天理大学 生涯教育専攻 課題図書

恒吉 僚子『人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム 』

中公新書(1065) / 1992年 / 177頁 / \660 / ISBN:4121010655



●つねよし・りょうこ●

著書:


第1章 リサの疑問
第2章 かくれたカリキュラム
第3章 集団の中の個人
第4章 小さな選民たち
第5章 キング先生の闘い
第6章 内なるアメリカ、内なる日本

学生の感想文(2)

 読者が実際に経験した出来事を例としてあげているので、読んでいて面白かった。私はこの本を『家族関係を考える』を読んだ後に読んでみて、河合隼雄さんとはまた別の視点から物事をとらえている事に気付き、知識が深まった。
 「日米の価値観がしばしば食い違うために、自国の事を互いに説明するのは難しい。」という一文が印象的だった。確かにその通りだと思った。価値観はそれぞれの国の長い歴史の中で築きあげてきたものであると思うから、変える事は出来ないだろう。また、変える必要などない。
 この本から、私はたくさんの知識を得た。今まで考えていたトコロより、もう少し広い範囲から物事を考える事ができるようになった。
 今回は日本とアメリカの比較だったが、次はアメリカ以外の国の日本との比較を書いた本があれば、読みたいと思った。
(1回 Y.Y.)

 私は、本書を読み、なぜ今の日本は、人の気持ちを考えない人が増えたのか疑問に思う。日本は、人の気持ちを考えて行動するように教育されているのにそれにかかわらず、人に無関心になりすぎている。これは、矛盾を感じる。しかし、本書に書かれているように、今も感情移入のしつけがされているのだと思うが、今の人々は多様化し、中々感情移入しにくくなっているなだと思う。何か対処していったほうがいいと思う。
 また、よく日本人は、自分達の日本のことを否定したりすると本書に書かれているが私もそう思う。しかし、私は日本がほかの国より劣っていると思えない。確かにおかしい事はあるが、決して私は日本を否定しない。否定したら自分達を否定しているのだから…。もう少し日本人であることを誇りに思う人々が増えてほしい。しかし、決してほかの国を下とか上とか考えてはいけないと思う。他国のことも認めなければならない。
(1回 Y.N.)