正論じゃろん?(C) 26
講義  今年は公私共に環境が変わったが、何でも勢いがある内にやらないとダメであろう。初心忘れる べからず。とにかく貪欲に生の講義を聞くべきである。今年の講義録(経営学、刑法、民法、政治 哲学)を以下に記す。大変失礼ではあるが、先生方のお名前はアルファベットで記させていただい た。私なりの深い理由による。 ■経営学■  四人の先生方による講義であった。経営学史、経営戦略、経営管理・経営組織、企業評価が先生 方の専門である。やはり、生の講義は違う。テキストでは伝わらない、生の迫力、感動があった。 経営学のテキストを書かれた先生は、我々の大先輩である。  経営学の対象は企業である。非常に興味のある講義内容であった。企業トップにも聞いてほしい (聞かせたい)と思った。現代企業は様々な問題を抱えているが、講義より得るものが多々あった。 先生方が交替する毎に小試験(一時間)があったが、ものは考えようである。それほどの苦痛は無 かった。 ■刑法■  S先生による、刑法総論の講義であった。SSでは、総論と各論が繰り返して開講されるらしい。 刑法総論は刑法各論に比べて抽象的で、難解である。講義が進むにつれ、スピードもアップした。 受講生にレベルの差があるので、先生としては講義レベルの照準合わせが難しいようである。  レポート、試験答案を書く際のポイントは次の通り(順不同)。数学の論証のように書く。刑法 上の論点を探す(学説の肯定説、否定説)。すぐに結論を書かず、論点→学説・判例提示→自説展 開(理由を書く)→結論の順序で書く。定義を書いてから具体例を挙げる。テクニカル・タームを 書く。違法性の問題か有責性の問題か、常に意識する。結果無価値と行為無価値は常に対立する。 何が問題なのか、ポイントを押さえる。努力して書こうとしている跡がみられること。 ■民法■  I先生の著書に沿って、I先生自ら、実に丁寧に講義をしていただいた。先生の専門は債権譲渡 であるが、一週間で民法全てを網羅するという、実に贅沢な内容であった。時間の関係で、親族・ 相続の講義が聞けなかったのがやや残念であった。おかげで、私のような不勉強な者でも、民法が 身近になった。民法は私法の王様であり、我々の日常生活と深く関わる法律なので、他学部の人も 是非知っておいてもらいたい。  試験は七問。正誤の別を記した上で、その理由(法的根拠)を説明。正誤のみ書いてあって、理 由の付されていない解答には点が与えられない。講義をしっかりと聞き、該当条文が六法のどの辺 りにあるかを素早く探すことが、勝敗の分かれ目となる。 ■政治哲学■  私の予想していた内容とは少々異なったものであった。しかし、H先生のパワーは実に凄かった。 これほど馬力のある講義を聞くチャンスは、そう無いと思う。政治哲学への道案内、言葉と政治、 プレモダンにおける「政治的なもの」、モダンにおける「政治的なもの」、正義、民主主義、国家、 戦争と平和についての「物語」であった。私は試験で「戦争と平和」が重要な問題だと考えて論じ た。今すぐの、平和観たれ、政治学。                                         以上