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11月30日。ブラウン管じゃわからない景色/汝自身を知るべし。 先月はまだ半袖で歩いていたと思ったらもうスーツを着込んでいるとかけまして白いご飯と解きます、その心はあきがこない、直ぐに冬んなッちまうッてんで…どうも調子がくるうじゃないかと思っていたらなんのことはない、もう11月も月末だから寒くなって正解なのだ。ことしも丹生谷貴士を読みながらぶじにまたひとつ齢をとり(出がけに鞄にお気に入りのアパシー論とかメルロ=ポンティ論のコピーを放り込んで通勤電車で読む)、気がついたら冬がすぐそこに来ているのだ。 * 居間でテレビを見ていると妙に赤い。気がついてからずいぶんたつがやはり赤い。赤いしなんだか陽にさらされたように白く退色した感じもある。だってこのテレビはソニーのトリニトロンで上等のはずではないか、いまの下宿に越した2005年のちょうど11月ごろに買ったからまだ19年ぐらいしか経ってないぞ、と思うけれど、まぁ家電の寿命ってそんなものかもしれないなあ、と思いつつある。ブラウン管で24型はそれなりに大きくて、一人でかかえようとしたら腰がやられそうな感じはあり、これを処分するのかぁと思うと途方に暮れるが、またもうひとつやっかいなのは、この下宿の次の更新のときはひょっとしたら引っ越すかもしれないと(これまでも更新のたび何度も考えていたけれど)考えているので、そうするとあまりちゃんと大きなテレビを買うのもめんどくさい、もしも引っ越すなら引っ越しついでにテレビを処分して新しいテレビを新居に買えばいいじゃないか、とまぁ思って幾星霜なわけで、そうすると今のテレビの置き場所の空間に居抜きで入りそうなものというと、令和の家電の平均からすれば小型に類する(しかしパッと買って持って帰るにはそれなりに重そうな)サイズ感になってしまう。やれやれめんどうだなあと思いつつ、しかたないのかとそれなりに腹をくくりつつある(くくりつつあるというのはまだくくれてないということであって、くくりはじめがありくくりつつある段階が来てそのあとにくくりおわりつつある段階がおそらく来て…そしてついにくくり終わり、そしてたぶん、よし、腹を括ったぞ!と思う瞬間が訪れて…そしてそのあとたぶん、腹を括ったからにはどうにかするぞ!と思い始め…以下無限…)。 * このひと月とそこらで起こったことでここに書くべきことはなにがあるか。たとえば今年は9月頭から咳が出始めて、ずいぶんながらく続いていたのだけれど、それはある意味例年のことでもあり、昔は3か月ぐらい咳が続いていたような年もあり、まぁそこまでの咳はこのところなかったのだけれど今年はひさびさに2か月ぐらい(軽い咳だが)続いたわけだがそれがひょんなことから上手に治った、というのは記録に値するだろう。上手に治った、というのはこのばあい、医者にかかるまでもなく自力で原因を突き止めてそれに対応する市販薬で症状をおさめることに成功した、といういみである。さいしょ、ここ数年のんでそれなりに効いていた市販の咳止め薬(A)の去年の残りをのもうと思ったが、残り少なかったのでドラッグストアに行って別の咳止め薬(B)を買ってきてのんだ。ところがしばらくのんでいたがそれがいまいち効きがよろしくない。それでふと(A)(B)両者の成分を見比べてみたところ、(A)に含まれて(B)に含まれない成分、というのが見つかった、という次第。それが、なんとかかんとかという、アレルギーを抑える抗ヒスタミン的な成分だった。そこであらためてドラッグストアに行って、そのなんとかかんとかが入っている咳止め(A)をもういちど買ってきたわけなのだが、ここでさらに重要な知識として、このところ特にドラッグストアで咳止めというのはちょっと買うのにハードルがある。昔から咳止めにはたしか麻薬的な成分が含まれていて、それを悪用する悪い子たちがいるということについて最近うるさくなってきて、いまではドラッグストアでもちゃんとレジのところで薬剤師が説明と注意喚起をして、連続服用でないことを確認したうえで、店によっては名前まで書かされてようやく購入に至る、等、かなり剣呑なのである。しかしこのたびはその薬剤師さんの説明の中で、(A)の成分表を指さしながらそのややこしい麻薬的な成分というのがこれとこれで、みたいに教えてもらったんである。幸いそれらは自分に効きそうな成分とは別っぽい。なので、後日、アレルギー性の咳に特化した薬(C)を探して成分表を確かめ、これはいけそうだというのを買ってきて、それをのんだらすっきりと咳が収まった…というしだい。こういうのは自己効力感が高まりますね。 * とかなんとか書いている間にじつはPCのマウスがおかしくなった。まぁマウスの代わりぐらい下宿に転がっているのでとりあえずべつのやつをつないで大過なくやっているが、しかしまぁ「いうまでもなく人生は崩壊の過程である」というやつではある。 * そして人生は続く。なにはともあれ、おいしいものを食べて楽しいことを見つけて日々を過ごすべしではある。プチ肉断ちもそれなりの成果をみたのでひとまず完了。 ビフテキや豚カツや唐揚げを食べて、まぁひとまず落ち着いたので、またなにか冬らしいしみじみとしたものを作って食べるとよいのではなかろうか。 |
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