人するまで、子供には理解がむずかしい重大な責任が、親に はある。自分の子供は特にかわいいから、軽々しい判断は絶対にできない。 (2) テレビや雑誌は、はなやかに飾り立てたり、どぎつい場面があったりして、判 断力の乏しい子供には問題があるものが多い(まじめなものもある)。「つく りもの」に影響されて、悪い言葉づかいをしたり、暴力をふるったり、表面だ けのはなやかさにあこがれたりする原因になる。大人の責任も大きい。 (3) 芸能界(女優、タレントなど)にあこがれる子供は、全国に何百万人、何千万 人もいる。外見がかわいい子供も、はいて捨てるほどいる。そんな子供を、金 儲けの道具にしようとするスカウト会社(プロダクションなど)も、くさるほ どある。芸能界で人気が出る確率はゼロに近い。かりに人気が出たとしても、 あきられたら、それでおしまい(使い捨て)。若いのは、ほんの一時。皆に忘 れられても、生活(衣食住)ができなくなっても、オバサン・オバアサンにな っても、死ぬまで芸能人をやれるのかな。「人生のやり直し」はできないよ。 (4) 本当に自分がやりたいことは何か、あせらず、慎重に考えよう。若い時は、特 に子供の時は、誤った判断をすることが多い。今、大事なことは、学校の勉強 であり、心を豊かにすることである。普通の高校に入れるよう、必死で努力す ることが大事。高校生になってから将来のことを考えても、けっして遅くはな い。むしろ、大人に少し近付き、世の中や自分のことがよく分かるようになる から、冷静な判断ができるかも。一時の感情で動かないように注意すること。 ●不良にだけはならないよう、親や周囲の人に迷惑をかけない人になってほしい。 ●世の中の役に立つ人になってほしい。 ●心身の健康が一番だ。 以上