カル・ヌカイ
アルコナ族の中では若い方である彼は、人間の基準でいえば16歳に相当する。彼のすむグランド・ネスト地区と隣の地区との間に起きた、水源を巡る暴力的な戦いの為、カル・ヌカイの家族は自分達の土地を放棄しせざるをえなくなった。父親カル・ムポンは、仲間内で争うことなど時間の無駄であると固く信じていた。彼にしてみれば、共通の敵である干ばつと戦うことのほうが重要であった。彼らは自分達の住処を離れた。当時まだ子供であったカル・ヌカイには、有益な植物と有害な植物の違いがわからず、両親の判断に完全に従っていた。責任ある父親は自ら植物を実験し、その判断を下していた。しかし、父親の豊富な経験を持ってしても、荒野での生活は余りに厳しいものだった。一週間も行方不明だった父親はの亡骸をカル・ヌカイが発見したのは、ある植物の脇であった。
カル・ヌカイと母親は窮地に陥ったが、近くに調査用入植地を開いたことを聞いた彼はそこで働くことにする。カル・カヌイは小包配達人として雇われた。彼は自分の配達している小包に惑星コナでは違法な麻薬とされている塩が詰まっていることに気付いたが母親を養う必要から、それには気付かぬふりを決め込んだ。しかし、小包などに付着した残留塩が皮膚から体内に浸透し、ついに自ら欲することとなる。
そして、ついに入植船が去る日がきた。入植者達は塩水で覆われた自分達の素晴らしい故郷の話を聞かせ、カリ・ヌカイをからかった。この話に彼の心は乱された。彼は母親に今いる場所を去る素晴らしさを話した。母親は息子の無事を祈りつつカル・カヌイを送り出した。銀河系を横切る旅は、かなり長旅だった。タトゥーインに寄港したとき、彼は母親が亡くなったことを聞かされた。彼は取り乱し、船をおりて酒場えと足を運んでしまい、そのまま4日間入り浸ることになる。入植先の乗組員達は、次の中継地へ行こうと彼を引っ張ったが、カリ・ヌカイは動こうとしなかった。コナは絶対に戻りたくなかった。やがて、船は二週間分の食料を彼に残して去って行った。それ以来、彼は、湿地農業に従事している。優れた熱感知力とマルチバンド視界により、彼は、他の農夫達に比べて、ずっと簡単に地表下にある貯蔵庫や貯水庫を認識することが出来るのだ。しかし、成功を収めているわけではなく、ただ生き延びることを望んでいる彼は、少しばかり余った金を、醸造塩についやすのである。
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