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津軽あっぱ焼き | さあ一発 | 津軽けやぐ煮 | ねりこみ
ほたてのリンゴ蒸し | リンゴ・フルコース | 魚の貝焼き味噌
じゃっぱ汁 | 南蛮漬け(即成) | 南蛮漬け(三升漬け)




厨房グルメ〈青森編〉



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  (1)

津軽三味線・津軽民謡の第一人者山田千里さんの居酒屋であり、ショーのあ
るライブハウスでもある『山唄』(弘前)では、独自の郷土料理がメインです。
津軽弁にちなんだ料理名がつけられています。
津軽のあっぱ焼き(「あっぱ」は「おふくろ」という意味)

 ホタテ(生)の2つ割り、こまかく切ったシイタケ、3cm長くらいの
 ネギ、薄く輪切りにしたチクワなどの材料を鍋の湯に入れ、塩少々だけで
 煮て、卵2個でとじたもの。ほかの店のようなミソを使わないで、ほんの
 塩味だけでさっぱりとさせてある。
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さあ一発

  (「これを食べて(1発つけて)スタミナ2発分」という意味)
 マグロの刺し身4切れと、イカの細切りの刺し身10切れに、納豆3口分
 くらいをのせて、その上に、卵の黄身をくずさないでのせる。
 好みでおしょうゆ少々をかけて食べてもよい。
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津軽けやぐ煮(「けやぐ」は「友達」の意味)

 イカと野菜がともだちという意味。
  トウモロコシ(生)と、さいころ大のにんじん(生)、グリンピース(生)
  を、イカ(スルメイカ)のワタを抜いた胴に詰めて、竹串(10cm)で
  とじ、だしをいれない湯で、5分ほど煮ます。5つの輪切りにして出しま
  す。マヨネーズをつけて食べます。(イカと野菜の味に合う)

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  (2)

よく知られている「ねりこみ」です。
ねりこみ

 東北の小京都といわれる城下町・弘前は北前船などの交易で京・奈良の文
  化が伝播してきていた地方ですので、京・奈良のように寺社仏閣も多く、
  京・奈良の精進料理も伝わってきています。
  ねりこみも、もともと精進料理なので、魚肉は使わないのが普通ですが、
  家庭によっては若い人向けに魚肉を使うこともあるでせう。

 さつまいも、にんじん、大根、グリンピース、こんにゃく、しいたけ、油
  揚、これらを小さめのさいころ大に切って、湯通しします。
  鍋にかつお節、こんぶでだしをとり、上の材料を入れて煮ます。
  味つけは、さけ、みりんに砂糖をたっぷりと(さつまいも1に対して大匙
  2の割合)入れて甘くします。つまり、「うま煮」の一種です。
  (だし汁の量は材料がひたひたになる程度)

  醤油はいれませんが、隠し味として塩をごく少量使ったりします。
  「野菜に火が入った」ら、水溶きの片栗粉をいれて「とろみ」をつけます。

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  (3)

定食のお店「吉陣」でのユニークな料理。
ほたてのリンゴ蒸し

  リンゴ(富士)半個を皮を剥いて、種をとって、銅のおろし金でおろしま
  す。ほどよい固さと味という理由で富士にしています。
  リンゴと同程度のヤマイモをおろします。
  リンゴとヤマイモをボールでまぜて、ひたる程度に酒(塩少々を合わせた
  酒塩)をいれます。リンゴだけではべちゃべちゃになって固まらないので
  ヤマイモを合わせます。

  鉢に、生のほたての貝柱を2つに割って入れ、その上に、上のリンゴとヤ
  マイモをまぜたものをのせます。
  それを蒸し器で5分程度蒸します。

  さらに、片栗粉でとろみをつけた吸い物だし(かつおだし、塩、
  しょうゆ、さけ、みりん)をかけます。
  これは、5〜6年前に吉陣さんが考案した「創作郷土料理」です。

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  (4)

南田温泉ホテル・アップルランド(南津軽郡平賀町)で提供している[リンゴ
づくしのフルコース]料理を紹介しませう。(要・予約)
ホテルは、塩化泉の南田温泉、リンゴ畑の田園地帯の中にあります。
リンゴフルコース〉

☆ 刺し身(ひらめ)のリンゴ盛り合わせ

  時季によって魚はいろいろ変わります。
  薄めの刺し身にしたひらめで、薄くスライスしたリンゴを巻いて、醤油で
  いただきます。
  リンゴは富士で皮つきのまま、2〜3mm厚の半月形のスライス。
リンゴの白和え

 とうふをおからのようにくだいた中に、薄くスライスしたリンゴをまぜま
 す。ふつうはなにもつけないでいただくが好みで醤油など。
ホッケのだんごリンゴみぞれ煮

 ホッケ(生)のすり身と、さいの目にこまかく切ったリンゴをまぜて団子
  にし、かつおだし・みりん・さけ・しょうゆのだし汁に、団子と、こまか
  く刻んだ鳥肉・しいたけをいれて煮ます。
  仕上げに大根おろしをかけて出します。
伊勢海老とリンゴのグラタン

  エビ・グラタンの中に、こまかく切ったリンゴをまぜてあるもの。
リンゴの炊き込みごはん

 かつおだし・みりん・しょうゆで調味した、しいたけ・たけのこ・グリー
 ンピースをいれた炊き込みごはん。
 出来上がったところで、客卓の小型コンロの上にのせた小さなセイロにそ
 のごはんを入れ、ごはんの上に薄く小さく切ったリンゴをちらしてのせま
 す。
リンゴとホッキの酢の物

 ホッキ(生)とリンゴを薄く細かく切って、リンゴ酢を使った合わせ酢の
 もの。(リンゴ酢・さとう・しょうゆ・みりんを合わせて、煮切り、さま
 した合わせ酢)
 リンゴ酢と大根おろしのみぞれにすることもあります。
山ウドとリンゴのサラダ

 フレンチドレッシングですが、ほんの少し蜂蜜を入れます。リンゴはスラ
  イスすると甘みが少し抜けてしまうから甘みを補うためです。
リンゴのプリン

 プリンができてから、カラメルの代わりにリンゴのすり身をのせます。
リンゴのシャーベット

 リンゴジュースと、みじん切りしたリンゴのシャーベット。
リンゴの漬け物

 スライスしたリンゴを15分ほど塩水に漬けておいたものです。

この他、コースにはリンゴを使わない魚フライ等の料理も添えられます。

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  (5)

郷土料理店炉辺(弘前)の代表的な津軽料理を紹介します。
魚の貝焼きみそ

  カトウ(鮫の一種)、ホタテ、ヤリイカ、真鱈の白子(タツ)、ワラビ、
  ゼンマイ、エノキ、トウフ、ナス、セリなど旬の野菜・山菜を、ほたて貝
  の殻にのせ、味噌で煮たてます。(いろりの炭火焼き)
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じゃっぱ汁

 マダラ5kg程度1本で5人前のじゃっぱ(アブラ、頭、中骨、ハラス、
 胃袋、あればタツも。アブラは溶けやすいので冷凍保存しておく)
 大根3分の1本。ネギ3分の1本。
 (お好みでとうふやにんじんをいれたりします。)
  出し昆布、太めなら10cm長。漉した赤味噌130g程度。
  じゃっぱは二、三口分位の大きさにそれぞれ切ります。
  大根は5mm細の千切りにし、ネギはうすい薬味切りにします。

 大なべに、材料がひたひたになる程度の水と昆布を入れて大根を煮ます。
  大根が柔らかくなったら昆布を取り出してアブラ(肝臓)をいれ、アブラ
  が縮んだら他の材料を入れます。
 アクをすくいとり、出なくなったら、赤味噌をときながら入れます。
 タツがあればこの後入れて、仕上げにネギを入れます。

  「じゃっぱ」は雑端から来ていて、捨てる物の意味ですが、それを美味な
  料理に生かしているわけです。

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  (6)

「南蛮」にもいろいろとありますが、青森で、南蛮といえばたいてい南蛮漬
けのことです。その南蛮漬けにもまたいろいろあります。
南蛮漬け(即成)

家庭で、トウガラシの赤くなるまえの葉・実をとって、さっと湯がいて刻ん
だものを、しょう油に数日漬けておいて、それを次のようにしていろいろと
応用して食べることがあります。

 ・大根おろしと合わせる
 ・菊の花(食用菊)と合わせる
 ・おぼろのとろろこんぶと合わせる
 ・なめこ、きのこ(イクジ=アミダケなど)と合わせる
  ・そのままご飯にかける
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しかし、本格的な南蛮漬けはつぎのような「三升漬け」(さんじょうづけ)
にしたものをいいます。
南蛮漬け(三升漬け)

  ・こうじ1升、しょう油1升、南蛮(トウガラシ)1升を混ぜて漬ける。
 ・トウガラシは赤く熟する前に、葉と実とを摘んで、それを(湯がかない
    で)刻んで(なまのまま)、かめに入れて、縁の下などに置いて、数か
    月以上、保存して発酵させます。

できあがったこの南蛮漬けをもとダネとして、上記の即成漬けのような応用
や、各種料理のタレや汁の味つけなどさまざまに用います。
とくに、山間で寒冷の南部地方でよく用いられます。

   1. 毒消し(殺菌)作用がある
   2. 魚肉などの臭みを消す作用
   3. 体を温める作用
   4. 風味を良くする作用

トウガラシは、山地であればワサビよりも栽培しやすく収穫しやすいもの。
魚肉類のタレとして、また味噌と合わせて、鍋物の「ベース」として用いま
す。南蛮は味噌と非常によく合います。体が温まるので鍋物に適しています。

他の料理としては次のようなものがあります。
きのこの塩から

 ・この地方では、しょう油をベースにしたものを「塩から」といい、これ
    はきのこと南蛮漬けとを合わせたもの。
するめの松前漬け

  ・するめと数の子と、こんぶ(細かく砕いてどろっとさせたもの)と南蛮
   漬けを合わせたもの。

米のあまりとれない南部の山村などでは、そばの栽培が多い。その、そばを
細長く切らないで、5センチぐらいの三角形に切ったものをそばカッケとい
い、これを南蛮漬けで食べます。
また、寒冷の山村でよく作られる「寒大根(かんだいこん=吊るして凍らせ
た大根)」も、みそと合わせた南蛮漬けで食べたりします。

                                                     -- 1993.12 --




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