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#614/700 ちょっと一息、気楽な話題で楽しんで
★タイトル (iti@msi.) 01/11/ 6(Tue.) 20:25 ( 31)
大衆の反逆 一久
★内容
【大衆の反逆】
筑摩学芸文庫 「大衆の反逆」 オルテガ・イ・ガゼット 著 神吉敬三 訳
とりあえず、第一部は読み終えました。
よく「日本には技術はあっても科学はない」とか「科学技術の根っこがない」などと
いいますが、この本の時代においてはアメリカが日本の位置にあてはめられています。
真に科学が根付いたのは、ヨーロッパの特定の都市だけであると。
科学の根本とはなんでしょうか?
私はこの本を読んで、それは自然を解明しようとする精神であろうという認識を持った。
さてそうだとすると、今日ではアメリカにおいても日本に於いても、十分に科学はその
根を大地におろしているといわねばなるまい。
とくに日本においては、江戸幕末以前より、その種の探求があったであろう。西洋人が
それを知らなかっただけである。
それを無視して、明治以降のものに限っても、例えば田中寅彦の物理学、その弟子による
雪の結晶の研究の存在は、日本に科学の根っこがどっしりと根を張っていることを証明し
ている。
もっとも、その田中寅彦の物理学は、「田中の文人趣味」といわれ、西洋先進文明に背
をむけるアナクロ主義だと影でささやかれていたのであるが。
その文人趣味の日本ローカルの科学こそが、実は科学の根本そのものなのである。
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