FILE.15 落雷島の財宝


探偵Rと助手は財宝探しの依頼を受けて
落雷島という何とも恐ろし気な島に来ていた。

探偵R「いいかね。私は世の中で五番目に大きな音が苦手なんだ。
     本当に雷なんて落ちたら帰りますよ!」
助手「Rさん…小心すぎますよ…。」

依頼主は池上早苗(いけがみ さなえ)
先日、莫大な遺産を残して死んだ池上昭二郎の妻だ。

早苗「島の形から落雷島と名付けられたと聞いておりますが…
    確かに天気の悪い日が多いのは事実ですわ。」
探偵R「やっぱり…orz」
助手「でも池上昭二郎と言えば有名なミステリー小説家で
    遺産総額は10億とも20億とも言われてますよね?」

この遺産を巡って問題が起きている。
その莫大な遺産のほとんどを島の何処かに隠した挙句
妙な遺書を残したまま死んでしまったのだ。

助手「これは早苗さん宛ての遺書のようですね…。
    確かお子さんは、いらっしゃらないんですよね?」
早苗「ええ。」
助手「見ず知らずの人にも相続権を渡すって…
    この事を他人に知られたら大変ですよね…。」
早苗「ミステリー好きな人でしたから…
    でも遺産にまでこんな謎をかけなくてもいいのに…。
    手紙には『死んではいけない』なんて書いてありますが
    わたくし…逆に死にたい気分ですわ。」
探偵Rヒソヒソ(笑うとこか…?)
バシッ
助手「…そんなに悲観的にならずに!
    必ず我々が謎を解いてみせますから!」
早苗「心強いですわ。
    よろしくお願い致します。」
助手「東京にも土地があるんですか?」
早苗「ええ、かなり広大な御庭と豪邸が…
    わたくしは、そこに住んでいますのよ。」
助手「なるほど…
    万が一他人に渡るような事になれば
    本当に大変な事になりますね…。」
早苗「ええ…。」
助手「とりあえず…書斎のある場所に案内して下さい。」
早苗「はい。書斎がある建物は主人の住んでいた落雷荘
    以外には無いと思いますから…そこに案内いたしますわ。」
助手「お願いします。
    Rさん、何してるんですか?行きますよ!」
探偵R「………。(口の中を切りました。)

■落雷荘(書斎)■

探偵R「手紙によると机の引き出し三段目の裏とあるな。」
助手「……三段目…の裏……
    あ、ありました。妙なカードとメモが。」
探偵R「…雷だ…。」

落雷。 ◆第一のヒント

落雷荘にようこそ。
私はこの山荘から避雷塔に落ちる雷が
とても好きだった。あれは芸術だ。

余計な話をしてしまった。
第二のヒントの場所は
その避雷塔の屋上にある。

助手「避雷塔?」
早苗「ええ、来る時にも見えてました塔ですわ。」


■避雷塔■

探偵R「私はここで待ってるので登って来て下さい。」
助手「ちょっと…Rさんも来てくださいよ!」
探偵R「いいかね…常々言っているが私は世の中で四番目に
     高い場所が苦手なん
助手「いいから来てください!」
探偵R「やだ!や〜だ〜〜!絶対やだ〜〜〜!」
助手「…………。」
早苗「…………。」


■避雷塔(屋上)■

助手「随分と高いですね。」
早苗「ええ、島全体が見渡せますわ。」
助手「さて…屋上の…どこだろう。」
早苗「メモには屋上としか書いてありませんね。」
助手「…ここにロッカーのようなものが…。
    鍵が掛かってますね。」
早苗「鍵束なら落雷荘から持ってきましたけど…。」

カチャカチャ…ガチャガチャ…

キィ…

助手「開いた!
    …またカードとメモ…ありましたね。」

髑髏。 ◆第二のヒント

こんな高い場所までご苦労。
この島で髑髏の形をした岩を発見した
時は実に感動的だった。
まさに自然で出来た芸術だ。

第三のヒントは
その髑髏岩の右目の奥に入っている。

助手「今度は髑髏(どくろ)岩ですか…。」
早苗「髑髏の形をした岩なら落雷荘の近くにありますわ。
    よろしかったら地図を…。」
助手「あ、これはとても助かります!」


■避雷塔■

探偵R「おかえり。どうだったかね?」
助手「さぁ、行きましょうか。」
早苗「ええ。」
探偵R「……………お〜い…。」


■髑髏岩■

探偵R「…くっ……狭すぎて…腕が入らな…
     !!
     ひぃぃぃ!抜けない!助けて〜〜〜!」
助手「だ、大丈夫ですか!?」

探偵R「………ふぅ…大惨事だよ…。」
助手「う〜ん…腕は入りますけど…届かないですね。」
探偵R「君は本当に腕が短いな。」
バキッ
助手「早苗さん、そういえば腕がスラッと長いですよね。
    早苗さんの腕なら届くのでは…試してみてもらえますか?」
早苗「はい、わかりました。
    ………。
    …あ!ありました!」
助手最後のカードとメモのようですね。」
探偵R「…。(アゴが外れた!?)

雷痕。 ◆第三のヒント

最後に一つだけ。

髑髏の上から雷が振り
髑髏の下に雷痕を残す。
全ては稲光によって導かれるだろう。

では頑張って謎を解き
遺産を手に入れてくれたまえ。

探偵R「また雷か…。」
助手「でも今度は落雷というよりは炸裂している感じですね。
    これに関係ありそうな場所は…。」
早苗「もしかしたらあの石版かしら…。」
助手「石版?」
早苗「ええ、地図にも書いてあると思いますが
    この絵と同じような雷状のヒビが入った石版がありますの。」
探偵R「決まりだな。」
助手「え…?な…何がですか?」
探偵R「いやだから、これで最後だし遺産の場所はその石版で決まりだな。」
助手「本気で言ってるんですか?
    この
『髑髏の上から雷が降り…』のくだりも気になりますし…
    それにそんな単純なら謎でも何でも無い気が…。」
探偵R「………ヴぁっ、ばか!冗談に決まってるでしょうが!」
助手「そうですよね。」
探偵R「そうですよ!!」
助手「………。」
探偵R「…本当にそうですよ!?」
早苗「助手さん…遺産の在り処、わかりそうですか?」
助手「少しお待ちを。絶対に謎を解きますので!」
探偵R「…。(私には聞かないのか!?)

 

推理項目

1.財宝の場所は?

2.その理由は?

「自分の名前(仮名)」「1の答え」「2の答え」を書いてMAILで送って下さい。