- キリギリス -

 季節の便り 第3844号 2025年7月8日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。


季節は7月7日を境に夏至(げし)から小暑(しょうしょ)に移りました。連日25℃を超す熱帯夜が続き、蒸し暑い凪の朝を迎えています。エアコン無しでは夜も昼も過ごせなません。7月5日にニイニイゼミの初鳴きを小柴﨑緑地で聞きました。ちなみに昨年のニイニイゼミの初鳴きを6月25日でしたから、今年の鳴き始めは昨年より10日ほど遅れたことになります。翌6日は方々で鳴いているのを聞きました。

日中の猛暑は体力を奪います。私は最近急に体力が落ち、歩く時に腰関節に苦痛を感じるようになりました。 幸いなことに自転車に乗れますので日々の所用や自然探索に不便を感じませんが、脚力、特に膝の筋力が衰えて直ぐ疲れるようになりました。そのためこの暑い中、片道1時間かかる三渓園に行くのはためらわれます。しかし、その公園のハスの花を見たい。

7月5日の土曜日に孫娘夫婦が結婚後の挨拶に大阪から来てくれました。私の昔話をまじめに聞いてくれました。しかし、家内はその対応だけで伸びてしまいました。太りすぎです。その翌6日の朝、隣町の氷取沢農園にキリギリスの鳴き声を聞きに行きました。畑の草むらでチョンギースと鳴いていました。その鳴き声を聞くと楽しかった子供時代を思い出して幸せな気分になりました。右はそのキリギリスが鳴く氷取沢農園の風景です。

自転車を畑の端に止めて、そこから氷取沢市民の森に入りました。そこは大岡川の源流の1つで、小川があります。この所、雨が降らないものだから、水の流れは殆どありませんでした。それでも谷川は冷たくて、周辺の空気を冷やして川沿いの草木の葉が朝露に濡れていました。森の中はウグイスやガビチョウ、それにコジュケイやカラスの鳴き声で満ちていました。森の奥で尾の長いサンコウチョウの鳴き声を1声聞きました。しかし、そこではまだ蝉は鳴いていませんでいた。上は水源地付近の風景です。コブシの実がこれから実り始めたこの時期、腹を減らしたタイワンリスがその実を食い荒らしたようで地面に食べかすが一杯散乱していました。

下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。

横から見たトビの飛翔 2025/07/01 野島山
標高60mはある展望台からみた飛翔するトビの姿です。普段は下から見ることが多いのですが、この日は風に乗って真横をゆっくりと飛ぶ姿が見られました。
コオニヤンマ 2025/07/06 氷取沢市民の森
サナエトンボ科に属する大型のトンボで、体長は9cmくらいありました。夏に低山の砂礫の川岸に見られるとか、この地ではこの源流域で見かけます。この日、期待した通り見ることができました。
オニドコロの雄花序 2025/07/06 氷取沢市民の森
ハート形の葉をもつ、つる植物の多年草です。雌雄異株で雄花序は直立し、雌花序は下垂する。冬になると時々割れた莢の連なりが飾りのように見えます。以前ブーケとして部屋に吊るしていました。
ルリジカバチ 2025/07/06 氷取沢市民の森
翅を時々ぶるぶる震わせます。何故震わせるのか不明です。もっぱらイモムシを捕えて、それを穴に運んで幼虫の餌とします。ジガとは地下という意味だと解釈していましたが、翅をこする音がジガジカと聞こえることに由来するとか・・・、しかし、その音を聞いたことがない。
黒い翅をもつシオカラトンボ 2025/07/06 氷取沢市民の森
撮った写真を見て気付きました。翅の先端は透明なのに内側は黒っぽい。それはチョウトンボの翅です。しかし、チョウトンボほど翅は広くない。遺伝するようだと変種で、1代きりだと偶然の出来事です。
ヤブテマリ 2025/07/06 氷取沢市民の森
緑ばかりの林の中に目を惹く赤い実を一杯つけた木を見つけました。一瞬、白い花を咲かせているときの姿が甦りました。名を思い出せません、ゴマギでもなくガマズミでもない、残すはヤブデマリです。

自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。