大学生は図書館も活用せよ

 幅広い教養は、それ自体として我々を高めてくれるし、しばしば我々の進むべき道を指し示してくれもする。それは我々のギター演奏のみならず、信念・人生をも変化させる力を持つかもしれない。本ページでは、私が用いた本の中で、特に優れたもの、便利なものを紹介する。

教養▼
 教養的な本は、音楽家としての生き方に悩んだ時などに、読みたくなったら読めばよかろう。
 なお、DEはジャズ史上、かなり重要な史料価値をもっている。またアメリカ黒人音楽(ブルース、ジャズ)を理解する上で、Eのような本を最低一冊は読んでおくとよいと思う。
@ 新渡戸稲造 『武士道』 岩波文庫「その氷の刀身は抜けばただちに大気中の水蒸気をその表面に集める。その曇りなき肌は青色の光を放ち、その比類なき焼刃に歴史と未来とが懸り、そのそりは優れたる美と至大の力を結合する」(第13章「刀、武士の魂」より)。ギターは刀と同じです。
A 高橋竹山 『津軽三味線ひとり旅』
 中公文庫
プロのギタリストをめざす人にぜひ読んで欲しい。津軽三味線の第一人者による自伝。この分野を学ぶなら、文字通り、必読書である。昭和初期の東北圏における芸人らの裏社会に関する資料としても貴重。
B 『チャップリン自伝:若き日々』 新潮文庫プロをめざす人にぜひ読んで欲しい。貧しい少年時代、母の発狂、舞台での撃沈のトラウマなど、芸人としての自分の成長が描かれる。
C A.M.バッハ 『バッハの思い出』
 講談社学術文庫
妻が描いた巨匠J.S.バッハの伝記。バロック音楽を学ぶなら、必読の古典である。
D ビリ-・ホリデイ『奇妙な果実』 晶文社10才でレイプされ、売春、刑務所、麻薬中毒等々。当時のジャズ界について詳しい。
E 『マイルス・デイビス自叙伝』 上巻下巻
 宝島社文庫
これを読むこと、即、ジャズ史の研究であり、この分野では、上述のビリ-・ホリデイの自伝と並ぶ二大重要文献の1つ。
F バ-ダ-マン『アメリカ南部』
 講談社現代新書 1995
約800円。文化・経済・公民権運動・食生活など、アメリカ黒人音楽の背景を知ることができる。
ギターの構造・メンテナンス▼
 弦楽器の構造・メンテナンスに関する本は極めて少ない。エレキ・ギターに関してはとにかく@Aの2冊である。Bは主にヴァイオリンが対象である。
@ 竹田豊『エレクトリック・ギタ-・メカニズム』
 リットーミュージック 1998
約2000円。ギターの構造・メンテナンスに関する代表的解説書(といってよいと思う)。
A 佐々木朗『弦楽器のしくみとメンテナンス』
 音楽之友社 1999
約1700円。ギターとは直接関係はないが、参考程度に。
理論▼
 理論書は、何冊も読むより、一冊(定評ある良書)をじっくり消化する方が有益だと思う。まずは基本を体系的にマスターすることが大切であろう(断片的な知識はインターネットなどで入手できるので)。
 ジャズ系の人には@を、クラシック系の人にはAを、それぞれ薦める。
@ 北川祐『ポピュラー音楽理論』
  リットーミュージック 改訂版2004
中級理論書。標準的内容であり、わかり易い。私も昔、この本の旧版にお世話になった。お薦めです。
A 石桁真礼生『楽典 −理論と実習−』
 音楽之友社 1965
約2000円。幾分古くなったとはいえ、今なお音大受験参考書の定番。内容的にオーソドックスで、コンパクト。
B 『新音楽事典』
 音楽之友社
楽語(音楽用語)巻と人名巻との2巻からなる。各4500円で高価だが、楽語巻は特に便利。一生音楽と付き合うつもりの人に薦める。
楽譜・教則本▼
 楽譜・タブ譜を入手したら、すぐCDなど音源も入手すべきである。なお、クラシックの楽譜は、大学図書館にある場合も多い。@Aはクラシックの人には馴染みのものだろう。
@『フランシスコ・タルレガ作品全集』
 ドレミ楽譜出版 1997
約2500円。ギターの父とも呼ばれ『アルハンブラの想い出』等で知られるタルレガ(1852-1909)の全曲を収録。CDを入手すれば、あとは練習のみだ。
A『バッハ名曲選集』 全音楽譜出版演奏会用楽譜。このシリーズには他に、『ルネッサンス名曲選集』 『アルベニス・グラナドス名曲選集』 『バロック名曲選集』 『古典派ギター名曲選集』 等がある。クラシック・ギターをやれば必ずお世話になるシリーズだが、本棚に飾っておくだけでも価値あり(笑)?
Bジャズギターのタブ譜・教則本(売上げランキング): ジョー・パス系  教則本一般
楽史▼
 @Aは大いに薦める。Bは現在では入手困難。CDは本格派向け。
@H.M.ミラー『新音楽史』
 東海大学出版会 2000
2100円。最も標準的な教科書。必読書と言ってもよい。真面目な音大生なら1度は読んだことがあろう。
A油井正一『生きているジャズ史』
 シンコ-・ミュ-ジック 1988
約1700円。わが国のジャズ評論の権威による名著。日本人が書いたジャズ史としては最も有名である。
B『ジャズ批評 No.70 ジャズギタ-特集』
ジャズ評論社 1991
私の知る限り、最近10年内に出版された中で、最も詳しい Jazzギタリスト一覧辞典。1500円
CR.カストロ『ボサノヴァの歴史』
 音楽之友社 2001
約4000円。ちょっと高いが、この分野では必読書といえる。
DP.オリヴァー『ブルースの歴史』
 晶文社 1978
約3300円。ブルース研究の世界的権威による名著中の名著。ブルース史の本として、飛びぬけて有名である。膨大な文献・資料に裏付けられた学術書であり、内容は難しい。多くの人は一種の辞典として使っているように思う。

戻る