天理大学 生涯教育専攻 課題図書

清水 幾太郎 『論文の書き方』

岩波新書(青341) / 1959年 / 214頁 / \700 / ISBN:4004150922



●しみず・いくたろう●
1907-1988年。1931年東京大学文学部社会学科卒業。社会学専攻。
著書:『社会学講義』『社会心理学』『現代思想 上・下』(以上、岩波全書)、『倫理学ノート』ほか。


1 短文から始めよう
2 誰かの真似をしよう
3 「が」を警戒しよう
4 日本語を外国語として取扱おう
5 「あるがままに」書くことはやめよう
6 裸一貫で攻めて行こう
7 経験と抽象との間を往復しよう
8 新しい時代に文章を生かそう

学生の感想文(3)

 文章を書くという上で、我々が気をつけるべき点はどこだろうと考えた時、果たしてその答えを求めるには、何を参考にすべきだろうか。本書は題名の通り文章の書き方を述べた本である。しかし、これはいわゆるハウ・トゥー本とはまた意味が異なるのである。私もこの本を手に取った理由は、単純に文章を上手く書きたいといった理由であった。しかし、本書を読むにつれ、著者の長年に渡る経験や反省をもとに、文章を書くことの難しさというものを前提に、文章のその歴史における全く新しい段階について述べている。また、著者の文章に対する考えや本質をもとに、昔と今の人々に対して、その本質の違いの有無、また古くから文章の掟とされているといったものに、著者なりの流儀で言い換えて著者からのメッセージとして書かれている。
 文章を書くといった行為は容易ではない。しかし、本書を読み終えたとき、文章を書く上での考えを自分流に見出すかもしれない。
(1回 T.N.)

 本書は約三十年間ものあいだ文章を書いて暮らしてきた著者が過去を振り返り文章に対するさまざまな経験と反省を語り、ひとつの論文の書き方を導き出している一冊である。本書は1957年に初版発行された物であるのでかなり時代差を感じると思って読んでいた。そして私は世間一般的に論文というような長い文章を書いたことはないので理解しがたい箇所が少なからず多々あった。しかし、高校時代に少ないながら小論文の勉強をしていたこともあったので読みながら「言われてみれば」というような部分も少しあった。このように学術論文も理解できれば読むことが少し楽しくなるのだと思えた。また文章とはこれからの学生生活において必ず必要となる能力であろう。この二点を考えた時、一回生にどのような経過であれこの本に出会えたことは良かったと思う。もっと本書の内容についての理解を深められるようにしてゆくゆくは全文を楽しめるように努力したい。
(1回 T.N.)

 この本を読んで、私は現代の文章の使われ方について、改めて考え直さなければならないのではないかと思った。
「一般に、世間で好まれている言葉は、気が利いたように、しゃれたように、スマートなように見える。しかし警戒すべきである。もっと平凡な、要素的な言葉を、しかし、鋭く使おう。一つ一つの言葉をピカピカさせたり、それでビックリさせようとしたりするのはいけない。」と筆者は言う。私は、新聞や雑誌を思い出す。新聞や雑誌には、読者の読みたいという心理を起こさせるために、こういった一つ一つの言葉でビックリさせようとしたりしているのがすごく見える。私達は、このような文章に馴れている。
話し言葉と書き言葉の区別も、できにくくなっているとも思う。それは、現代の特に若者は、友達への手紙やメールの中での文章作成は、話し言葉でやりとりするのが普通である。文章の作成をする機会は多いのだが、文章能力の向上には役立たない。むしろ、妨げているとも思う。
(3回 K.T.)