天理大学 生涯教育専攻 課題図書
谷岡 一郎 『「社会調査」のウソ ― リサーチ・リテラシーのすすめ ―』
文春新書(110) / 2000年 / 222頁 / \690 / ISBN:4166601105
●たにおか・いちろう●
1956年、大阪生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、南カリフォルニア大学行政管理学修士課程、社会学部博士課程修了(Ph.D.)。現在、大阪商業大学教授、学長。専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査論。
著書:『ギャンブルフィーヴァー』(中公新書)、『ツキの法則』『ラスヴェガス物語』(PHP新書)など。
序章 豊かさ指標はなぜ失敗したか
第1章 「社会調査」はゴミがいっぱい
第2章 調査とマスコミ―ずさんなデータが記事になる理由
第3章 研究者と調査
第4章 さまざまな「バイアス(偏向)」
第5章 リサーチ・リテラシーのすすめ
学生の感想文(3)
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私は今まで、「社会調査」について深く考えたことはなかった。テレビで見かけるインタビューなどくらいしか見ることもなかったし、特に意味のない質問でも、それはそれでおもしろいと思っていた。しかし、ここで「社会調査」はゴミだと言っているのを読んでそうかもしれないと思った。その調査の結果が何かの役に立つことがあれば、役に立たないものがあるのも事実だと思う。それに、例えば五十人いる中でアンケートと取ったとして二十五人しか返答がなく、その二十五人全員が同じ意見だとする。そうすれば、二十五人しか答えていないのにも関わらず五十人の意見となってしまうだろう。これってすごい理不尽な話だと思う。そういう面からすれば私も「社会調査」はあまり良いものだとは思わない。でも、良いにしろ悪いにしろ、それで人々が楽しめるなら「社会調査」良いものだと思う。
(1回H.M.)
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現代は情報社会と呼ばれるだけあって、様々な情報や調査があふれている。その中の過半数がウソでありゴミであることに驚いた。私は今までいろんな情報を鵜呑みにしてきたので、簡単に騙されていたことになり、そのゴミに踊らされていた事に嫌気を感じた。
そんな情報を減らせればいいが、ここまであふれている情報を減らすことは容易ではないので、情報を簡単にそのまま受け入れるのではなく、一歩引いて冷静に考えて見れば、明らかに矛盾している箇所が2〜3箇所出てくるので、そうやって間違った情報は捨てていかなければ情報社会を行きぬいていけない様な気がして、筆者の言うリサーチリテラシーの必要性はかなりある様に改めて思った。この本を読んで、少しぐらいはリサーチリテラシー能力が身に付いた様に思える。
(2回 H.K.)
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本書を読んで、ちょっとした人間不信になったが、同時に社会の見方も変わった。今のメディアで流されている情報や調査はウソが多いとは聞いていたが、その過半数がウソ・ごみであることに驚いた。今の社会は学者・官公庁がマスコミを通じて社会調査というゴミを出していることになる。そして、私はそれを事実だと思い込み周りの人に広げている。自分がゴミを撒き散らかすことに協力していたのだと、絶望感でいっぱいになる。また、本書で提示されている実例に対しての問題点がほとんど指摘できず、自分のリサーチリテラシーの無さを痛感させられた。
筆者がゴミとして社会調査を紹介しているのを参考に、正確な情報を判断する目と見つけ出す力、方法論を身に付けていこうと思った。リサーチリテラシーをもっと働かせて読もうと、あらためて感じた。
(2回 Y.I.)
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