- 紅葉もみじの色-

 四季の便り 第3917号 2025年12月1日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。


今は小雪(しょうせつ)の季節です。12月29日現在、この地は紅葉の最中です。気温は寒暖を繰り返しながら寒くなっています。関東北部に比べこの地は暖かく、もう絶えたと思っていたコオロギの鳴き声を28日の朝4時半ころの散歩時に聞きました。しかし、単独で寂しげです。その音もこちらの立てる足音で鳴き止みました。

下は29日の朝、小柴の丘から尾根伝いに戻って長浜公園に着いたときに見た風景です。中国のモミジ(トウフウ)と日本のモミジ(イロハモミジ)の色の競合が目をひきました。

下はその公園の一角にあるD窓から見た野鳥観察園の汽水地の風景です。対岸の暗さを基準にして撮ると背景が消えました。白枠内では水鳥たちがのんびりと浮かんでいました。

我が家の近くに日本のモミジを代表するイロハモミジが数本あります。その1つが実に美しい。何故美しいのかその原因を考えると、どうやらの色の変化(グラデーション)にあるようです。それは信号機のの3色に類似します。違うのは青が緑であることだけです。そうした紅葉の中を自転車で走っていると、一瞬天国にいるような気がしました。そして思うに天国とはどのような世界だろうと想像を試みました。しかし、今以上の世界を想像できません。思い出したのは家内の里の、ある信仰の家のおばあさんが家内にいうには、“美枝ちゃん、私は今天国にいるのよ”と言う言葉でした。その家は老婆たちが勝手に集まって談笑する場所でした。最近思うに、本当の幸とは名誉や地位ではない、信頼できる友があってこそ幸せなのだと言うことです。

下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。

サクラの冬木立 2025/11/27 並木1
桜並木の歩道で先日まで赤い葉をつけていたのが、今はもうない。金沢自然公園のサクラも同じく冬木立になっていました。サクラの中には秋早々に葉を落として中春から晩秋に花を咲かせる種類があります。それがジュウガツザクラやヒガンザクラです。
アキアカネ 2025/11/28 金沢自然公園
全長が4cm弱。Ⅱの沢調整池の周辺で多く見かけました。もう見られないだろうと思っていただけに見つけた時は嬉しかった。ときたま飛び立つのでその存在が分かりました。それ以外は日当たりの良い暖かい場所で日向ぼっこをしていました。
イシガケチョウ 2025/11/28 金沢自然公園
翅の模様が石崖(石垣)に似ていることからこの名が付いたと思います。このチョウの存在は写真で知っていましたが、実物を見るのは初めてです。温暖化が進み、関東まで進出して来たようです。前翅長は30mm弱と見ました。
コサギ 2025/11/28 金沢自然公園
余程空腹と見え、私が側を通っても逃げる気配はありませんでした。写真は5mくらいの距離からとっています。
コサギ立つ 小春の秋は のどかなり 孤老
ムラサキシジミ 2025/11/28 金沢自然公園
この同類に後翅に尾をもつムラサキツバメがいます。互いに似ており、どちらも樫の木の葉を食草とします。どちらも樫の名がついています。このシジミチョウは日本固有種のようでJapanese Oakblueの名が付いています。どちらも成虫で越冬します。なお、写真に2匹写っています。
サンシュユの実 2025/11/28 金沢自然公園
公園の南斜面上部に子供広場があります。その下に梅林があり、梅林の麓にサンシュユの大木が数本あります。落葉高木で葉が落ちた部分の実が冬の日を透して赤く輝いていました。その内、これらの実も腹を透かせたヒヨドリやムクドリに食べられることでしょう。

自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。