#1371/1400　ちょっと一息、気楽な話題で楽しんで
★タイトル (iti@msi.)  03/ 6/ 6(Fri.)  22:25  ( 56)
文化的な生活     一久
★内容
健康で文化的な生活

　学生時代、友人が実家からオーブントースターを送って
もらったときに言った。「これで日本国憲法に保証された
健康で文化的な生活ができる」

　藤子不二雄の「漫画道」のなかで、彼らはフランスパンに
メンチカツやコロッケを挟んで食べている。

なぜフランスパンなのか。食パンではなく。

その答えも、ここにある。

　そう、トースターを買う余裕がないのだ。

　健康で文化的な生活とは、オーブントースターを買える
状態のことだと、言えり。

　健康で文化的な生活とは、銭金の問題ではなくて、精神
の問題であると思う。そのような自由・自主独立の精神が
許される社会的自由にこそある。

　どんなに大金持ちであっても、その行動思想が自分の所
属する社会階級に拘束されているのであれば、いかに着飾
ろうとも、その人は豊かではないし、健康でも文化的でもない。

　となりの奥さんがどっかへ旅行したからウチも、とか、流行
のバッグがほしいとか、あのレストランの評判の料理が食べ
たいとか。そのような他人の行動や評価に捕らわれていたの
では、永久に心休まるときはあるまい。

　学制時代、私はＴＶを持っていなかった。もっぱらラジオを聞
いていた。ＴＶの情報量は確かに多い。しかし、どちらが文化的
だったか。

　圧倒的に、ラジオのほうが文化的で知的であり、人間性を高
めるものであったといわざるを得ない。

　さらにＴＶのない生活は、副産物を与えてくれた。それを映像
に対する飢餓感である。テレビのない生活をして初めて、映画
の真価を知ることができた。

　このように、ラジオしかない生活のほうが、文化的な生活であ
ると言える。金を得ることによって、テレビやインターネットがで
きるようになったが、それはまさしく文化的な堕落に他ならない。

　食べ物についてもそうで、工夫と愛情しだいでどうにでもなる。
怖いのは、世間のお仕着せの価値観に捕らわれて、自ら工夫
することができなくなることなのだ。

　食べ物についてのことは、漫画「美味しんぼ」に譲ろう。

　「低予算披露宴対決」「究極の披露宴　山岡の結婚」を参照。
海原雄山の語る妻の言葉に注目のこと。

　　


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