季節の便り 第3846号 2025年7月12日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。
今は小暑(しょうしょ)の季節です。朝夕は曇り、日中は高温高湿で空は霞み、夜は残暑でエアコン無では眠れない。そのエアコンも数時間たつろ省エネ運転にかわり、温度調節が粗くなる。そして蒸し暑さと尿意で真夜中に目が覚める。
そんな天候の続く7月9日にの宵に久しぶりに月を見ました。その月の写真を撮りに視界が開けた富岡船溜まりに行きました。そこで見たのが下の写真です。月は流れ雲の上にのっかるように浮かんでいました。丸い月は左側(東側)が少し欠けており、おそらく14夜の月でしょう。
右はその翌10日未明に東の空に見た2つの星です。明けの明星と言われる金星とその下におうし座の主星であるアルデバランが見えていました。金星の上にスバルの連星があるのですが、街灯の照明で視界が明るすぎて見えませんでした。なお、富岡船溜まり池の周囲は公園となっています。公園の北端に広場があります、その広場で涼むために数人の人々がいました。
昔から人々は宵になると涼を求めるて出歩きました。私がこどもの頃は、夕方になると蚊遣りを焚き、子供たちは行水をし、浴衣をきて縁台でうちわを使いながら夕涼みをしました。その時眺めたのが今と変わらない涼し気な月でした。昔の中国の人々は月に氷の宮殿があると信じていました。金の時代(1115-1234)の詩人・趙元(ちょうげん)は今の季節を詠った詩「大暑」の中に氷の宮殿、広寒宮があるという。詩の意訳は次の通りです。
ひでりの雲が炎を飛ばして果てしない大空を焼き焦がしている
ぎらぎらと輝く太陽に照らされていると、まるで甑(こしき)の中で蒸されているようだ
月にあるという広寒宮の氷雪の岩屋にでも行かない限りこの暑さをしのげそうもない
扇子などでいったいどれほどの風を起こせるというのだ
下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。
自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。