天理大学 生涯教育専攻 課題図書
小池 和男 『日本企業の人材形成』
中公新書(1373) / 1997年 / 174頁 / \660 / ISBN:4121013735
●こいけ・かずお●
1932年、新潟市生まれ。東京大学教養学部卒、東京大学大学院経済学研究科卒業。経済学博士。現在、法政大学経営学部教授。中央職業能力開発審議会会長。
著書:『日本の賃金交渉』(東京大学出版会)、『職場の労働組合と参加−労使関係の日米比較』『仕事の経済学』『人材形成の国際比較−東南アジアと日本』(東洋経済新報社)ほか。
第1章 知的熟練の理論
第2章 はば広いOJT
第3章 ホワイトカラーのOJT
第4章 研修コース
第5章 政府の役割
第6章 促進策
第7章 はば広いOJTの生成
第8章 OffJTの発展
第9章 報酬の構造
第10章 長期雇用の生成
第11章 今後の方策
学生の感想文(14)
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OFFJTとは今後の研修方式だということである。知的熟練の形成にはOJTを強調するが、OFFJTがなんの役にも立たないというのではない。ブルーカラーでもホワイトカラーでも、仕事経験を整理し理論化し、問題をこなすノウハウを高めるのに、OFFJTは欠かせない。 OJTとちがいOFFJTは形があり、多くのアンケート調査が利用できる。OFFJTの重要な部分は、職場でのインフオーマルなOFFJTである。 インフオーマル、つまり、形にあらわれないとは、人材開発部や人事部の記録、したがって予算に現れないことをいう。
インフオーマルなOFFJTは企業グループにも広がる。中核企業の技術者がときに部品メーカーを対象に行う。新しい技術、新しい材料、新しい製品をあつかうとき、部品メーカーにでかけたり、中核メーカーの職場に呼んだりして実施する。フオーマルなOFFJTコースも企業グループ内に広がる。
毎年春、中核企業はその年度に開設予定のコース覧を部品メーカーに配り、希望者をつのる。中核企業からすれば、多くの部品を社外のメーカーに頼む以上、その品質がよくなくては中核企業自体が大いにこまる。 でも、いくら研修コースが重要であっても、学校教育が知的訓練に欠かせない前提であることを明らかにしなければならない。
(3回 S.B.)
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「日本企業の人材形成」を読んで、私は一段と生涯学習の大切さをかんじました。現在は不況で、就職できない人も多くまた、リストラされることもめずらしくない時代です。また、仕事をもっていても情報社会が日々進歩して仕事内容も変わっていくにもかかわらず仕事が忙しく学習する時間がとれないのが現実だと思います。それでは、仕事効率もあがらないし、良い仕事もできないのではないでしょうか。そこで、仕事場を離れて研修し、自分の知識や技術を豊かにしてからまた職場に戻るというよなシステムをどこの会社でも確立するべきだと思いました。また、その費用などを進んで会社が負担するべきだと思います。そして、もっと資格や趣味など自分が学習することのできる施設が公、民を問わずに多くつくられ仕事をしながらも学習できる環境がもっと増えることが大切だとかんじました。
(3回 Y.F.)
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どのような本を読んでも主張している事柄を納得してしまうので、今回もなるほどという感じで読んでいた。研修方式offjtと実務訓練方式ojtについて、現代社会でoffjtが強調されすぎていることなど今まで知るわけもなく、そのような事実自体驚いた。ただ、著者が述べている「offjtよりもojtを」ということは必ずしもそう言えないのではなかろうかと思う。Ojtを基本としoffjtを用いるということを今までしてきていないからである。そのようなことがあったとしても、その数が少なく有効な数字としていいかどうかわからないはずである。しかし著者の意見を全て否定するつもりはない。Offjtについてアメリカでは中堅職以降にもoffjtを設けていることや、社内技能検定制度を活用することは、確かに日本も見習うべきであると感じる。中堅職のスキルアップをするため、会社全体の能率向上のためには、必ずしも必要であろう。
(3回 T.M.)
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もし私が明日から企業に就職して働く事になれば、いままで学んできた事は生かされるのだろうか?と思わずにはいられなかった。いやしかし専門学校をでてそのままその道に進んでも学ばなければならない事は山のようにあるだろう。語学テストなどで高い点数を取れる人はより即戦力になる可能性はあるが現場で学ぶ事はきっと多いだろう。
以前アルバイトをしていたスーパーで、社員の人が研修でアメリカのウォルマートに行くのだと言っていたし大阪に研修センターがあるのだと言っていたが、本当に仕事に繋がる事を学んでいたのは休憩室で店長に指導されていた時のはずだ。新人の社員の人が店に入ったばかりの頃はベテランのパートスタッフの人の方が仕事を熟知していた。
その店は何年か前、店の売上は良くなかったが、店長が変わり、店が変わったらしい。その店長のもとで鍛えられた社員の人たちは次々に他の売上の良くない店へ引き抜かれたり、本部に引き抜かれたりしていった。店長は温度と天気で客の入りと何が売れるかを予想できるのだと言っていた。知的熟練を高めていった結果であろう。
今思えばあの店で行なわれていたのがまさにOJTだったのだろうと思う。そして時々OffJTを行なう事で実務経験が整理され体系化されていったのだろう。
(3回 S.K.)
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企業で行われる研修は、これから就職して必ず通る道である。今はまだその実感はなく、OJT・offJTについては自分とは関係ないことのようである。しかしよく考えてみると学生の間に経験するアルバイトなどでも、OJT・offJTを行っている。以前していたホテルでのアルバイトは、時給のもらえる研修が沢山あり専門技術を磨かなくてはならなかった。お金をもらって学ぶということで、仕事ではそれだけの働きを期待され実行しなくてはならなかった。アルバイトを通じて「お金をもらって働く」ということはアルバイトでも正社員でも関係なく責任が伴い、プロとしての仕事を要求されることだとわかった。今は新卒採用者の離職率が非常に高い。研修だけ受けて、退職してしまったら研修にかけたコストの元がとれない。いかにコストをかけずに即戦力となる人材を形成するか、企業の裁量にかかってくると思う。
(3回 S.S.)
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企業では、時間をかけ人材育成というものを行っている。しかし、今は即戦力となる人材が最も必要とされているのではないかと思う。企業での人材育成というものも必要とされると思うが、それよりも、個人個人が能力を高めるように学んでいかなければ、ならないと思う。現代社会は、日々進歩している。自分が怠ればすぐに時代遅れの者になってしまう。企業で働くということは、時代の流れをよく自分で認識する必要があると思う。
あと、一つのことが特別よくできるという能力も必要だと思うが、全体的にどのような仕事でもこなせるような人の方が、企業としては必要とされ、そしてそのような人材を育成しているように思える。機械化が進む中で、機械ができないような仕事をこなす人材が必要とされるのは確かであろう。
(3回 F.S.)
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現在の競争時代では企業は即戦力を求めがちで、新入社員を長期に渡り指導していこうという姿勢が少なくなったような気がする。
しかし、リストラや倒産など相次ぐ今日、悠長に長期での人材形成などとはいえなくなっている時代となっているのも現実であると思う。時代の移り変わるなか、いかに自分から仕事(社会)というものに対して積極的に働きかけなければ何も始まらないのではないだろうか。
人任せにするのではなく自分で道を切り開く時代になっているのかもしれない。
社会人となって働くというものはいくら頭ではわかっていても現実に働いてみないとわからないことのほうが多いと思う。
だからといって就職すればなんとかなるではなく今の学生時代の内に多くのことを経験、勉強しどんな状況にも柔軟に対応できる自分を作る努力が大事ではないかと思った。
(3回 K.W.)
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本書のはじめに、日本の職場での人材開発の現状と、その形成の史的過程を明らかにしようとする。人材形成の手法を直接語る本ではない。と筆者は述べているが。中小機械工場の例を取ったり、ホワイトカラー職場の例をあげたり、実際の手法を語っている例が多く見られた。それは、これまでされてきた、実際の真の職場の状況を含まない議論は、実際に効果的なハウツウとはいえない。と筆者自身も述べていた事の現われと感じた。
時代の変化に伴い生じてくる、企業体制の変化は、時代が変わったとはいえ、今までの体制を崩していくのではなく、新たに、必要だと感じるOffJTに、いままでのOJTを補っていくことで、企業の技量を高めることは、新しいことをすべて受け入れて、古いものは古いもので切り捨てるということではなく、両方が生かせるという点で、これから職場に入る人も、今現状にいる人もよりよく受け入れられるのではないかと思う。
(3回 K.H.)
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正直に言うと、大変読み辛く、まだ就職の経験がないので「人材形成」と言われてもピンとこなかった。専門用語が次々と出てきたのでインターネットで調べずにはいられなかった。すると、ビジネスの世界では、私にとって初めて聞いた言葉はよく使われており、人材形成についての専門学校や診断テストまであったので驚いた。
今、アルバイトをしているが、単に雇われの身だと深く考えずに働いているので、本書のノウハウを理解するのが難しかった。しかし、企業が発展できるか否かは「部下の出来による」というのを耳にしたことがある。部下の出来は上司の指導がかなり影響されるからだ。それはアルバイトでもいえることで、上の者がみんなから信頼され慕われていれば、下(社員やパートやアルバイト)は絶対についていくし裏切らないと思う。人を育てていくことは、想像以上に大事なことだと再確認した。
(3回 P.P.)
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改めて“ただ単に働くだけじゃ、ダメなんだな”と思った。いままでは「働く=与えられた仕事をこなす」と簡単に考えていた。しかし、実際はそのことに加え、現場で起こる問題に対応したり、世の中の需要に答えたりといったように自分のことはもちろん、職場のこと、世の中のことまで考えて働かなくてはいけないと感じた。それは当たり前のことだと思うが、なかなか実感できない。また、自分にはそれだけの能力を身につける事が出来るか不安になった。
まだ実際に働いてないので、初めて目にする言葉がたくさんあって、難しい本だったが、これから自分のこととして考えなくてはいけない事だし、就職が難しいこの時期だからこそ読んで良かったと思う一冊になった。
(3回 E.Y.)
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この本を読んで私が印象に残ったことは、技能向上の機会を多くするために、職能にかかわる短いコース、たとえばビジネススクールの活用などであるが、それを、中年以降に学ぶことが重要となるのであるが、この本が出版された1997年と現在の日本の状態はかなり雇用形態や企業の意識などは大きく変わっていると思われる。現在の日本の中年以降の現状は生やさしいものではない。今後の課題としてコンピューター化が進めば起こる問題はその性質、処理方法は一段と変化し多様化する。最近のみずほ銀行問題などはそれにあたるといえるのである。知的熟練の持ち主を増やし技量レベルを高める事はこれからの重要な課題と思われるのである。
(3回 H.N.)
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今飲食店でバイトをしている。バイト経験にあてはめて読んでいくとわかりやすかった。今のバイトはオープニングスタッフとして入ったので、お客さんなしでシミュレーションをする研修期間があった。今思えば、その期間がOffJTであった。起こりそうな事態を想定していろいろ学んだが、いざオープンすると、予想していなかったことが起こった。そのトラブルの中で学ぶ対処方法がOJTである。私はあれこれ予想して考えるOffJTより、実際にトラブルを経験して学ぶOJTの方が役に立つと思う。OffJTはどうしても机の上の理論になってしまう。しかし、最近は仕事にしてもバイトにしても、長続きしないひとが多い。知的熟練形成に欠かせない長期雇用が難しい。仕事を習っている途中でやめてしまうこともある。指導方法がより一層重要になってくるであろう。
(3回 Y.A.)
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この本を読んで思ったことは、与えられた仕事をただやっていてはダメだという事です。自分は今飲食業のアルバイトをしていますが、何かわからないことがあったり問題がおきると社員さんに言いに行ったり、ひどければ知らないふりをしています。自分はアルバイトだからいくら頑張っても、頑張らなくても時給が変ったりはしません。だから別にただお金が欲しいだけだったら決められた時間さえ働けばそれでいいわけですが、もしこれから自分がどこかに就職する時に、その企業に求められている人材なるため、またなりやすい人材になるために、今後は社員さんがどう問題処理をしているか。またどのようにおきゃくさまにせっしているのかを観察したりしながら、もし少しでも機会があれば、自分でその問題を処理してみたいと思いました。OJTやOffJTまではいかないとしても、それに近い経験が出来るかもしれないからです。
(3回 J.F.)
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この本を読んで、日本企業の人材形成の姿が、少しだが垣間見ることができたと思う。企業にとって、ブルーカラーもホワイトカラーもなくてはならない存在であり、これを育てるためのoffjtすなわち研修コースが、必然的となる。そして、日本に深く根ずいた年功序列というシステムも、ローテーションシステムを使うことで改善しつつある。
このような、複雑なシステムが入り組んだところに、これから自分達が向かうことを考えると不安を覚えた。早く問題と変化に対応できるノウハウを身につけ、そして確実に仕事をこなせる人材になれるよう努力していきたい。世間は厳しいというが、まさにそれが、目の前まで来ている事を目の当たりした気がした。
(3回 S.N.)
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