四季の便り 第3879号 2025年9月16日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。
今は白露(はくろ)の季節です。白露とは夜露の降りる季節ですが、未だこの地では夜露を見ていません。それだけ今年は残暑が続いているということでしょう。
天気に秋の到来を感じませんが、秋が来ていることは太陽の傾きが大きくなったことや、秋草の花や虫の声で分かります。右は並木1丁目にあるカゼ場公園の南の歩道脇にある植込みのハギの写真です。ハギは落葉低木で、毎年、葉が枯れる前に刈り込んでいます。翌年は沢山の芽が出て木が茂ります。ハギは細い枝先に総状花序を出して、マメ科の小さな花を房の根元から次々と咲かせます。したがって、一斉に咲くことは無く、それほど綺麗と見えません。その花を万葉人は多くの歌に詠みました。2首ほど紹介します、2番目の歌は現実にはあり得ぬ現象で、やや幻想的な歌であるように感じます。
わが岡に さ男鹿来鳴く 初萩の
花嬬(はなづま)問ひに 来鳴くさ男鹿 大伴旅人
わが背子が 挿頭(かざし)の萩に 置く露を
さやかに見よと 月は照るらし 作者未詳
たまにシーサイドラインに乗ることがあります。乗る駅は上の写真の階段を上った先にある並木北駅です。先日はエレベーター塔の上部にコンクリートを流し込んでいましたが、今日14日は板囲いをとって塔の外観が現れていました。これから内装工事が始まります。どのように工事が進むかに関心があります。私が感心するのは工法の進歩です。昔、私が関係した海外での無線局舎造りと比べると、今は工法に雲泥の差があります。先日NHKのプロジェクトXの番組で、渋谷駅周辺の大改造の苦労の様を見ました。そしてリーダーの心意気と技術者たちや従事者たちの情熱に感動しました。
下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。
自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。