天理大学 生涯教育専攻 課題図書
堀尾 輝久 『現代社会と教育』
岩波新書(赤521) / 1997年 / 248頁 / \780 / ISBN:4004305217
●ほりお・てるひさ●
1933年福岡県生まれ。1955年東京大学法学部卒。中央大学教授、東京大学名誉教授。教育学・教育思想史専攻。
著書:『教育入門』(岩波新書)『現代教育の思想と構造』『人権としての教育』(岩波同時代ライブラリー)『子どもの権利とはなにか − 人権思想の発展のために』(岩波ブックレット)ほか。
序章 過去を心に刻み未来への希望を紡ぐ―戦後50年を振り返って
第1章 現代企業社会と学校・家族・地域
第2章 現代社会と教育―「能力主義」の問題性
第3章 学校の現在と学校論
第4章 ゆらぐ学校信仰と再生への模索
終章 教育改革を考える
学生の感想文(1)
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このごろ公園や空き地、路地裏、川や池などで遊んでいる子どもたちの姿、本当に見る機会が減ったように思えてならない。これには、開発・区画整理等により遊び場が減り、室内で安易にできるテレビゲームやビデオ視聴などへの遊びが増え、事故・犯罪等の社会問題への恐怖、乳幼児期の早期教育など、様々な要素が複雑に絡み合っている。時代的な変化は子どもを取り巻く環境も当然変化させていると思う。
私が思うには、この変化は子どもの学びの質までも変化させているのではないだろうか。乳幼児期はからだを通して「生き方」を学ぶことが大切である。だが、からだを通して学ぶ機会が環境に保障されなければ、子どもたちは、学ぶ機会を奪われているばかりか、極めて間接的な体験だけで学んだ気になり、役に立たない知識ばかりを詰め込んでいることに他ならないと思う。子どもの周囲には、これからの社会を生き抜くための自分自身を創っていくことのできる環境がきっちりと保障されているとは言い難いのが実状ではないか。
21世紀を担う子どもたちが、どんな時代を過ごせば、激動の世紀を主体的に乗り切る人間となりうるのかという視点から、現在の子どもを取り巻く環境を見直す時が来ている。
(1回 S.I.)
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