- フジのサヤが弾ける -

 四季の便り 第3924号 2025年12月15日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。


今は大雪(たいせつ)の季節です。年の瀬が迫ってきました。残すところ15日ほどです。さすがに寒くなりました。暗い冬の雲が垂れこめ、寒い北風が吹く、そんな日は外に出たくありません。

下はその北風が朝から吹いた12日の午後3時過ぎのカゼ場公園の藤棚です。花壇の水遣りをしに来ると大量のフジの莢が落ちており、また絶え間なく莢が音を立てて弾けて、種と莢が落ちていました。2番の写真は落ちた莢を掃き集めた姿で、3番は棚に残る莢です。

  

翌13日の朝、ラジオ体操をするために藤棚の下に来ると、前日と同じほどの莢が散らばっていました。体操が始まるまでに熊手で急いで掃き集めると、上の量ほどありました。その時に見上げると、棚にはまだ大量の莢が残っていました。それらは、これから大寒にかけて寒い朝に音を立てて弾け落ちることでしょう。

 

話は変わります。能見台2丁目は金沢区で一番の高所で標高は100メーター以上あります。その丘からは北と東の風景が良く見えます。視界が良ければ106km先の筑波山も見えます。その丘に晴れた11日の午後自転車で上りました。上はその時に見た風景の一部です。参考までに目印となる場所までの距離と方位を記します。

左のランドマークタワーまでの距離は11km、方位11.4度
右の君津製鉄所までの距離は22km、方位87.6度でした。それぞれ遠くに見えますが、それは狭いところに住んでいるからで、広いところに住んでいるとそんなに遠いと感じないでしょう。その1例がアメリカはアリゾナ州にあるコロラド渓谷です。その谷の深さは1000m、最大幅は約25kmと聞きます。なんとも雄大な場所で、近ければもう一度行ってみたいところです。

下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。

ブーゲンビリア 2025/12/11 富岡西5
昔、南太平洋にあるブーゲンビル島で発見された植物だと聞いた記憶があります。今はパプアニューギニア領です、品種改良されて色違いのブーゲンビリアが亜熱帯地方の国で見られます。日本ではまだ原種の赤紫の花が主流です。
ワタの実 2025/12/13 カゼ場公園、並木1
熱帯植物の1年草です。ハイビスカスに似た薄黄色の花が夏に咲き、咲き終わると青くて丸い莢(左)ができて生長します。それが熟れると莢が割れて中から3ないし4つに分かれた綿の塊りが現れます。綿の収穫作業から、綿と種を選別し、糸を紡ぎ布を織ります。昔、裏隣りの水口のばあさんが糸紬と機織作業をしていました。
マンリョウの実 2025/12/13 カゼ場公園、並木1
常緑低木。公園の運動広場の土手の植込みの下に赤い実をつけたマンリョウの木を見つけました。この種の実はこれから腹をすかせたヒヨドリに見つかると、たちまちにして食べつくされます。彼らの糞から新たな命が芽生えます。
カエデの遅い紅葉 2025/12/13 並木1-19
自生したカエデの若木です。大木と建物の半日陰にあるため、紅葉が遅れました。その全体を見ると色が冴えませんが、部分的に見ると綺麗な紅葉が見られました。
シンビジュームの花茎と蕾 2025/12/13 並木1-19
順調に花茎と蕾が育っています。何時咲くか楽しみです。咲くと通る人の目に止まるようになるでしょう。
1年の 前のシンビは 忘れおり 孤老
ユリノキ通りの今 2025/12/13 並木1
11日の南風と翌日の北風で散り残っていた梢の枯れ葉が吹き払われました。そしてユリノキは冬木立となりました。次の句はこの時期の薪材の伐り出しの風景を詠っています。
斧(おの)入れて 香におどろくや 冬木立 与謝蕪村 1796-1783

自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。