第2日 下り坂
気持ちのよい目覚め、とはいかなかった。
入念にストレッチをしたとはいうものの、
やはりユニットバスでは疲れを完全に癒すことはできない。
布団に20cmくらい埋まってしまった感覚だ。
とりあえず朝のニュースを見る。
今日から大型連休ですが、
あいにくのお天気となっております。
お天気は下り坂で、お昼ごろから雨が降るでしょう。
しくしく(;_;)。
2Gほどの重力を感じながらも
なんとか起き上がる。
窓の外を見ると雨は見えない。
空も明るい。
少なくとも午前中は降らないようだな。
さて今日も頑張るか!
2号線は高架になっていた。バイパスかなんかだろう。
自転車が通行可能な歩道があったようなので、
まよわず登っていく。
登ってしまえば後は平だ。
単調な一本道を漕ぎ進んでいくと
周りの雑音が次第に聞こえなくなってくる。
しまいには自分自身の体さえ、単純な動きをするうちに
思考の妨げにならなくなる。
ぼーっと、あることのみ思う瞬間。
これを求めてこんなことをしているのかもしれない。
青いEDWINビルを越えてしばらく行くと
長ーーーーい直線の下り坂が見えてきた。
後ろからせまる車の気配。
思わずペダルを思いっきり踏み込む。
あっという間に40Km/hを越え、
50Km/hに届く。
この時点で後ろの車は抜くことをあきらめたようだ。
さらに踏む。
58、59、60!
おっと赤信号だ、止まろう。
なかなか爽快だった。
昨日は雨だったからほとんどスピードが出せなかったからな。
たまには風を切らないと足がなまっちまう。
その先はゆるい登りだったが、
だが心なしか前よりも楽に進んでいる気がする。
やっぱり一回は高速回転させないと駄目だね。
ところで岡山県の道路の素晴らしいところは、
ちゃんと歩道に自転車の通り道が書いてあるところだ。
歩道に自転車道と書いてあるところはざらにある。
しかし、普通の国道では突然
自転車通行可ここまで
とかされてそれっきりなのだが、
岡山ではそうなるようなところで
← 自転車
のように迂回路を教えてくれる。
このおかげで迷わずに2号線沿いを走っていくことができるのだ。
倉敷のあたりだったろうか、
また例によって高速のインターがあるために
自転車は2号線を下ろされてしまった。
まあいい、どうせ道は示されている……ん?
な、ない。どういったらいいんだぁ。
しかたなく下の道を行く。
遠くに見えるのは2号線だろう。
あれに沿っていけばいいさ。
むむむ。なんか田んぼの真中に出ちゃったぞ。
この上の高架は何だ?
嫌な予感がする。
高架下の線路を渡ったところで農作業をしているおばちゃんに聞く。
福山に行きたいんだけど。
福山っつったらこんな方来ちゃ駄目だ、あっちの方だぞ。
げげっ。
助かった。
あさっての方角に行くところだったぜ。
岡山おそるべし。
新倉敷駅のあたりで2号線合流。
おぉ、まいすぃーとはーと。
しかし平坦だ。
だれだ?2号線は起伏が激しいといってたのは。
全然楽勝だね。
福山城も見たし、先を急ごう。
今回の旅はよく知らない土地ということもあって
途中の目標となるものはあまりなかったが、
広島で1つだけ食べたいものがあった。
それはお好み焼き。
広島に入るととにかくお好み焼き屋を探す。
そこらじゅうにあるはずという予測に反して
いつまでたってもそれらしき店は見つからない。
しかたない、この道を行ってそれでもなかったらあきらめよう。
と決めて走った横道がそろそろ大通りに合流する頃だった。
あ、ついに発見!
あわてて飛び込むと注文した。
やった!焼きそば入ってないじゃん。
実家は静岡の富士宮なのだが、
なぜかお好み焼きというと広島風お好み焼きだった。
初めて関西風の店に行った時にいきなり全部を混ぜ始めた友人に
なんてことをするんだ!と言いそうになった憶えがある。
それで東京に出てからも広島風の店を見つけると入るのだが、
なぜか必ずといっていいほど焼きそばが入ってしまう。
常々あれは邪道だと思っていたのだが、
広島に来てデフォルトが
何も入っていない、子供の時から見なれたお好み焼きだと
分かってなぜか妙に嬉しかった。
やっぱり焼きそばを入れるなんて邪道だ!
などと思いつつお好み焼きを食していると、
12:00ちょっと前になってポツポツ来だした。
げげ、こういうときだけは予報がきっちり当たるのね。
店を出る頃はまだ小降りだったが、
尾道に来るころには完全にどしゃぶり状態だった。
尾道駅前の山の上に城を発見。山陽って城が多いんだなぁ。
ふっと前を見ると段差だ。
あ、やべ、よそ見してる場合じゃなかった。
ガコッ、ガコッ。シューーーーーーー…。
がびーん、パンクしちったよ。尾道おそるべし。
商店街のアーケードに入ると、
用意しておいた予備のチューブと代える。
穴の空いたチューブはとりあえずバッグに入れといて、
宿に着いたら修理しよう。
14:30ころ、東広島まで30kmの看板発見。
今日はできれば東広島まで行きたい。
30kmなら2時間もあれば着くな。
…しかし、これが大甘だったのに気づいたのは
取り返しのつかないところまで来てからだった。
そこからはほとんど泊まるところのありそうにない山道が
延々と続く。
雨は相変わらず強く降り続ける。
だが、どんなに長い登り坂でも途中で降りて歩くことはない。
どれくらい漕ぎ続けたろう。
トンネルが見えた。
ラッキー。
トンネルはほとんどの場合、峠到着を意味する。
この場合もそうだった。
もう17:00を回っていたがなんとか宿を見つける。
旅館しかなかったが、しかたない。
やはり広い風呂はいい。完全復活。
素泊りのところを宿の好意で夕飯を出してもらい、
4杯飯で空腹を満たした。
が、服や靴はきっと乾かないだろう。
明日は晴れるといいな。
第2日 岡山〜東広島
8:30 - 18:00
走行距離 149.54km
最高速度 65.1km/h
平均速度 22.3km/h