天理大学 生涯教育専攻 課題図書

山本 思外里 『大人たちの学校 ― 生涯学習を愉しむ ―』

中公新書(1602) / 2001年 / 180頁 / \660 / ISBN:4121016025



●やまもと・しげり●
1929年満州撫順市生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。読売新聞社に入社し、社会部長、婦人部長、読売文化センター委員会事務局長などを歴任。1980年に株式会社読売文化センターの設立に参画し、その後、株式会社読売・日本テレビ文化センター専務、社長を経て、1997〜2001年同社特別顧問。1989年の全国民間カルチャーセンター事業協議会結成以来、代表幹事をつとめ、2001年より同協議会顧問。
著書:『生涯学習プログラムの開発』(共著、ぎょうせい)、『カルチャー講座の企画編成と経営』(共著、全国民間カルチャーセンター事業協議会)ほか。


第1章 学習を愉しむ
第2章 何を学ぶのか
第3章 「習う」から「教える」へ
第4章 カルチャーセンターと生涯学習行政
第5章 新しい教養人の誕生

学生の感想文(6)

私は、この本を読むまでカルチャーセンターにあまり関心をもっていませんでした。しかし、今のカルチャーセンターはいろんな分野の講座が組まれていて、若者から年寄りの人まで幅広く学習されていることを初めて知りました。生徒の中でも特に専業主婦がほとんどの割合をしめていました。それは、やはり日常繰り返される平凡な生活の中で、生きがいを見つけ出したい。どうしたら、お金をかけずに普通のやり方で生活を楽しみ、より幸福になれるのか。カルチャーセンターに来る人の大半は、そういう思いを秘めた人たちであると思います。やはり、専業主婦にはその考えが強いのではないでしょうか。それに学習プログラムの中から自分のやりたいものを選び出し、講座を受けることができます。私は、こういう機会が出てきたことで、学習能力や意欲などが養われると思います。今の日本人は学習能力が低いので、こういう場で自分の伸ばせる部分はどんどん伸ばしていってほしいです。
(1回 K.Y.)

 私が思うにどのような大人も自分なりに楽しいと心から思える趣味をもつ、あるいは作ったらいいのではないかと思う。なにかをはじめれば、仲間と出かけるということが増え、生涯学習を楽しむことができると思う。熱中すればするほど時間はあっという間に過ぎてしまい、また仲間とお互いにほめあうことによってますますその趣味が楽しくなってくるのではないだろうか。これまで全く気に留めなかったことも自然と心が動かされるであろう。
 自分のことについて言えば料理がそうだ。親が作るものとは全く違う味のものができたり、自分の好みで独自の味を出したりしていくことに楽しさを感じている。部活をしていてしんどいと思うこともあるがこの一人暮らしを始めて見つけた趣味によって毎日を楽しく送っている。趣味を見つけていない人も見つけてみたらいいと思う。
(1回 T.F.)

大人たちの学校を読んで思ったことが2つある。まずは、無駄な時間を過ごさず、常に学ぶ姿勢が大切だということ。次に、教える側も教えてもらう側も互いに学ぶということである。大人になれば子供と違い、学ぶ機会が少なくなる。そこで、自分から学びたいという気持ちを持って、カルチャーセンターに通うことはすごい事だと思う。強制されてやってもおもしろくないし、上達もしない。意欲を持ってやることで自分が生きていくうえで為になると思う。また、僕は小学生にバスケットを教えているが、どうしたらちゃんとしてくれるのだろう、どうしたら上手く伝わるのだろう、と考えさせられる。このように互いに学び、向上心を持つことが人間が生きていく中で、1番大切なことだと思う。この本でカルチャーセンターを通して、よりよく生きていくために何をすればいいのか、何が必要なのか、わからせてくれた。本当にありがとう。
(1回 T.Y.)

大人たちの学習の場であるカルチャーセンターが転機を迎え、お茶・お花の教室などの伝統的なお稽古事が危うくなってきているのを知り、残念だと思った。伝統的なお稽古事はこれからも続けていくべきであり、今日の日本社会に良い影響を与えると思う。しかし、続けていくべきであると言っても、難しいことであるとも思う。カルチャーセンターに通うのはほぼ女性である。しかも、女性の中でも専業主婦が多い。専業主婦はカルチャーセンターに通える時間帯が空いており、時間の使い方を上手に使っているなと思った。私たち若者は自ら学習をしたがる人は少ないと思う。しかし、大人は「何によらず進歩、上達することは楽しい。他から認められれば尚のこと。」と感じ学習したがるのだ。私も、上達することは楽しいし、他からも認められることはうれしい事だ。この気持ちを常に持ち続け、色んなことに挑戦していこうと思った。
(1回 M.M.)

 私は、カルチャーセンターに通うことはとても良いことだと思います。将来、私がもし通うとしたら、年をとって仕事をやめてからだと思います。私は退職してからもいろんなことを学びたいし、社交仲間を増やし、生き甲斐を見つけたいからです。できれば、ずっと健康でいたいし、スポーツを続けれたらいいなと思います。昔に比べ、最近は、お茶やお花が衰退してきていますが、お茶やお花は日本の文化の象徴であるのだから、衰退しないで欲しいです。カルチャースクールは学校とは違い、生徒が主で先生が従です。それに受講する人はみな自分が学びたくて学ぶのだから、サボる人もいないしとても自由なところです。私もそうゆうのにとても憧れました。教える立場というのもとても自分を成長させてくれるし、いいなと思いました。やはり人生を楽しむには、何歳になっても夢中になれることを探し、常に学び続けることが大事だと思いました。
(1回 S.Y.)

日本人の生活の中で、カルチャーセンターを利用し、何かを学習する。何かを学習することで、自分が今まで知らなかった物事などが新たに発見出来るかも知れない。ただ普通に生活し、日常を繰り返すだけでは、慣れてしまった生活に楽しみがない。何か一つでも自分が余裕を持って学習が出来ることがあれば、平凡な生活に楽しみや達成感をあじわえると思う。カルチャーセンターという場では、同じような感覚や趣味を持った人々が集まる。新たな環境で、共通の目的を持てば、お互いを仲間となり、一つの集団の輪をつくるになる。そして、技能も上達していき、今まで趣味であったのを自分の生き甲斐へと発展していくと思う。
 人は一生涯通じて、多くのことを学習し知識や経験を身につけ、人生で生かすことで、生きているトイウそのものに価値観をもてる。学習こそ、人間をつくるために必要なことであると思う。
(1回 S.N.)