FILE.13 平和を愛する爆弾魔

探偵Rは助手と共に中学校に来ていた。

脅迫状のようなものが送られてきたらしいが学校は単なる悪戯と決め付け
警察にも連絡していないそうで心配した先生の一人がRに依頼をしてきたのだ。

探偵Rと助手は体育中で生徒がいない1-2の教室に通され話を受けていた。

先生「これが例の脅迫状です…。」

コノガッコウニバクダンヲシカケマシタ。
                       
ヘイワヲアイスルバクダンマ

探偵R「もう…見るからにタダの悪戯です。では。」
助手「ちょっとRさん、決め付けないで下さいよ!
    大事件かもしれないんですから!」
先生「やはり悪戯でしょうか…。
    学校が全く見向きもしてないので少し心配になってしまって…。」
探偵R「それよりさっきの保健の先生、美人だったな…。」
助手「…ひっぱたきますよ?」

その時だった。

隣の教室から何かが爆発する音が聞こえた。
更に不意を突かれて動揺しまくりの探偵Rの頭上にある蛍光灯が爆発した。

探偵R「ひぃぃぃぃっぃぃいぃ!」

と奇声を上げると探偵Rは教室を飛び出していった。

助手「ちょ…Rさん!」
探偵R
「た…助けて!保健の先生助けて〜〜〜!」

と保健室に飛び込んだ瞬間…保健室の机が爆発。
立て続けに爆発音が聞こえ男子トイレから生徒が逃げ出してきた。

助手「今度は男子トイレか!?
    危ないですよ!とにかく校庭に避難しましょう!」

急に色々な場所で爆発が始まり呆然と廊下に立ち尽くす探偵R。
その横に設置されていた掲示板が爆発すると探偵Rは呆気なく気を失った…。

助手「Rさん!?Rさ〜〜〜〜〜〜ん!!」

……………。

目が覚めると保健室のベッドに寝ていた。
傍では保健の先生が散らばった机の上を片付けている。

助手「Rさん、気が付きましたか。良かった…。」
探偵R「うむ…本当に爆発すると思っていなかったので少し驚いちゃいました。」
助手「しっかりして下さいよ!
    今回の爆発騒ぎでの被害者…Rさんだけですよ?」
探偵R「そうですか…それは残念です。」
助手「いや…まぁ生徒達に被害が無くて良かったんですけどね。」
探偵R「して…気絶した後はどうなったの?」
助手「あの後すぐに理科室で爆発がありました。」
探偵R「理科室…?」
助手「えぇ、駆け付けた所で隣の理科準備室も爆発しまして…。こんなメモが。」

コンカイハコレデオワリニシマショウ。
ホンノオアソビデスヨ。
カンタンナバクダンデスカラヒガイシャモイナイデショウ。
マタアシタアソビマショウ。
                       
ヘイワヲアイスルバクダンマ

探偵R「なめやがって!被害にあったよ!」
助手「Rさんだけね…。」
探偵R「何が平和を愛するだ!
     爆弾仕掛けといて!!
     大惨事だよ!キェェ!!!」
助手「落ち着いて下さい…
    本当に怪我人も出なさそうな小規模な爆発だけでしたし。」
探偵R「…帰ろう。
     明日も何とかとか書いてあるしこれで学校も警察を呼ぶだろう。」
助手「それが明日もRさんにお願いすると。
    警察は呼ばないみたいですね。」
探偵R「!?」
助手「明日こそは頑張りましょう!」
探偵R「いやいや…
     こんなボンボン爆発してたら普通呼ぶでしょ!?」
助手「あまり問題にしたくないんでしょう?
    ここまでは本当に悪戯みたいですし…。」
探偵R「………。」


■2日目■

朝早くに助手に叩き起こされた探偵Rは引きずられながら中学校に向かっていた。

探偵R「駄目。嫌な予感する。やっぱ帰ろう。」
助手「何を言ってるんですか!
    もう校門ですよ。行きましょう。」

ドン!

二人の目の前で校門に植えられた桜の木が爆発した。

探偵R「ほら言った!
     だから嫌な予感したって言ったんだよな〜!?
     帰る!もう帰る!」
助手「行きますよ!
    昨日と同じならまた他の場所も爆発するかもしれません!」
探偵R「ひぃぃぃぃぃぃぃ!
     離して〜〜帰る〜〜〜〜!」
助手「今度は何処が爆発するんだ…?」

中庭に出て辺りを見渡していると手前に1-6の教室が奥に1-7の教室が見えた。
1-6では授業中だが1-7は体育でもあるのか人はいない。

助手「どうしましょう。
    桜の木のこと先生に報告しに行きますか?」
探偵R「というか何でそんな冷静なんだよ!避難でしょ避難!」
助手「でも枝も折れなかった程の小さな爆発でしたし…。」
探偵R「ばか!そんなこと言ってると
ド〜ン!

無人の方の教室で爆発が起こり蛍光灯が飛び散った。

探偵R「ほら言わんこっちゃない!」

更に中庭に設置されている時計台が爆発した時には
探偵Rは校門に向けて走り出していた。

助手「あ!ちょっとどこ行くんですか!」

しかし探偵RはUターンして全速力で戻ってきた。
下駄箱にある傘入れが爆発したのだ。
もはやパニック状態にある探偵Rに更なる追い討ちをかけるかのように
時計台が再度爆発し欠片が辺りに飛び散った。

助手「また時計台が?全部爆発しきってなかったのか?」
探偵R「もう駄目…骨は海に撒いてくれ…。」

ふらふらとベンチに崩れ落ちた探偵R。
その時だった。
ベンチが爆発しRは再び気絶した。

……………。

目が覚めると保健室のベッドで寝ていた。
傍では保健の先生が冷たい目でこちらを見ている。

助手「もう…いいってさ。」
探偵R「え?」
助手「気絶してばかりで何も解決しないから…
    もういいって先生が言ってました。」
探偵R「そうですか…それは残念です。」
助手「………。」
探偵R「一応聞くけど…あの後どうなったの?」
助手「…女子トイレが爆発しました。」
探偵R「今度は女子トイレか…。」
助手「それだけじゃないんです。
    その後、開かずの教室が爆発しました。」
探偵R「開かずの教室!?」
助手「えぇ、古くからずっと鍵が掛けられている教室があるんです。」
探偵R「その中で爆発があったって事は………密室か!?」
助手「いや、窓から入れます。」
探偵R「開いてるじゃないか!」
助手「最後に外にある焼却炉が爆発しまして…こんなメモが…。」

キノウノコトハトリアエズオイトイテ・・・
キョウハドウダッタカナ?
タノシカッタダロ?
ケイサンシテダレモヒガイニアワナイヨウニシテルカラネ
デモサイゴノシアゲガノコッテルンダ
コレハキョウマデノテキトウナバクダントハチガウヨ
バクハツスルマエニミツケナイト・・・
ガッコウコナゴナニナッチャウカモネ
                        
ヘイワヲアイスルバクダンマ

助手「最後の爆弾は何処なんでしょうか…。」
探偵R「…腹が立つうえに読みにくい。
     漢字と平仮名に直してくれ。」
助手「自分でやって下さい。」
探偵R「はい…。」
助手「学校は警察を呼んでないんですが…
    最後の爆弾は少し気になりますね。」
探偵R「と言っても…もう関係ないし…帰ろうか。」
バシッ!
探偵R「いったっ!…!?」
助手「見損ないました!
    必要とされなくなっただけで諦めるんですか!?」
探偵R「…!?」
助手「そんなRさん見たくありません!」
探偵R「え…あ、うん…ってか…いた…。」
助手「最後の爆弾だけでも何とか阻止しましょうよ!」
探偵R「アゴに…うん、そう…ね…。」
助手「さすがです!見直しました!」
探偵R「……………うん。」
助手「これこの学校の地図です!
    何かのヒントになるかもと思って借りてきました!」

探偵R「これだけでは何とも…。」
助手「それだけじゃありません。
    Rさんが気絶してる間に聞き込みしてきましたよ!」
    まず1-5の隣にある空き部屋ですが…
    以前は1-6だったそうです。
探偵R「それじゃ今ある1-6は…?反対側にあるけど。」
助手「そこは昔は1-7で…
    今ある1-7の部屋は1-8だったみたいですよ。」
探偵R「なんか間違った方向に考えが行きそうなんでもういいです…。」

助手「それから…
    妙な事に部屋でも設置物でも爆発があったのは真ん中なんです。」
探偵R「真ん中…?」
助手「えぇ、教室の真ん中…
    掲示板の真ん中、ベンチも真ん中でしたよ。」
探偵R「気絶だけで済んで本当に良かったです。」

助手「更に開かずの教室ですが…
    昔あの部屋で生徒が首吊り自殺したそうです…。」
探偵R「そう…。」
助手「更に校長の像ですが…
    真夜中になると動き出すそうです。」
探偵R「うん…。」
助手「それから噴水ですが…
    満月の晩に赤い水が噴出すそうですよ。」
探偵R「はい…。」
助手「極め付けは女子トイレの一番奥から毎夜すすり泣く声が
探偵R「もういいです。」

助手「最後の爆弾の場所わかりましたか?」
探偵R「わかりません。」

■登場人物■

名前 説明
探偵R 見るからにやる気の無い探偵。
痛いの恐いの疲れるの暑いの大嫌い。
最後には何とか謎を解いているようだが
実は全部助手が解いてるんじゃないかとの噂。
助手 正義感が強くて行動力がある。
探偵Rの推理を期待しているが
あわよくば自分が解決したいと狙っている。
よくわからない情報を集めてきてRを混乱させる。

 

推理項目

1.最後の爆弾の場所は?

2.その理由は?

「自分の名前(仮名)」「1の答え」「2の答え」を書いてMAILで送って下さい。