公園情報・番外編:IIDAKE沖縄へ行く

異常な残暑の続く2002年夏でありますが、私たち一家ははじめてこの夏飛行機で家族旅行をしました。従来より行き先は野生生物の多くいる沖縄と決まっていましたが、不案内の土地ゆえに、ディープな本来の「やんばる」には深く入り込むには至りませんでした。万が一このHPをごらんの方でやんばるのことならオレに訊け!という方がありましたらご教示ください。
で、レンタカーで本島めぐり+ビーチで遊ぶ5日間を過ごして参りました。

那覇空港に着いたのは昼過ぎで、なんやかやでまずは那覇市内のホテルにチェックイン。陽は照ってるものの、ときおりスコールのような雨風の、強烈な蒸し暑さの中で国際通りを右往左往。目指す店はどこも定休日のため仕方なくとてもひなびた定食屋で遅めの昼食、いわゆるおふくろの味的な店でさっぱりした島そばやゴーヤチャンプルーをたらふく食べてオリオンビールもたらふく飲んで四人で¥3000は感動もんでした。

今回訪れた3箇所のビーチはいずれも想像通りの南国の、白い砂・エメラルドの海(月並みやなあ)でした。どこにいても生き物探しをはじめる子ども達です、最初は「貝殻あつめ」だったんですが・・。

形の整った貝殻を拾うと、大抵はなかにヤドカリ(オカヤドカリ=よく夜店やペットショップで売ってるヤドカリ)が住んでいます。最初に採集した伊計島の監視人のおじさんは獲ってもかまわないと言うのでつぎからつぎと獲りだしたら。

あっというまにプラ・ケースいっぱいになりました。で、それをぶらぶらさせながら名護市郊外の「やんばる亜熱帯園」をうろついていたら、園内の管理をしているお兄さんに呼び止められました、彼の口から出た言葉はさらに衝撃的でした。それは・・・
オカヤドカリは天然記念物で獲っても持ち歩いてもイケナイ!ということでした。二人いたお兄さんのもう一人は「天然記念物なんて初めて聞いたよ、オレはよく子どもの頃捕まえて、釣りの餌にしていた」とまた意味不明のことをいいます。また県内で「観光客向けに売ってる場所もある」ともいいます。いったい誰のことばを信じたら良いのでしょう。

というわけで翌日オクマビーチの近くにある環境庁の「やんばる野生生物保護センター」に行って、自然保護官のおねいさんに確認してみたら間違いなく1970年に国の天然記念物に指定されている(本土の夜店で売ってるのは輸入品で規制の対象外)とのことでびっくり仰天(琉球大学HP参照)。さすがに子どもたちも納得して素直にビーチにリリースして帰ってきました。結局「観光客向けに売っている」店には行きませんでしたが今ひとつ納得がいかず、ネットで調べてみたら以下のことがわかりました。

1.天然記念物に指定された当時(1970年)、オカヤドカリは奄美大島と伊豆諸島の一部にしかいない珍しい動物とおもわれた(天然記念物の地域指定無し)。
2.沖縄が米国から日本に返還されたのは1972年5月で、そこではもともと珍しくもない生き物で、以前から釣りの餌や子どものペットにしたりするために捕獲・販売する業者がいた。
3.そこで困った業者と役所が相談して4業者については特別に捕獲・販売を許可する(年間30トン以内)こととした。

というのが真相で、「やんばる亜熱帯園」の怪しいお兄さんたちの言ってたことは全部正しかったんです。