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「卒業を前に」
生涯教育専攻 4回生  山岡 久美子

   
 今回このような場に、執筆させていただくことができ、うれしく思います。
 思えば、大学に入学してからもうすぐ4年になる。月日が流れるのは早いものだと年寄りみたいなことを考えている。しかしそれも、この4年間がとても充実していたからだろう。
 大学に入学するまでは、すべて受身的だった。何をするにもやる気がなかった。また初対面の人と話をするのがとても苦手で、自分から声をかけることができなかった。大学に入って、みんな私のことを知らない人ばかりなので、新しい自分を出そうと思い、放送研究部に入った。このクラブに入ったことがとても大きく影響していると思う。たくさんの人と出会えたし、その人たち一人一人の考え方が違い、やり方があるのだということがわかった。また、大学祭やイベントを成功させたことも自身につながっていると思う。
 今回の論文は、今までの学校生活について疑問に思っていたこと「学校に行っていてよかったのか」ということを書いている。今から考えると、まさかこんな結果になるとは思わなかった。こんな結果というのは、高校までの楽しくなかったことにも意味があり、そして気持ちを一区切りすることができたことだ。始めはただ単に学校の制度を変えたら、不登校等がなくなるのではないかと思っていた。それが中間発表の時に実際のフリースクールを訪れてみてはどうかというアドバイスがあり、4つのフリースクールを訪れた。このフリースクールを訪れてから、私の気持ちは大きく変化した。ただ学校に行っていたけれど、フリースクールにもし自分が行っていたら、もっとよい人生だったかもしれない。行ったことのない所を「隣の芝生は青い」みたいに、理想化していたのだ。それが実際にフリースクールを訪れてみてわかった。行くまでずったモヤモヤしていたもの(なぜフリースクールというテーマを選んだのか、自分でもよくわからなかった)がわかり、その後は一気に考えがまとまった。しかし、卒業論文発表会でも述べたが、第4章 おわりに、がなかなかうまくいかなかった。それは、ずっと学校のことに対してはよい印象を持っていなかったし、好きではなかった学校のことをいきなり肯定するような感じがしたからだ。また、最終的に『フリースクールは、現在の学校の代わりにならなくても、学校が居場所ではない人たちの「いどころ」となるのではないだろうか』と結んだ。提出した後も、この結論でよかったのか不安だった。しかし、自分の中で納得して出した答えなのでいいじゃないかと自問自答した。
 井戸先生が、4年間でとても成長する人がいると1回生の時におっしゃていた。私はその時、ふーんそんな人もいるのだと人事のように思っていた。それがこの間、井戸先生が私に「4年間で一番成長したな」とおっしゃった。まさか私がこんなふうに言われるとは、4年前では考えられないことだ。それも何事も前向きに挑戦したからだと思う。そのように行動できたのも、みんながいてくれたからだと思う。あたたかい人たちばかりで、私の心が開きやすい状態だったからだろう。
 この生涯教育専攻の雰囲気が明るく、1回生から4回生まで交流できる研究室、専攻合宿、そしてフレンドリーな先生方と恵まれた環境にいたんだと改めて感じる。あの研究室は、時間をつぶしに、お昼を食べにといろいろ活用した。その中でも、1回生の時は先輩たちと話をすることができたし、また反対に2,3,4回生の時は後輩たちと仲良くできた。幅広い年齢の人と話ができ、様々な考え方があるのだと思った。この研究室がいつまでも開放し、明るい研究室であるために、大事に使ってほしい。
 専攻合宿はとても思い出に残っていることのひとつだ。2回生のとき、当日大雨で中止となった。3回生のときは、私事だがクラブで大きなイベントと重なっていたためにあまり手伝えなかったが、たくさんの人をまとめるのは難しいなと思った。企画する学年は大変だが、意外な人の活躍などが見ることができた。疲れたがとても楽しかった。この合宿もずっと先でも続いてほしい。
 最後に先生方、この私をあたたかく見守っていただいた。大串先生には、学部長でもあって忙しい中、卒論担当でない私にも声をかけてもらったことをうれしく思います。ビンゴゲームでもらった石上神宮のウサギの置物、大事にします。井戸先生は、私がとても悩んでいる時にタイミングよく研究室に顔を出される気がする。そして話をすると一気に悩みが解消されたことが何回もあったことを思い出します。先に書いた「成長した」という言葉は、とてもうれしかったです。岡田先生、何回か私らと食事をしましたね。こんなにも気さくな先生だったと気づくのが遅かったように思います。そこが私は残念でなりません。石飛先生は、卒業論文担当ということで、大変お世話になりました。一番初めに私たちと出会ったときの印象とずいぶん変わられたと思います。これからも生徒に一番近い先生でいて下さい。
 そして、いろいろあったけどその都度一緒に考えてくれた友人たち、あなたたちに出会えたから卒業論文が書けたと思います。本当にみなさん4年間どうもありがとうございました。
 これからもどうぞよろしくお願いします。