ホッタマンのひみつ日記[改]

4月18にち すいようび

〜 赤面 〜
朝9時に店の電話が鳴る。
お客様からの電話だ。
去年の10月に携帯を買って頂いた。
電話口には使ってくれている本人の母親から。
「携帯が折れて液晶も割れている」と。
理由を聞くと。
息子(本人)が転けて携帯を落としたみたいだ。
すぐさま、私のコンピュータが記憶を廻る。
「見に行きます。支度をして」と、伝える。
お客様のご自宅に着くと、本人の母親が出てくる。
玄関のタタキでお話を伺ううかがう。
説明はカンタンだった・・・。
本人さんは今年から大学生だと聞く。
夜中に仲間と公園で騒いでいて、
おいかけっこをしていた。という。
そして暗闇を声の聞こえる方向に向かって、
走っていると、公園の車止めのポールに渡してある
”チェーン”に足を取られ顔面強打と手の平に擦り傷。
心の中で思った。「あほやなぁ」
すかさずここで母親さんに。
「息子さんのおケガは大丈夫ですか?」と。
母親「大丈夫です」と
まだ息子は寝てますが。と
これが息子の携帯です。言葉と同時に手が動く。
N502itのホワイトが無惨に・・・。
現物は電話口で聞いたよりもひどかった・・・。
こけた衝撃で液晶画面は割れて虹色。
二つ折りの蝶番の部分がフィルム基盤だけでつながっている。
裏の電池パックを外してみる。
電池の裏側にプリクラが張ってあったが、
うすっぺらい電池には別状はなさそう。
電源の入り切りをとりあえずしてみる。
かすかに虹色の液晶が光る、バックライトだ。
テンキー部分は電源の入り切りに反応して、
点いたり消えたりしている。
メモリーは、引き抜けそうと判断した。
早速預かってドコモの法人取引の窓口に持っていく。
ご自宅に向かう前にドコモの担当者と打ち合わせはしてあった・・・。
現物を担当者と拝見している。
そこで担当者。
これは修理できませんねぇ。全損になりますと。
この時点でこの機種は完売(売り切れ)になっていたのだ。
お客様とご自宅で機種が変わる可能性があると説明をしておいた。
全損の場合は機種変更となってしまう。
在庫を眺めてみるがこれといった解決方法がなかった。
だが、担当者が重い口を開く。
「○○さん、とっておきをだしますわぁ」と。
注意:○○さんっと言うのは私の名前を言っている。
さすが、ドコモシ○ップ!!奥に隠してあったのねぇ。
(さすが、俺。顔で融通が利くなんて・・・)
N502itのグレーが用意できたのである。
母親さんに連絡を取って6ヶ月以内の機種変更だと告げる。
普通の機種変更より割高になるので了解を得た。
窓口の女の子が交換の作業に入ると・・・
私の方に顔を向けて、その子は耳が真っ赤に・・・。
隣の女の子も顔が真っ赤に・・・。
〜えっ私が何かしたのか・・・〜
登録用のコンピュータ端末に顔を戻し黙々と作業が続く・・・。
電話番号とメモリダイヤルの書き込みが終わり、
商品を受け取り、お客様の待つご自宅へ。
私のおなかは、お昼を告げていた・・・。
ご自宅に着き、本人さんも寝起きの顔で、
商品を受け取って頂いた。
私が「携帯電話の中にはシール張らないでください」と
壊れた方の携帯を息子さんに見せると・・・なんと!!
息子さんと彼女らしい方との「キッス」のプリクラだった。
かなり気まずい・・・って、俺最初に言ってたやん!
最初の方で、電池にプリクラが・・・って。
そのときは無我夢中で、無意識で処理。
ガキが、あほな写真貼っとんなってぐらいしか思わんかったのに。と
あ゛っ!!!!
お客様のご自宅を出て、集金した代金を窓口へ納めに。
すると担当者のオジタマの顔が紅潮していた。
「ここで気づいた」
担当者が窓口の女の子にプリクラの話を聞いたのだと。
丁寧にお礼をし、お客様が大変喜ばれたと担当者に伝えた。
私は帰りの社用車の中で思い出し赤面した。
若い恋人同士のプリクラに赤面したのではなく、
赤面した窓口の女の子に見つめられている、私の姿を思い出していた・・・。
窓口の二人の若い女の子よ、
ふっ。まだまだ青いな、と思う薄曇りの暖かな日であった・・・。


これらはフィクションですよ。絶対!

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