突然ですが,銀色夏生さんをご存知ですか?
とても有名な詩人さんですから,名前をご存知の方はたくさんおられるのではないでしょうか。
(あんなの詩人じゃないよ!!というツッコまれる方もいるかもしれませんが)
でもその知名度の割に,実際に彼女の詩を読んだことのある方は少ない気がするんです。
いえ,なんとなくそんな感じがするだけで、真偽のほどはよくわからないんですけど,
少なくとも僕の場合は,読みもせずに完全に馬鹿にしていたんですよ。
それで,僕が彼女の詩を知ったのは,ここ2.3年のことなんです。
ふと立ち寄った古本屋で,たまたま目の前にあった角川文庫の銀色夏生さんの詩集を
手にとってなんの気なしにパラパラとページをめくってみたんです。
そしたらちょっとびっくりしました。
なんていうんでしょうか,銀色夏生さんの詩って「もてない男」の心を
凄く切なくくすぐる感じがするんですよ。
(いえあえて「もてない男」と言わずとも,報われない恋をした,あるいはしている
人の心をでもいいですけど)
下に彼女の詩をちょっと転載してみますが,とんがれっさん的にはどうでしょう?
「ホームの上で考えたよ」
みんなが電車をまっている
歌うように僕たちは
のぞきこむ
早くきてきて
あの人を愛したと
思った瞬間
絶望的な夢を見た
電車ならば
早くきて
つかれたんだ
もう
抱きしめられて
ねむりたい
「いいふうに考えて」
いいふうに考えて 夜なんか
ねむった
だけどちっとも いいことは
おこらなかった
僕のこと,すきになってと
もしかすると,すきかもと
ふとしたひょうしに考える
僕のこと,ずんずん すきになって
忘れられなく なってほしいと。
いいふうに考えると 夜なんか
ねむれない
希望や願望ばかりが胸を
いっぱいにして
ほんの ほんの しばらくは
めくるめく しあわせ
そして,そのあとは
[2000年4月14日 0時58分59秒]