天理大学 生涯教育専攻 課題図書

齋藤 孝 『日本を教育した人々』

ちくま新書(691) / 2007年 / 205頁 / \714 / ISBN-13:978-4480063908



●さいとう・たかし●
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在は明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法。小学生向け・一般人向けセミナー「齋藤メソッド」主宰。
著書:『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHK出版、新潮学芸賞)、『子どもたちはなぜキレるのか』『「できる人」はどこがちがうのか』『日本を教育した人々』(いずれも、ちくま新書)、『話し上手 聞き上手』(ちくまプリマー新書)、『質問力』『段取り力』『コメント力』(いずれも、ちくま文庫)、『恋愛力』『企画塾』『速読塾』(いずれも、筑摩書房)、『教育力』(岩波新書)など多数。


極東の島国で資源にも乏しい日本は、「教育」を半ば国民的な「宗教」として国力を築いてきた。ところが今日、いじめや学力崩壊によって、その「教育」が壊れつつある。背景には社会的国民的紐帯の解体という、より深刻な問題が横たわっている。日本人を日本人たらしめた教育とは、どのようなものだったのだろうか。日本を教育したといえる、松下村塾の吉田松陰、慶応義塾の福沢諭吉、木曜会の夏目漱石、戦後日本人に巨大な影響を与えた司馬遼太郎を例に、彼らの言説と行動の教育作用の分析をとおして、その問いに答える。

目次
第1章 吉田松陰と沸騰する情熱の伝播
 (革命家の孵化器「松下村塾」 漢学に培われた松陰の日本語能力 ほか)
第2章 福沢諭吉の「私立」という生き方
 (いまだに影響力を持つ実際的な教育者 カラリとした精神と合理的な性格 ほか)
第3章 「夏目漱石」という憧れの構造
 (教師に不向きな教育者 近代日本語の土台をつくる ほか)
第4章 日本史をつなぐ司馬遼太郎
 (「日本人とは何か」という問い 日本人としてのアイデンティティを教える ほか)

学生の感想文(0)