FILE.10 月の砂漠

三日月が地上を照らすある夜更けのこと…。

「ふぅ…やっと頂上か…。
 結構、登ったし…少し休憩していくか。」
「あ…あ〜に〜き〜〜〜…。」
「早く登れ。まったくお前は体力ねぇなぁ…。
 いいか、少し休んだらすぐ出発するからな!」
「そ…そんな〜〜…。」

2人は少し休むと荒地を踏みしめ再び歩き出した。

「ねぇ、あにき…やっぱりこんな所、危険っすよ。」
「だったら一人で帰るんだな?」
「うぅ…。」

2人は巨大な地割れが起こるという地帯を避け遠回りし
前進していった。しばらく歩くと前方に断崖絶壁が見えた。

「ええ!!また登りですか!?」
「…おぃ、こっち来てみろ。洞窟だ。」
「ほ…ほんとだ…でで…でも化け物とか出ないっすかね?」
「風が吹いてるということは出口があるという証拠だ…。
 ちょっと見てくる。1時間経って帰らなかったら
 後は頼む。」
「あにき!?」

−30分後−

「駄目だ!蜘蛛の巣が多いし中は真っ暗闇だ。
 とても奥深くまでは入っていけねぇな。」
「ほっ…(向こうにもひとつ洞窟あったけど黙ってよ…。)
「んじゃ登るぞ!」
「あいあいさ〜…。」

2人は断崖絶壁をなんとか登ると緩やかな下り坂を降り
目的地に到着した。

「ここがその化け物が出るっていう場所ですね…。」
「あぁ…木が一直線に並んでる場所が目印と聞いたからな。」
(ガタガタガタガタ)だだ…大丈夫ですかね…?
 うう…噂とはいえ本当に化け物が出たら…。」
「うるさいやつだ!恐けりゃ帰れと言ったはずだ!
 …ん?」

グラグラグラグラ…

ふいに地面が揺れ始めた。

「ぎゃぁぁ!!出る!出るっすよ!?」
「落ち着け!!」
「!?じ…地面が割れる!!」
「危ない!!」

とっさに子分を抱え地割れに落ちるのを免れた。
そして2人は割れた地面を恐る恐るのぞきこんだ…。
中は白く濁った池のようだった。

「ああ…あにき…血っす!!所々に血が!!」
「わかってる!もしかしたら過去にあの化け物に
 やられた奴の血かもしれんな。」
「え?あのって?」
「見ろ…。」

池の奥の方から黒い影が2人の方に向かってきた…。
その後、2人を見たという人はいない。

 

推理項目

1.この物語の舞台は?

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