天理大学 生涯教育専攻 課題図書

若桑 みどり 『お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』

ちくま新書415 / 2003年 / 206頁 / \714 / ISBN:4480061150



●わかくわ・みどり●
1935年東京生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科専攻科修了。1962‐64年、イタリア政府給費留学生としてローマに留学。現在、川村学園女子大学人間文化学部教授。千葉大学名誉教授。「イメージ・アンド・ジェンダー研究会」の創立メンバー。80年サントリー学芸賞、84年芸術選奨文部大臣賞、96年イタリア共和国カヴァリエーレ賞、受賞

著書:『絵画を読む―イコノロジー入門』(NHKブックス)、『イメージを読む―美術史入門』(ちくま学芸文庫)、『戦争がつくる女性像』ちくま学芸文庫、ほか多数。


内容(「BOOK」データベースより)
コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。
第1章 女子大でどうジェンダー学を教えるか
第2章 プリンセス・ストーリーとジェンダー
第3章 「白雪姫」を読む
第4章 「シンデレラ」を読む
第5章 「眠り姫」を読む
第6章 「エバー・アフター」(それからずっと)

学生の感想文(1)

 「ジェンダー」について、大学に入ってからその言葉をよく聞くようになった。文化的、社会的性差。最初に聞いたときはさっぱりでわかりづらかった。何よりイメージしにくい。その上で、ジェンダーを理解するため、この本はとても面白く読みやすかった。ディズニーの話をもとに、ジェンダーいついて学べるからいい本だなぁと思った。美しい白雪姫を殺そうとする継母だが、白雪姫がブスだったらどうしていたのか。おもしろい!!と同時に、よく考えてみると、ディズニーのお姫様は全員美しく綺麗である。「これが美しい」という基準なのか。外見が美しければそれだけですべて美しいのか。以前は何も考えずに、ただ単にお姫様のサクセスストーリーを見るだけだったが、女性はこうである、あるいは、こうでなければ美しくないという考え方と、それについての説明や意見によってジェンダーをより深く考えることができた。最近では女性がどんどん力をつけているように思う。ジェンダーにとらわれず、男性が、たとえば家事や育児をする、女性はそれぞれの仕事でもっと働くことができる社会を創るべきであると強く思う。真の平等、「男と女」の平等の社会のために、これからもジェンダーを深く知っていこうと思う。
(1回 S.K.)