【書類名】 特許願
【整理番号】 POOOOO3−1
【あて先】 特許庁長官殿
【国際特許分類】 G06F 17/22
G06F 17/30
【発明者】
【住所又は居所】 兵庫県神戸市中央区港島中町3丁目2番地6
エバーグリーンポートアイランド6号棟401号
【氏名】 泉 浩次
【特許出願人】
【識別番号】 305012142
【氏名又は名称】 泉 浩次
【電話番号】 078−302−7710
【ファクシミリ番号】078−435−5502
【手数料の表示】
【予納台帳番号】 293646
【納付金額】 16000
【提出物件の目録】
【物件名】 特許請求の範囲 1
【物件名】 明細書 1
【物件名】 図面 1
【物件名】 要約書 1
【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】
日本語入力システムに於いて、読み入力を記憶する手段を装備し、かな漢字変換辞書に加えて、読み入力された文字列をかな漢字混じりの住所表記にする為の、読みと表記候補となる地名が対応付けられて登録された住所辞書を装備し、該記憶手段に読み文字が追記される都度、該記憶手段に格納された読み文字列を検索キーとして該住所辞書と照合して、読み文字列に対応するかな漢字混じり住所文字列を出力する出力手段とを具備することを特徴とする住所入力装置。
【書類名】明細書
【発明の名称】住所入力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本語入力システムに於いて、住所欄にかな漢字混じりの地名(住所)を入力することを支援する方法及び装置に関する。
特に、地名の読み入力とは別のキー操作を必要としない住所入力自働支援機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
郵便番号から住所(地名)を表記する以外の方法で、住所表記を支援する従来技術の多くは、かな漢字変換処理後のかな漢字混じりの入力文字列をキーとして住所辞書を検索するものである。
【0003】
希に入力読みかな文字を検索キーにするものにあっても、通常の文書作成のための操作とは別に、何某かの操作を要するものである。
【特許文献1】特開平1−255956号公報
【特許文献2】特開平1−293463号公報
【特許文献3】特開平10−116277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
住所欄(例えばテキストボックス)に、地名の読みをキー入力する以外に、別段の操作を求めることなく、使用者が入力するであろう文字列を含む、かな漢字混じりの地名候補を自動的にリスト表示し、リストから所望のものを選択(候補が唯一の場合は住所欄に表記)することで、住所の入力を支援する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、日本語入力システムに於いて、読み入力を記憶する手段を装備し、かな漢字変換辞書に加えて、読み入力された文字列をかな漢字混じりの住所表記にする為の、読みと表記候補となる地名(かな漢字混じり住所)が対応付けられて登録された住所辞書を装備し、該記憶手段に読み文字が追記される都度、該記憶手段に格納された読み文字列を検索キーとして該住所辞書と照合して、読み文字列に対応するかな漢字混じり住所文字列を自動的に出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
実施形態では、読み入力を記憶する手段は、ハードウエア構成(図1)上では読みバッファ12、機能構成(図2)上では読み文字列記憶部27がそれぞれ該当する。
【発明の効果】
【0007】
入力読み文字列の変化を検知して、自動的に辞書との照合を行うので、使用者に読み入力以外の操作を求めない(使用者が辞書を意識する必要はない)。
【0008】読み入力された文字のかな漢字変換前に候補を表示するので、変換操作が省かれる他、変換に伴うエラーやその修正が要らなくなるのみならず、住所を特定するに必要な文字を超えての入力が回避されるので、労力が軽減、所要時間が短縮されて、住所入力処理能率が向上する 。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
1.ハードウエア構成
【0010】図1は、一実施形態における住所入力装置のハードウエア構成のブロック図である。
住所入力装置は、CPU11、メモリ12、外部記憶装置16、入力装置13および表示制御部14に制御された表示装置15を備えている。
【0011】図中CPU11は、本装置の動作全体を制御するものであり、メモリ12に格納されたプログラムの起動で動作する。
【0012】メモリ12は、ROMやRAMからなり、本装置で使用されるプログラム12aやプログラム実行時のデータを格納し、入力バッファ12bや読みバッファ12cに
も使われる。
【0013】入力バッファ12bは、文書作成のために入力された文字列に関する情報を格納する。
【0014】読みバッファ12cは、住所入力のために読み入力されたかな文字列を格納する。
【0015】入力装置13は、キーボードからなり、本装置に対する指示やデータの入力に用いる。
【0016】表示装置15は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)からなり、入力装置13を通じて入力された文字列や、文字列に対応する候補などを表示制御部14を介して表示する。
【0017】外部記憶装置16は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)からなり、各種プログラムや文書などのデータを保存する。この外部記憶装置には、日本語入力を実現するためのプログラムの他、かな漢字変換処理に使用するかな漢字変換辞書
(図2の25)や、住所検索に使用する住所辞書(図2の28)などのデータも含まれる。
【0018】
2.機能構成
図1に示すハードウエア構成によって実現される住所入力装置の機能構成について説明する。
【0019】図2は図1のハードウエア構成によって実現される住所入力装置の機能構成を示すブロック図である。
住所入力装置は、入力部21、制御部22、出力部23、変換部24、住所表記部26および読み文字列記憶部27を備えている。
【0020】入力部21は、読み文字列などのデータを入力する。入力操作は、ワープロ等、通常の文書作成の操作と同じである。尚、入力部への文字入力は、広く多用されている読み入力を前提にしている。制御部22は、入力部21からの入力データに基づいて各処理部24、26,27などを制御したり、出力部23を制御するもので、入力された読み文字列に基づいて住所表記処理を行う。出力部23は、入力された読み文字列や、かな漢字変換結果、住所表記機能の出力結果である表記候補などの表示を行う。
【0021】変換部24は、かな漢字変換辞書25を参照して入力読み文字列をかな漢字混じり文字列に変換する。
【0022】読み文字列記憶部27は、キーボードから入力される読み(かな)文字を記憶する。
【0023】住所表記部26は、制御部22からの指示により、住所辞書28を参照して入力読み文字列に相応の住所表記処理を行う。
【0024】住所辞書28は、住所文字列とそれに対応する読み文字列など、住所表記処理に必要な単語情報を記憶しており、本実施形態では、
住所表記用のかな漢字混じりフィールド28aと読み照合用のかなフィールド28bを有する。
【実施例1】
【0025】
本発明の1実施例における動作について図3のフローチャートに従い説明する。
【0026】入力装置13への入力に際し、先ず、バッファが初期化され、バッファ12b,12cに格納されていたデータはクリアされる(ステップS1)。
【0027】入力操作は、ワープロ等、通常の文書作成の操作と同じで、使用者は、住所表記部26例えばテキストボックス(住所欄)等に、キーボードを用いて、読み文字を入力(ステップS2)し、必要応じて漢字変換(ステップS10)を行いながら、入力を終える(ステップS11)まで入力操作(ステップS2へ戻る)を繰り返す。
【0028】この間、読みバッファ12cには、使用者のキー押下に応じて読み文字が読み文字列に順次追記される(ステップS3)。
読み文字列記憶部27では、読みバッファ12cに文字が追記される都度(ステップS4)、読みバッファに格納されている読み文字列をキーとして、住所辞書を検索(ステップS5)し、該読み文字列を含む地名が在れば、地名(かな漢字混じり住所)を出力部23にリスト表示する(ステップS7)。尚、候補が唯一の場合は、地名を該テキストボックス(住所欄)に直接表記する(ステップS6の=1岐路)。
使用者は、リスト内から所望の地名を選択(ステップS8)し、番号、建物名、室番号等を補記(ステップS9)して入力を終える。
【0029】地名(住所)の読み違いで、候補が見出せない場合や、入力を中断する場合は、ステップ11のYes岐路を経て住所入力装置の使用を終える。
【0030】
住所辞書28との照合は、使用者の別段の操作もなく、自動的に並列処理(自動支援)されるので、候補が抽出されるまでは、使用者が本発明の動作を見る術はない。所望する表記を含む住所リストが、表示装置15例えばCRT画面に表示されて初めて、本発明の動作を眼にすることとなる。
【0031】少ない文字数を入力して多くの候補を得るのが良いか、多くの文字数で少ない候補に絞るのが良いかはケースバイケースで、使用者の裁量に委ねるべきものであるが、例えば、実施例1では、いずれかの市区名を含むことを検索の必須条件にしている。
【実施例2】
【0032】
図4は、前述の実施例1に、使用者の操作に基づいて、住所入力を支援(呼応支援)する機能を組み入れた実施例2のフローチャートである。
【0033】追加された機能は、通常の文字入力とは別に定めたキー操作、例えばテキストボックスのダブルクリック等、使用者の支援要請(ステップS12)を受けて、住所辞書を検索する(ステップS13)。
前述の実施例1(自動支援機能)が、入力文字の読みを検索キーにしているのに対し、追加されたフロー(呼応支援機能)では、住所表記部26例えばテキストボックス(住所欄)に入力されたかな漢字混じり文字列をキーにして、住所辞書28内のかな漢字混じりフィールド28aを検索し、該文字列を含む地名が在れば、郵便番号及び地名を表示装置15にリスト表示(ステップS15)し、使用者の選択(ステップS16)を待つ。
候補が唯一の場合は、実施例1同様、地名が該テキストボックスに直接表記される(ステップS14の=1岐路)。
読み違えに因り、前述(実施例1)の方法で候補を得ることができない場合の救済手段として有用である。
尚、追加の機能(呼応支援)では、住所の読み違えは障害にはならないが、当て字では追加(呼応)の支援を受けることはできない(自動支援機能と呼応支援機能とは相互に機能を補完する)。
【産業上の利用可能性】
【0034】
英語圏の内外を問わず、広く多用されている英数キーを押下しての入力読み文字列を、検索キーとしてデータ処理する限りに於いては、データ処理には言語による格差は生じ得ない。
データ処理の結果は、地域に相応しい言語処理が施されて出力されるが、地域に根ざし伝承されてきた文明とのインターフェースとなる言語処理を、言語の壁と称して、弊害のように評するのは地域文明に対する偏見ないしは蔑視の疑念を彷彿させ適当ではない。
【0035】
「数字生まれの英語育ち」と言われるコンピュータの英語圏外での使用に於いては、使用言語の相違に因る格差の在ることが当然のことのように受け入れられ、変換処理したデータを保存し、変換処理した検索キーで保存したデータを抽出する方法及び装置が多く見受けられる。
データを変換処理して保存することは、出力への備えとしての意義があるが、検索に変換処理後のキーを使う方法及び装置は、言語の垣根を設けて、垣根越しに情報を処理するに等しく、この手法こそが言語の相違に因る弊害を創り出しているのである。
【0036】検索のための読みフィールドを設けてデータを保存することは、データを重複保有するに等しい無用な労力を費やすように見えるが、抽出条件の設定に、都度読みのキー入力が避けられないのであれば、登録のための一度限りの入力は無用な労力には当たらない。
【0037】読み文字列による情報処理には、読み文字列に対応するフィールドを持つ辞書の存在が必要不可欠な前提要件である。学習能力を有する環境相応の辞書が、体系付けされた環境に配備されることが待たれる。
【0038】入力読み文字列による情報処理は、住所入力に限り有用な方便ではない。本発明は、公知(郵政公社発行)の辞書が既に在って、即刻、有用性を体感できる1実施例を開示したに過ぎない。入力読み文字列による情報処理の合理性並びに環境整備の必要性を示唆することにこそ本発明の意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は住所入力装置のハードウエア構成のブロック図。
【図2】図2は住所入力装置の機能構成のブロック図。
【図3】図3は第1実施例における動作を説明するためのフローチャート。
【図4】図4は第2実施例における動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0040】
11 CPU(Central Processing Unit)
12 メモリ
13 入力装置
14 表示制御部
15 表示装置
16 外部記憶装置
21 入力部
22 制御部
23 出力部
24 変換部
25 かな漢字変換辞書
26 住所表記部
27 読み文字列記憶部
28 住所辞書
28a かな漢字混じりフィールド
28b かなフィールド
【書類名】図面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【書類名】要約書
【要約】
【課題】かな漢字混じりの住所の入力を支援する方法及び装置を提供して、住所入力処理能率の向上を図る 。
【解決手段】日本語入力システムに読み入力を記憶する手段を装備し、読みと地名が対応付けられた住所辞書と、読み文字が追記される都度、該住所辞書を検索して、読み入力文字のかな漢字変換前に、読み文字列に対応するかな漢字混じり住所文字列を自動出力する出力手段とを具備する住所入力装置を提供して、住所入力処理能率を向上する 。
【選択図】図3