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#1813/1900 ちょっと一息、気楽な話題で楽しんで
★タイトル 05/10/ 6(Thu.) 21: 7 ( 39)
フランス政治の変容 一久
★内容
「フランス政治の変容」 ルネ・レモン
まだ、2/3ぐらいしか読んでいないが、フランスでも日本と似た状況に
なっていること、つまり右翼か左翼かで争うことは無意味なことになり
つつあり、同時に、政治家や政党に対する信頼が激減している。
私には、それに対する処方「政党内民主主義の確立」すなわち、政党は
意見を集め討議し政策を決定する装置であり、その民主的性能を競い合
う物である、政党の善し悪しは、まさにその内部にどれほどの「政党内
民主主義」を持っているかで決まるのだ、というのがあるが、この本に
はそれはない。
閑話休題
フランスの民主主義が英米にくらべて虚弱であった原因のひとつは、
違憲立法を宣告する機能が裁判所になかったからだとか。ゆえに、明ら
かに人権に反するような立法がなされ、易々と施行せられたのだという。
そういえば、英米では判例を重視主義をとっていて、これが民主主義
の擁護に役立っている、という記述を別の本で読んだことがある。当時
は、判例を重視することが何でそんなに重要か分らなかったが、今、この
フランスの例を知って、理解できた。
判例を重視するといっても、それは過去の判例に盲目的に遵うという意味
ではないのだ。判例重視主義とは、判例によって法律の無効・失効を宣言
できるということなのだ。
そういえば、昔TVで、こんなのを見たことがある。アメリカのどこかの
州で、「道路でラクダを連れて歩いてはいけない」という法律があった。
これで捕まった男がいたが、裁判所はこの法律は開拓時代に馬がラクダを
怖がるのでできた法律であって、馬が道路を走っていない現代では無効で
あるとして無罪とした、というものだ。
これこそが、判例重視主義であって、これによってヘンな法律は裁判所に
よって排除されていたのである。まさに、違憲立法判断の代替をしていた
といえよう。
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