天理大学 生涯教育専攻 課題図書

吉田 裕『日本の軍隊―兵士たちの近代史』

岩波新書(赤) / 2002年 / 228頁 / \740 / ISBN:400430816X



●よしだ・ゆたか●
1954年埼玉県に生まれる。1977年東京教育大学文学部卒業。専攻は日本近現代史。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授
著書:


序章 分析の視角
第1章 近代社会の形成と軍隊(時間・身体・言語;軍隊と「文明開化」 ほか)
第2章 軍隊の民衆的基盤(「人生儀礼」としての兵役;軍隊の持つ平等性 ほか)
第3章 総力戦の時代へ(軍部の成立;軍改革への着手 ほか)
第4章 十五年戦争と兵士(国軍から皇軍へ;大量動員とその矛盾)

学生の感想文(2)


軍隊への徴兵を嫌がる、戦争を嫌うなど一般的な考えにたいして、それらが支持された背景について考えをのべている点は非常に興味深い。軍隊がまったく支持されていなかったと断言するのは困難であるからだ。もし将来が保証される、教養ある人物なるなどの条件(これらが真実かはさだかではなが)あるとすれば人々は入隊するだろうか。ここで一つの例をあげてみると、今の自衛隊イラク派遣に際し、イラクに行くのが、将来の昇進に関わるからいくと言う人も多いという。しかし、正直行きたくないと思っている人も多い。これは軍隊に入ってからの昇進の問題なので、戦前の軍隊とは少し異なるが今も先のことを考えた人々の支持については変わらない。そこで自分がもし自衛隊に入隊していたら行くかどうか考えた。おそらくいくだろう。自ら入隊したのだから死ぬ覚悟でいて当然だということだ。だがもし入隊するかと言われればこの本にあるプラス面を考慮しても日本という国である程度恵まれた環境にいるうちは、その必要もないので、入ることはないだろう。このように自分に置き換えて考えてみると支持者は金銭面など生活に恵まれていなかった者の意見のように思えた。
(2回 S.T.)

 私は徴兵されて行く人は全員嫌々行っているものだと思った。きつい訓練があるし、戦争に行くということは生命の保証もない。ほとんどの人が嫌で、徴兵をのがれるために神仏祈願をし、自分の体いためて、どうにか逃れようとする人の気持ちのほうがわかると思う。
 でもそんな中で、貧しい村で育った人たちの、農村の過酷な労働実態、「<いりつけるような蝉の声を聞きながら、田畑にでるでしょう。水田がお湯のように熱くなっている。><朝は暗い中から、夕は星を見るまでせっせと働くお前の姿が目に浮かぶ。>のような生活を送っていたので、軍隊における訓練や演習は気楽なもんです。」という文には驚いた。軍隊に入るより農村の暮らしのほうがつらいということは、今の私の生活からは考えられない。 私は、つくづく平和な時代に生まれてよかったと思った。安心して暮らせることができることが幸せだ。
(2回 K.O.)