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「大学生活を振り返って」
生涯教育専攻 4回生  桐村 慶二

   
 現在、大学生活も残すところ卒業式のみとなってしまい、4年間の生活が終わろうとしている。振り返ってみると、時間が経つのは本当に早かったが、「まあ、こんなもんかな」って思うぐらい、自分のしてきた生活には納得している。大学という所は、私が入学以前に思っていたほど、たくさんのことができる所ではなかった。しかし、我武者羅ながらにも過ごしてきた数々の経験から、自分を見つめる上では非常に有意義な時間であったと感じている。
 ところで、私がこの大学のある街「天理」を初めて訪ねたのは、ちょうど4年前の1月であった。この時、大袈裟にいうと「カルチャーショック」を受けるような感覚で、街を見てびっくりしただけでなく、ここで大学生活を送るということ自体が予想もつかなかった。入学をするとなった時も、「どんなことができるのか」とか、「どんな人と会えるのか」ということなど、不安だらけだった。しかし、入学式に行ったとたんに、私の元来持ち合わせた「環境適応性」も後押しして、それまで不安に思っていたことなどほとんど吹っ飛んでしまい、むしろここで過ごすことが楽しみになってきた。そして入学してから現在まで、この大学で「生涯教育専攻」で過ごしてきて誇りに思えたことは、学生も教員も非常に身近にあって過ごせただけに、多くの人に自分自身を受け入れてもらったことであった。そのため、自分自身が以前よりも随分と伸びやかにまた気楽に過ごすことができたと、現在振り返って改めて感じている。
 さて、こうして過ごした中で、私にとって大きな体験だったのが、3回生の時の「生涯教育専攻合宿」であった。2回生の時から、実行委員の代表をさせてもらい、みんなと一緒にこの企画に取り組んできたが、この時は実に波のあった生活だったと思う。私自身、代表をしようと思ったのは、「目立ちたがり」の性格に他なかったが、企画していく上では、自分だけでなく他人の嫌なところもよく見てきたし、1回目の企画は悪天候で中止といった不運なこともあった。
 そういうことも踏まえて、3回生になった時にやっと、新入生も含め70人近くのメンバーで実施できたことは、私自身だけでなく参加したみんなにとっても喜ばしかったことではなかったかと思っている。
 この体験によって、多少ではあれ自分に自信が持てるようになり、後々に「旅行」の仕事がしていきたいと思うようになった大きなきっかけの1つとなった。この時から、私は「旅行」の仕事に対して取り組み始めるようになった。
 こうして再び振り返ってみると、何か1つのことに真剣に取り組んだ時、自分自身に思わぬ発見があることに初めて気づいた。私は、以前から何もしてないうちにクヨクヨする癖があるだけに、驚くべきことでもある。

ところで、私が高校を卒業する前に、担当の英語の先生からこんな詩を頂いた。ここで一部だけでも取り上げてみようと思う。
 
 「青春とは人生のある期間ではなく、
  心の持ちかたを言う。
  薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
  たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。
  青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

  青春とは臆病さを退ける勇気、
  安きにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
  ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
  年を重ねただけで人は老いない。
  理想を失うとき初めて老いる。」  
                 『サムエル・ウルマン「青春」より』 

 この詩から、心の持ちかたによって、「今、しよう」と思うことは何でもできるのではないかと思う。特に大学生であるという時間は、「今」しかなく、「自分」のために、「これしかない」と思える何かに取り組み、「自分を見つめる」ことのできる最適な時期なのかもしれない。とはいっても、一番肝心なのは、やはり「これから」なのであろう。