第1回 「1日目 -- 前途多難」
長期に及ぶ会津出張で、
必殺技の使い過ぎから気力がすっかりなくなってしまっていたのと、
(龍虎をやってないと分からんかな:-P)
その他諸々の理由から思い立った自転車旅行は、
4/27早朝5:00に田端を出るところから始まった。
愛車のロードレーサー(でもチューブラじゃないんだな)を漕ぐ私の
背中には10Kgの荷物、中には工具数種類と数枚の衣類、道路地図、
さらに野宿する事態になっても大丈夫なように寝ぶくろなどが入っていた。
早朝の東京は車もほとんどなく、
平均30Km/h程度の速度で快調に進む。
と、品川の辺りまで来た頃だったろうか、
周囲に不吉な影が飛び回っていることに気づく。
「げ、カラスだ」
かなりの数のカラスが回りを飛び回っている。
一瞬不吉な記憶が頭に甦る(前に箱根ごえに失敗して骨折してるのだ)が、
早朝の東京ではよくある光景だと自分にいい聞かせるようにして先を急ぐ。
7:00くらいにはもう横浜の辺りまで来ていた。
この頃になるとペースも落ち着き、
平均20Km/hで安定してくる。
10時すぎには箱根のふもとに着きそうな勢いだ。
横浜を越えた辺りでコンビニを見つけ、
朝食をとる。バナナと牛乳。
すぐにエネルギーになるものがいい。
薄汚れたTシャツにチャリパン(短めのスパッツみたいなもん)
という格好がかなり怪しげ。
ひと休みの後すぐに出発。
1号線もこの辺りはわりと起伏が激しい。
長い登りもあるがペースは落さない。バナナパワー。
しばらく行くと車も増え、人も増えてきた。
信号で止まるたびに周りの注意を惹く。
そんなもの気にして神戸まで行けるか。
10:00には小田原に入っていた。
しばらく走れば箱根はすぐそこだ。
10:30頃、箱根のふもとに来た。
ふと道端にあるみかんの無人販売所が目に入る。
そろそろバナナパワーも尽きていた頃、迷わず買う。
10個あまりのあまりおいしくないみかんを食い尽くすと、
いよいよ20Km程度続く登り坂に挑む。
前に一度やっていること、大したことないさ、とばかりに
ペダルを勢いよく踏み込んだ。
しかし…。
最初の3Kmほど行った頃だろうか、
それまで快調だった両の太ももが変調を訴える。
「う、ツリそう…」
脳裏に登る前に食べたみかんと、
どこかで読んだビタミンCは筋肉を硬くするという話が浮かんだ。
(記憶違いかも知れないよん)
ともかく、この足ではペダルを漕ぐことはできない。
それどころか、降りて歩くことすらままならなくなってきた。
ストレッチして、数100m歩いてはまたストレッチの繰り返しで、
数Km来た頃、MTBで元気良く登ってくる中年のおっさんに
話しかけられた。
「箱根登んの?」
「えぇ。しかし脚がこのザマで…」
「うーん、元箱根は無理だね。戦国原の方に抜けたら?」
距離的には遠回りになるが、戦国原ならそんなにきつくない。
この時点ではまだ元箱根を越えることに執着していたが、
再びストレッチ&歩くの繰り返しを数10回やったところで、
この意見を受け入れることになる。
結局登りはほとんど歩いてしまった。
元箱根と戦国原の分岐点に着いた時は12時近くになっていた。
ここからはゆるやかな下りが続く。
途中でラーメン屋を発見、昼食にする。
腹がふくれたところで、脚が復活していることに気づく。
ひょっとして、腹が減ってただけ?んなあほな。
戦国原では温泉を見つける。
ジモティーも良く来る銭湯気分の温泉らしい。
当然入る。脚も完全復活。
御殿場には14:00前には着いた。
そろそろ宿の心配をしなくては。
沼津まで246を下ってから考えることにしよう。
246はほとんど下り。すこぶる快調に進む。
沼津で国道1号にぶつかった頃には時計は15:00になろうとしていた。
電話ボックスを探して入る。
タウンページで民宿の項を見る。
沼津にはかなりの数の民宿がある。
が、しかし。
住所を地図で照らし合わせてみるとすべて伊豆半島の方だったぁ。
(沼津市は細長く折れ曲がった変な格好をしているのだ)
とてもじゃないが、そんな方まで行ってられない。
なるべく国1沿いがいい。ないかな、ないかな。
お、あった。げ、富士市だ。ここからまだ20Kmはあるな。
まあ、先へ進む分にはいいか。
というわけで、箱根を越えた辺りで1泊と考えていたのが、
予定を大幅にクリアして富士市まで来ることになってしまう。
1日目 5:00〜17:30 走行距離172Km
つづく