- ヒヨドリ -

 四季の便り 第3915号 2025年11月27日発行
横浜市金沢区を中心にした折々の自然を報じ、題名に関する筆者の思いを記しています。


季節は11月22日を境にして小雪(しょうせつ)に移っています。11月下旬の関東のこの地は秋真っ盛りです。26日は冷え込み放射冷却が起きました。そしてカゼ場公園の花壇に白い初霜を見、歩道の排水口から湯気が立っているのを見ました。

25日は朝から雨の予報が出ていました。普段は自転車で行くのを止めて歩いて長浜の尾根にある県立循環器呼吸器センターに行きました。片道45分の行程でした。下はその日の帰り路で見た下り坂の写真です。この先に長浜公園があり、美しい紅葉が見られました。
左の写真はカゼ場公園のアキニレの高木で鳴いていたヒヨドリです。彼らは数羽の群で活動します。最近彼らは朝のラジオ体操をしている時、側の木に止まり賑やかに鳴いています。どうやら狙いは公園やその側にあるクスノキの実のようです。

萎(しお)れ始めた早咲きの菊の花や、聞けなくなったコオロギの音に庭の千種の歌詞を思い出します。作詞家の里美 義(ただし)(1824-1886)は今ころの季節を1番の歌詞に次のように詠いました。

庭の千草も 虫の音も
枯れて淋しく なりにけり
ああ 白菊  ああ 白菊
ひとり遅れて 咲きにけり

コオロギの鳴き声を確認のため25日の未明に金沢緑地に沿って歩きました。その時、コオロギがグリーンベルトの草むらで行き弱々しく鳴いていました。しかし、2日後の27日には絶えていました。今はまさに万物が衰える季節を迎えています。

下は最近の写真です。写真には大画面がリンクされています。大画面で見ることをお勧めします。花は昔を懐かしく思い出させ、初めて見る花は新しい思い出を作ります。

郷里のコスモス畑 2025/11/15 愛媛県松前町 白石雅造氏撮影
懐かしい郷里から美しいコスモスの便りが届きました。歳をとると友が生きていてくれるだけでも励みになり、心の支えとなってくれます。故郷の思い出の山河と、懐かしい友の存在は貴重でありがたいものです。ありがとう
シロサザンカ 2025/11/23 並木1
この日、初咲きの1輪を見つけました。直径8cmくらいの一重の花です。昭和6年生まれの義兄がくれたサザンカです。彼が無くなってから何年たったのでしょう。おそらく30年は経っています。そうなると写真のサザンカは彼の形見といえます。
イソヒヨドリ(メス) 2025/11/23 海の公園
人工の磯にイソヒヨドリがいました。メスは地味な色をしており、その上、背後の海が明るいため益々冴えない姿にみえました。虫を食べるこの鳥は、冬に何を食べるのでしょう・・・
生き続けるジョロウグモ 2025/11/24 氷取沢市民の森
写真のクモはお腹がぺしゃんこです。おそらく産卵を終えた後だと思えます。一般にメスは産卵を終えると息絶えます。それが産卵後も生き続けている姿を初めて見ました。そのたくましさに感動しました。
キタテハ 2025/11/24 氷取沢農園、磯子区
寒くなると目立つのが、成虫で越冬するタテハチョウの仲間です。この日は晴天で農園でこのキタテハと、飛んでいる赤トンボを数匹見つけました。しかし、トンボの撮影の機会はありませんでした。
ソヨゴ 2025/11/25 長浜公園
野鳥観察園の池の周りは樹木で囲われています。その木の外に遊歩道があります。観察園の南端にこの木があるのは以前から知っていましたが、北端にもあることをこの日、気付きました。ソヨゴは常緑低木で、以前岐阜の低山で自生の木を見ています。

自然は休むことなく毎日小さく変化しています。1週間も経つと誰の目にも変化が分かります。
変化の様子は実に感動的で素晴らしいものです。貴方も自然観察をしませんか。