B型肝炎ウイルスのキャリアは日本に130万人いると言われています。キャリアとはウイルスが体の中で増殖していて他人に感染させる危険がある状態で、本人は将来、肝不全になったり肝臓癌になる危険があります。日本で肝臓癌による死亡の15%がB型肝炎ウイルスによるものです。B型肝炎ウイルス・キャリアの多くは出生児に母親から感染したものですが、最近は急性感染(急性肝炎)後キャリアになる人が増えています。特に4歳未満で感染するとキャリアになりやすいと言われています。また、急性肝炎から劇症肝炎になって死亡する人もいます。最近では急性肝炎で完全に治ったように見えてもB型肝炎ウイルスは体の奥深くに一生残り、時に命に関わる変化を及ぼすことが分かってきました。このようにB型肝炎ウイルスに感染することは将来の健康状態や寿命を左右することになります。
 B型肝炎ワクチンを接種することによって事前に抗体を獲得して将来感染しないようになります。B型肝炎ウイルス感染後に接種しても効果が無いと言われていますのでワクチン接種前にB型肝炎ウイルスに感染していないことを確認してから接種した方が良いでしょう。確実に抗体が出来れば15年以上効果が続くといわれています。ワクチン3回接種(1ヶ月後と2ヶ月後)によって抗体が出来る人は96%です。また、1回目は生後直後から接種可能ですが一般に生後2ヶ月以降です。

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