四季の便り 第3927号 2025年12月21日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。
今は大雪(たいせつ)の季節でが、12月22日から冬至(とうじ)に移ります。冬を代表する事象に時雨があります。最初の時雨を初時雨と言います。その時雨が20日に降りました。次の句はその初時雨を詠っています。
旅人と 我名呼ばれむ 初時雨 松尾芭蕉 1644-1694
右は冬にこの地に現れる猛禽のノスリです。18日の朝、福浦3丁目にある横浜市大病院に行った帰り、小柴自然公園の崖沿いの道を通りました。その時、見たのが写真のノスリです。飛び方はトンビにそっくりですが、どこかが違う印象を受けました。上空で旋回するとき翼の裏側に太陽が当たりノスリであることがはっきりしました。
下は16日の昼前に野島にスズガモを見に行った時の帰りに寄った称名寺の内苑です。寺は鎌倉時代の要人であった北条実時(1224-1276)が1260年に建立した持仏堂に由来します。庭に平安時代の庭園を模して作られた阿字が池があります。そこはオナガガモの越冬地となっており、毎冬10羽前後の群れが見られます。
その翌日の19日に福浦の工場地帯を自転車で走っていると、ある工場の門に二人がかりで門松を据え付けていました。竹の豪快さと勢いを示すためか大竹の孟宗竹を斜めに伐り、天を衝く形に整えます。しかもその数は3本です。思い出すのは、子供の頃、年末になると注連縄(しめなわ)や門松に使うウラジロ(シダの1種)や松の枝を採りに4㎞先の山に採りに行っていました。その時の友との道中が楽しかった。そして歌ったのが「お正月」の歌でした。歌は正月が来るのを待つ当時の子供たちの気持ちを歌っています。それは私の子供時代の事でした。
もういくつねると お正月
お正月には たこあげて こまをまわして遊びましょう
はやく来い来い お正月
下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。
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水に沈んだ落葉 2025/12/15 金沢自然公園の水連池 水連池はⅡの沢の谷間にあります。谷を挟む南と北の山麓の木から舞い落ちた葉が、浅い池に沈んでいました。いろんな葉があり、周辺の植生が豊かであることを告げています。 |
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ムラサキツバメ 2025/12/15 金沢自然公園 地面近くを短く飛んだ小さな蝶がいました。枯れ葉の上に止まりました。時々翅を広げようとしますが広げない。写真は最大に広げた時の写真です。かすかに翅の上面が紫がかっていることと、撮った写真に尾のような突起が見られることからムラサキツバメのメスとみました。 |
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オオバン 2025/12/16 海の公園の磯 水面に頭を出した岩の上でオオバンが餌を探していました。この時、この磯で見たのは数羽のヒドリガモでした。オオバンは潜りができますが、ヒドリガモはできません、両者はこの磯で海藻(ノリ)を漁っていたのかもしれません。 |
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最期の月の出 2025/12/18 5:15 ベイサイドマリーナ東端 今年最も遅い月の出です。それは北風の吹く寒い朝でした。港の管理棟の風陰で月の出を待ちました。出てきた月の左(北)に水星が出ていましたが、肉眼では見えず気付きませんでした。 |
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冬のバラ 2025/12/18 福浦1 弱い冬の日に照らされて赤いバラが誇らしげに咲いていました。しかし、葉は寿命と寒さで萎れて枯れ始めていました。 冬バラは 去りゆく年の 名残りなり 孤老 |
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ナラカシワの紅葉 2025/12/18 並木インターチェンジ分離帯 車道脇に大きな落葉を見つけました。それは分離帯にあるナラカシワの落葉だと気付きました。写真はその時に見たナラカシワの紅葉です。 |
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自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。