- 莢やかな夏の朝 -

 季節の便り 第3841号 2025年7月2日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。


今は夏至(げし)の季節です。7月1日は半夏生の日でした。辞書では次のように解説しています。この頃、梅雨が明け、田にカラスビャクシン(半夏)が生えるのを目安に田植えが終わるころとされていた。いつまでも 明るき野山 半夏生 草間時彦 1920-2003

話は我が家のことに変わります。家はメゾネット方式の建屋で1棟に8家族が住んでいます。そのベランダの防水塗装と壁の上塗り塗装の工事が3ケ月前の、4月上旬から始まりました。鉄パイプの足場が組まれ、黒い防護網が張られました。その間、部屋は薄暗くて洗濯物を干すことがままなりませんでした。その網と足場の南半分が30日に撤去されました。左はその日の解体前の1番高い場所の足場です。

夏になると毎日南寄りの風が吹き蒸し暑くなります。6月の横浜の天気を見ると涼しい北風が吹いたのは6月3日と12日の2日だけでした。それ以外はすべて南寄りの風が吹き、30℃をこす真夏日は16日から始まり中1日を除いて14日間連続しました。昨年の6月の最高最低の平均気温は2℃ほど高かった。ところが今年は未だ蝉の声を聞かない。例年だと25日ころからニイニイゼミが鳴き始めるのに不思議です。

上は真夏日の始まる日の夜明け時の北東の空です。一本の白い筋雲が東の空から西の空に伸びていました。飛行機雲のようですが、雲の濃いさと幅から見るとそうだと言い切れませんでした。

昔中国に、3人の英雄たちに導かれ、互いに権を争った戦国時代(220-263)がありました。その戦国時代を制したのが魏の曹操で、晋の国を創りました。どの政権も同じで何時までも安定して続くものではありません。晋が終わり、紀元620年ころから北晋と南晋に分かれた南北朝が始まります。その時代に陶淵明(別名陶潜)が生まれ、多くの隠遁生活の楽しさを詠った詩を残しました。その中の1つに和郭主簿があります。何を意味しているのか無いようにそぐわない題名で漢文学者も近代名で紹介せず、略して取り上げていません。意味が分かっても無いように合わない題名です。強いて付ければ隠遁生活となるでしょう

下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。

鵜の小さい群れ 2025/06/28 04:44 富岡船溜まり池
鳥たちは薄暗い時から活動を始めています。体を動かせなければ死にます。それは福祉の無い、昔の我々人間の世界にも言えました。この朝、5羽のウが飛んできました、池の上空で反転して帰りました。珍しいこともあるものです。
アガパンサス 2025/06/30 富岡総合公園
アフリカを原産とするヒガンバナ科の多年草でアフリカのユリとかナイルのユリと呼ばれます。球根植物で分球して増え、放置していると群落をつくります。長さ50~100cmの花茎を伸ばし茎頂に青紫の小花を球状に咲かせます。
アゲハチョウ 2025/06/30 並木1
今年初めてこのチョウの撮影に成功しました。しかも、飛んでいるときの姿です。飛び回る蝶の姿を次の句は詠っています。
乱心の ごとき真夏の 蝶を見よ 阿波野青畝 1899-1992
草地広場 2025/06/30 富岡総合公園、富岡東2
同公園の南は草原となっています。広さは野球場ができるくらいあります。そこは子供たちが自由に走り回り、週末は愛好家たちが紙飛行機ならぬ手作りの飛行機を飛ばして楽しんでいます。
セイヨウニンジンボク 2025/06/30 並木1
ヨーロッパ原産の落葉低木。何でニンジンの名がつくのか分かりませんが、花穂の形がニンジンに似ているせいだろうかと思います。その花穂の長さは10~30cmあります。
ヤブカンゾウ 2025/06/30 カゼ場公園、並木1
今年はヤブカンゾウの生える場所が、家の塗装の作業場となり花を見ることができませんでした。ところがその花を公園の角地のツツジの植込みに1輪だけ咲いていました。
いちりんの 藪菅草の わすれぐさ 孤老

自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。