正常心電図
P : V、aVR以外全て陽性。幅は0.11秒未満。高さは2.5mm未満。
PQ間隔 : 0.12秒以上、0.20秒以下。
QRS : 0.06秒以上、0.10秒以下。移行帯はV3-V4
R : RV17mm未満。RV5(V6)26mm未満。
QT間隔 : RR間隔のほぼ1/2。
ST : 基線と一致。2mmまでの上昇は正常。低下は全て異常所見。
T : T、U、aVL、aVF、V3ーV6て陽性。  






T度房室ブロック
PQ間隔0.21秒以上。
迷走神経緊張によるもの。
降圧剤等薬剤の影響によるもの。
先天性心疾患。
心筋梗塞や心筋炎等心筋傷害によるもの。







V度房室ブロック(完全房室ブロック)
P及びQRS波形が連携することなく、独自のリズムとなる。
即ち、房室伝導が完全に途絶えた状態で、極端に徐脈になる。
Adams-Stokes症候群、心不全、突然死の危険大。
ペースメーカーの適応となる。
 








U度房室ブロック(MobitzT型、Wenckebach周期)
Wenckebach周期(PQ間隔がだんだん延びてゆき、房室伝導が途絶える)を呈する。
迷走神経緊張によるもの。
薬剤(βブロッカー、Ca拮抗剤)の影響。
ジギタリス中毒初期症状。  
多くのものは予後良好。
 






U度房室ブロック(MobitzU型)
MobitzT型のように、PQ間隔が変化しないが、突然房室伝導が途絶えるタイプ。
例えば、3回に1回房室伝導が途絶えた状態を、3対1ブロックという。
器質的心疾患が背景にある。
予後不良、V度房室ブロックに移行したり、Adams-Stokes発作を来すことがあるので、ペースメーカーの対象になる場合がある。
 






心房性不整脈
呼吸性の不整脈で(生理的)、全く心配のない。
吸気時にRR間隔短縮(脈が速くなる)、呼気時に延長(脈が遅くなる)。  










心房細動
僧帽弁狭窄症等の弁膜症や高齢者にみられる。その他、甲状腺機能亢進症や慢性虚血性心疾患に合併することがある。
無症状のものから、心不全や血栓形成の危険性のあるものまである。  








 
洞性徐脈
迷走神経緊張、スポーツマン心臓。
薬剤の影響。洞機能不全症候群( Sick Sinus Syndrome - SSS)。  










Sick Sinus Syndrome(SSS)
洞結節の機能障害のため、著しい徐脈や、 発作性心房細動、発作性頻脈などの不整脈を来す。
抗不整脈剤でコントロールできないものや、Adams-Stokes症候群は 人工心臓ペースメーカーの適応になる。
徐脈と頻脈を交互に繰り返すタイプは、高率に脳梗塞を合併するので、抗凝固療法を必要とする。  






WPW症候群(Wolff-Parkinson-White Syndrome)
PQ短縮、デルタ(Δ)波の出現、QRS幅延長。
副伝導路(Kent束、Mahaim線維、James路)の存在による。正規の伝導路に比べ、Kent束の伝導が早いので、PQ短縮する。
房室リエントリー性の頻拍を来しやすい。
器質的変化のない先天異常。
リュウマチ性心疾患、甲状腺機能亢進症、虚血性心疾患。
LGL症候群(Lown-Ganong-Levine Syndrome)
デルタ(Δ)波のないPQ短縮。副伝導路(James路)の存在による。約1割に上室性頻脈を来すといわれるが、頻脈発作がないものは予後良好。  






上室性期外収縮
よく見られる不整脈で、各種心疾患以外にも、過労・睡眠不足・喫煙・飲酒・ストレス・妊娠などが誘因となる。 治療の対象になるものは少ない。  










心室性期外収縮(VPC)
RR間隔の突然の短縮。  
治療を要しないものから、危険性の高いものまである(少ない)。  
VPCが連発する心室性頻拍や R on T 現象(T波上にVPCが発生)は重傷度が高い。  
一方、心疾患に起因しないことが多く、健常者でも、過労・睡眠不足・喫煙・飲酒・ストレスなどが誘因となる。  






右脚ブロック
V1rsR'型、QRS幅延長、T波陰性。
QRS 0.10-0.12秒は不完全右脚ブロック、0.12秒以上は完全右脚ブロック。
虚血性心疾患・高血圧症等でみられるが、はっきりした基礎疾患がない場合が多い。器質的変化がない場合は治療を必要としない。  










左脚ブロック
QRS幅延長(0.12秒以上)。V5のq波欠如、R波の結節または分裂。
V1rは低く、深いQ波を呈し、T波増高陽性。
虚血性心疾患、突発性心筋症。  










右室肥大
V1でR/S≧1、QRS幅正常、右軸偏位、V5のS深い。。
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症等の先天性心疾患。
肺高血圧症、肺塞栓、僧帽弁狭窄症等。  










左室肥大
高いR、下向性ST低下、左軸偏位、SV1+RV5≧40mm。
A : 左室圧負荷でST-Tの逆転(左側心電図)、B : 容量負荷型で陰性T(右側心電図)。
A : 高血圧症、大動脈弁狭窄症、肥大型狭心症。
B : 僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁閉鎖不全症、心室中隔欠損症等の先天性心疾患。
 








両室肥大
右室肥大と左室肥大の基準を満たす。
僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症。PDA,VSD+PH。  










狭心症(労作性)
冠動脈の器質的狭窄に因る労作性狭心症と、冠動脈の痙攣に基づく異型狭心症がある。  
労作性狭心症発作時、ST低下。異型狭心症では、STはむしろ上昇する。  
発作がおさまると、正常化された心電図に戻る。  
心筋梗塞に移行する可能性のあるものは不安定狭心症という。  






心筋梗塞
心筋梗塞発症後、Rの減高、著明なST上昇及びT増高。  
その後、時間の経過とともに、波形が刻々変わる。  
STの下降とともに、異常Q波・冠性Tを呈す。  
 






ST盆状低下(ジキタリス効果)
ジキタリス剤服用中にみられる、心電図変化。  
 
 
 








人工ペースメーカー(DDD)
DDDペースメーカー植え込み術の例。
最初のスパイク(心房波形Pの直前)は心房を刺激、次のスパイクは心室を刺激したもの。 心室波形は心室性期外収縮と同様。
 






高カリウム血症  
腎不全時にみられる。血中のカリウム値が高くなると出現。極端に高い場合、心停止の危険大。
テント状T(Tの幅が狭く、尖鋭化)  
PR短縮。  
心室内伝導障害  
ST上昇。  






心室頻拍
心室性期外収縮が連続したもの(幅広いQRSが連続出現)。図の場合、5連発。  
心筋梗塞・心筋症が原因疾患。  
速やかな治療対象となる(薬剤、電気ショック)。